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魔法使いと夢と夢魔  作者: 高町 楠葉
第一章 魔法使いの息子
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二十二話 物思い

今回は新キャラ、明星の回です。

 八神明星は考えていた。

 肌寒い風をその身に受けながら考えていた。


「学園長は何をさせたいんだろう……」


 ここはショッピングモールと八神邸を繋ぐ道のりの途中にある橋の上。

 八神はその橋のふちから下の川を覗くように見つめながら一人佇んでいた。

 冷たい風が一つ吹き抜けた。


「……」


 学園長の家に泊まる、という話が決まったのはつい先ほどの事。

 八神は生活必需品の一部を買い足す為にもう一度ショッピングモールまで足を伸ばした帰りにここにいた。

 実際のところはそこまで急いで買い足す必要はなかったのだが(あの後、本当に必要分の荷物が送られてきた為)一人でゆっくり物思いに耽る場所が欲しかったという事もある。


「あいつが学園長の……」


 『父さん』とあいつ……夜風は呼んでいた。

 本人に確認したわけではないが夜風は学園長の息子なのだろう。

 実に似ていない。


「……」


 夜風歩紀。

 歴史上最も若くして魔法統治機構の代表、七賢者に選ばれた才能の持ち主(現在の最年長が80を超えているのに対して歩紀はまだ42歳)であり、芹沢魔法学園の創立者である芹沢優護の孫娘、芹沢優夢と結婚した後、芹沢魔法学園の学園長を兼任している人物。

 そんな大魔導師の息子。


「夜風……歩夢、か」

「あいつがどうかしたのか?」

「え……!?」


 唐突に話しかけられ、八神は驚きながら振り返る。

 自分とあまり背丈の変わらない、黒いコートの男がそこに立っていた。


「何でアンタがここにいるのよ」

「ここに住んでいるから……では理由にならんか?」

「……もういいわ。アンタには何聞いても無駄みたいだし」


 男に背を向け、そのままもう一度川の方に向き直る。


「ところでアンタ、夜風歩夢って奴の事知ってるの?」

「一応あいつの友人をやってるんでね」

「……?どういう意味?」

「言葉通りの意味だ」


 訝しみながら八神が男にもう一度視線を向けるも男の表情は動かない。

 感情の起伏が乏しく、相変わらず何を考えているかわからない奴だ。


「……何を考えてるの?」

「さてね」


 男は……前史は小さく肩をすくめるとそのまま八神に背を向けてその場を立ち去った。

 一言だけ言い残して。


「良い奴だよ、あいつは」

史がどういう立ち位置かは後々。


楠葉でした。

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