12 『ずっと』
僕はこれからのことを考える。未来のことを考える。とりあえず彼女と恋人になるとこまでは来れた。でもこれで終わりじゃない。これからも人生は続く。彼女との関係は続く。続いてほしい。いや続かせる。何としても彼女を幸せにする。それが僕の幸せだ。彼女と一緒に幸せになるのだ。
結婚や子どもといったことも考える。でも彼女は二十一だ。そんなのはまだ早いかもしれない。結婚したいなんて言ったら引かれるかもしれない。せめて彼女が二十五くらいになるまでは切り出さないほうがいいかもしれない。いやそもそも結婚の前に同棲をしておくべきかもしれない。
彼女と付き合えたとはいえ、それは細い一本の糸で結ばれたようなものに過ぎない。ちょっとしたことでその糸は切れるだろう。でなければこの世はもっと愛で溢れてるはずだから。
僕には見える。打ち捨てられた屍たちが。
僕は知っている。僕が奇跡に愛されたことを。
光と闇は紙一重だ。闇はすぐそこにある。一回の選択ミスが破局に繋がることはこれからも変わらない。ここはチェックポイントであってゴールではない。
僕はこれからもあらゆる可能性を考慮し、僕なりの王道を往く。
それが僕の恋愛だ。
ありのままの姿なんて見せるな。
ありのままの自分になんてなるな。
僕は人を愛しすぎるから、100分の1でちょうどいい。
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人を好きになったら地獄です。
人を好きになったら地獄です。
人を好きになったら地獄です。
でも、人によっては、天国かもしれません。
皆さんがそれぞれの場所で、それぞれの人と、それぞれの恋愛を通じて幸せになれることを、ここから祈っています。
それでは皆さん、さようなら。
頑張ってください。
〈了〉