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我が手は血に濡れつつ  作者: 尚文産商堂


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第2話

大学卒業後、初めて入った会社にて。

今となっては懐かしい、22歳の新卒採用で入った会社で、俺は営業課に配属された。

その配属初日、課長が俺らを前にしてまずは、と演説を始める。

会議室で同期は20人くらい、みんな課長を対面するように並べられたパイプ椅子に座らされて、おとなしく話を聞いていた。

朝方から曇り空だったが、ここにきてようやく晴れてきたようで、課長の後ろからわずかに光が差し込んできている。

「えー、まずは新入職員のみんな、おめでとう。今日こうして集まることができたのは、君らが無事にこの会社に入れたということを意味している…………」

うんぬんかんぬんと、まあよくここまで形式的なものを言い続けることができるな、と感心するほどの長ったらしい話だ。

「……ということで、まずは周りを見回してほしい。君らの仲間だ。大いに語らい、大いに切磋琢磨し、大いにこの会社を盛り上げてほしい」

課長の話はまるで校長先生のありがたいお話のような効果を俺に与えていた。

しばらく意識がぶち飛んでいたらしいが、ようやくその話も終わりを迎える。

拍手を慌てて周りに併せてすると、今度は新人教育の説明に移る。

教育は今はやりのOJTというやり方のようだ。

要は実際の業務をやりながら先輩にいろいろと教えてもらうということらしい。

順番に紹介されていくと、ようやく俺の番が来た。

「えー、では、北表浩二(きたうえこうじ)くん。君の教育係は南垣斉(みなみかきひと)だ。これから長い間一緒になることだろう。よろしく頼んだよ」

課長に紹介された先輩は、かなりがっちりとした筋肉質で、すこし日焼けしているように黒色の肌をしていた。

「南だ。これからよろしく頼むよ」

「北表です。こちらこそ、どうかよろしくお願いします」

がっちりと握手を交わすと、先輩の手はわずかにじっとりとしていた。

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