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第10話
6月の上旬。
俺は南さんに呼ばれた。
「まあ、そこに座ってくれ」
いくつかの書類、それと二人だけの会議室。
梅雨入りして久しい、じめじめとした外都とは打って変わって。
部屋の中はエアコンがしっかりと効いていて、おかげで長袖の背広を着ていてもまだ過ごしやすい。
「はい」
言われるがままに、俺は南さんからテーブルをはさんで着座する。
会議室にありがちなキャスター付きの、簡単な椅子だ。
「まあ、気張らずにしてもらったらいいよ。これは簡単なものだから」
「はあ」
言われても、今までの仕事のことを考えると、まだまだ半人前という俺だ。
何かいろいろと突っ込まれることだってあるだろう。
俺が座ったのを確認してから、南さんが俺へといろいろと聞いてくる。
ただ、聞いてくる内容のほとんどは雑談というべきか、仕事の話というよりかは生活面や趣味と言った範囲の話ばかりだ。
要は、新人が逃げないように、ちゃんとしている、ちゃんと話を聞いているということらしい。




