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妖々師試験なんてあるの?

「きゃああああっ!!!」


――お決まりの悲鳴。


「何してんのよ!!」


「いや、誰もいないかなって……」


「今は女性の時間よ!」


そして乱入するおばさん。


「アンタ何やってんだい!!」


イノウェイ並みのリバーブローを喰らい悶絶する俺をおばさんは逆さに抱え上げた。


「くたばれっ!!」


「あああああっ!!!」


「エメラルドフロウジョン!!!」



……あ、俺死んだ。



…………


……



「んっ…生きてるぞ?」


どうやら部屋のベッドの上だ。


辺りをキョロキョロすると、ジトっとした目をしたエンリンがいた。


「アンタ……何でここにいるのよ……」


「俺死んだんじゃ……」


「死ぬわけないじゃない!!」



どうやら死なない程度に加減されたらしい。



「なんで裸見られた私がアンタの肩もたないといけないのよ……」



なんかブツブツ言ってるが、彼女が助けてくれたらしい。



「いやぁ…助かったよ。俺ここにしばらく住むんだ♪」


「はぁっ?アンタと一緒に住まないといけないの私?」


「何だ…エンリンもここに住んでるのか」


「そうよっ!しかもすぐとなりっ!!」



なるほど、これが異世界パワーか……



「そっか、よろしくなっ!」


「なっ…じゃないわよっ!!」



どうやら相当好感度が下がったらしい……



「ふんっ、そんだけ口がきけるならもう大丈夫よねっ、さよならっ!!」



すごい勢いで出て行った……


(しばらくは、機嫌悪いかもな……)



…………


――翌日。


食堂でエンリンと会ったがツンとした顔をされてしまった。


(やれやれ……だいぶ嫌われちゃったな……)


俺は離れた席で揚げパンみたいな物をくわえながら今後の策を練っていた。


(とりあえず、職業斡旋所みたいな所があれば行くか……)



「アンタ仕事を探してるんだって?」



宿のおばさんが話しかけて来た。

エンリンがちょっとした誤解だと説明してくれたのか彼女はフランクだ。



「あぁ、うん。何か良い仕事はないかなって……」


「街の斡旋所はやめときな、ロクな仕事はないから」



(なるほど、そういう所は日本と一緒か……)



「じゃあどこで探せば……」


「何か得意な事はあるのかい?」


「うーん、特に……強いて挙げればヨーヨーなんだけど……」


「アンタ、ヨーヨー出来んのかい!!じゃあ妖々師になりな!!」


「そんな簡単になれるもんなの?」


「なれるワケないじゃない!!バカなのアンタっ!!」



いつの間にかすぐ隣にエンリンがいた。



「いい?妖々師ってのはすごく過酷な仕事なの。なるのだって大変なんだから!」



エンリンはそう言って首元から金属のプレートを取り出した。



「これが免状。試験を合格してこれをもらわないと妖々師としては活動出来ないの!」


「へーっ、試験に合格すればいいんだな?」


「だーかーらぁ!!それが難しいって言ってるんでしょ!!」



それからエンリンは、俺に妖々師の試験がどれだけ難しいのかを滔々と語り始めた。


……クソ長い話だったが、どうやら司法試験くらいは難しいらしい。

何年も浪人している人もいるし、試験も過酷で命を落とした人も少なくないそうだ。


「……わかった?どれだけ難しい事か」


「うん、バッチリだ……それでどこに行けば試験が受けられるんだ?」


「アンタ聞いてた?!」


「ふふっ、面白い子だねえ…試験は半年に一回だけどもうすぐあるはずだよ。役所にいってみな」


「あっ…おばさん!!」


「サンキューおばさん!!行って来るよ!!」


「あっ、コラーッ!!」


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