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我が手は血に濡れつつ  作者: 尚文産商堂


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第5話

「豚玉焼けたよー」

同期らということもあって、今は気兼ねなく話し合うことができる。

男女合わせて4人、男2人、女2人だ。

合コンのように男女分かれて、それぞれが鉄板を挟んで座っている。

女性の一人が、手際よくお好み焼きを焼いていく。

頼んでいるのは豚玉、モダン焼き、それとイカ玉、焼きそばの大盛りだ。

今目の前にきているのは豚玉とモダン焼き。

イカ玉と焼きそばについては、後で持ってきてくれるという手筈になっている。

なにせ豚玉だけで鉄板の3分の1くらいの大きさがあったから、ほかのものを持ってきてもらっても置く余裕がないというのが正直なところだ。

「ありがとう」

隣に座っている男が声をかけた。

「まずは自己紹介からかな。私は斉藤垣江さいとうかきえ。みんなも同じだと思うけど、今年入社組だよ。よろしくね」

朗らかで、ぐいぐい来るタイプだ。

俺にとっては苦手なタイプだが、なんとはなくに話しやすさは感じる。

「じゃあ貴女ね。自己紹介どーぞっ」

コテですぐ隣の人を指しながら、斉藤が言う。

「えっ。わ、わたしは高啓たかけいツバサと言います。えっと、趣味で電車に乗ったり写真を撮ったり、あと、私も今年に入社しました。よろしくおねがいします」

「はい、拍手~」

言いながら口でも、コテを置いた手でもぱちぱちと拍手をして見せる斉藤に対して、どうすればいいかわからないという、ポカンとした表情をしている高啓の対比が、なかなか見ていて楽しい。

「じゃあ、そちらの男性から。どうぞどうぞ」

今度は手で合図を送ってきた。

「自分は平坂亜純ひらさかあずみと言います。なかなか外には出たくないですが、仕事なので出てきてます。自分も、今年入社しました。これからよろしくお願いします」

それから俺へと目が向けられる。

「あ、北表浩二といいます。今年入社してます。これから長い付き合いとなるでしょうが、どうぞよろしくお願いします」

「はい、よろしくお願いしますぅ」

斉藤が仕切ってくれているおかげで、話がかなりスムーズに進んでいること。

これに関してはとても感謝だ。

だが、一方的過ぎて、なんだか口をはさみにくくもあった。

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