第2話 超級モンスター
私達は、お互い混乱していた。
「超級モンスターが……!?なんで……。」
「それは私にも分かりかねますが……次々に人々を襲っ
ております!今すぐ対処する必要があるかと……!」
どうやらその超級モンスターとかいう奴が王都に現れたらしい。
おそらく、結構な位のモンスターだろう。一人の少女と騎士達だけで大丈夫かな……?と内心思うが、騎士がわざわざ知らせに来るのだし結構な強者だろうと考え直す。
するとリベリカは、
「そう……。すぐ向かうわ。連れてって。」
「!……はい!」
と威勢の良い返事をした。騎士もそれに応じ、すぐ出れるようにした。
とりあえず大変なことが起きてるのは分かってるけど……。
「あの〜……。」
「??」
私はリベリカに声をかける。私は、何をすればいいのだろうか。
「私は、何をしていれば……?」
そこで、あ。と声を漏らし、やっと気づいた様子で少し考え込む様子を見せたあと、
「ちょっと空けるから、あなたは怪我が酷そうだしこ
こで休んでおいて。すぐ戻ってくるわ。」
と透き通るような声音で言った。この場合は仕方ない。
「わ、わかりました。」
とりあえずそんな返事をしておくしかない。
「じゃあ、また。」
と私に声をかけてから、ドアの前で待機していた騎士とともに急いで部屋を出て行った。
よく体を見てみると、なるほど、怪我だらけだった。そっか、あのときに……。と微かに声を漏らす。
まぁきっと大丈夫だろうが……。
何か、嫌な予感がした。
◇◆◇◆◇◆◇◆
カタッ、と低いヒールがついた靴がレンガに当たる音を立てて地面に着地した、私、リベリカは、目の前の光景に目を疑った。
きっとその時の私の顔を見ていたものがいたら、
「目を見開いて瞳孔が小さくなっていた。」
と言うだろう。普段そんな表情は一切しないが、思わずそうなってしまう程の光景が、そこにはあった。
「何、これ……。」
そこには、石やレンガで作られた家や道が崩れ瓦礫まみれの光景、そして血がその瓦礫に飛散している光景があった。
とはいえ、死人はいないようだ。いくら超級モンスターとはいえ、ここは王都。冒険者たちが魔王城に行く前に訪れるいわゆる「最後の国」だ。
市民たちもそう弱くはない。とはいえ……。
「怪我人が沢山……。」
モンスターから少し離れた場所では、大勢の怪我人がいた。切り傷を追った人、骨を折られた人、体の一部を強打した人など……。
私にとっては充分、地獄絵図だった。
そして、私は最後にこの状況を作り上げた張本人の姿を見る。
「………………ッッ!」
そいつは、白く、丸い体をして、そこからまばらな形の羽が生えていた。口も丸く、そして大きく開いており、口の形に沿って尖った歯が歪に並べられていた。
「あなたが……お前が……。」
私からにじみ出てくる殺意に反応し、耳が割れるような咆哮をする。とても不快になる声だった。
「ヴゴァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」
と言う響き渡る二度目の咆哮とともに、短い、だが爪は異常に鋭い手で私達の体を爪で一斉になぶろうとしてくる。
あれは、あたったらとてもグロテスクになるあれだ。
「万が一でも当たったら終わりね……。……それに。」
私はこの攻撃をギリギリで上に飛び避ける。意外と簡単に避けられると思ったが……。
「流石超級モンスター……。単純な攻撃でも、攻撃力と
速度が異常ね……。」
私が思っていた速さの2倍の速度で降り掛かってきた。
「やっぱり、そう簡単にはいかないってわけね……。」
と小さく愚痴をこぼす。
周りを見ると、元々奮闘していた騎士たちと今駆けつけてきた騎士達で、力を合わせ戦っていた。
どうやら、相手の攻撃の種類には羽と手との2種類ほどあるようだ。
その騎士たちの中から、私を案内してきた騎士がかけよってきた。
「大丈夫ですか、リベリカ様!」
「えぇ、今のところはね。あなたも、気をつけて。」
「はい!」
とそんな会話をする。とりあえず、なんとかなりそうだ。そう思った矢先……。
「!!」
「!?」
一人は異変に気づいて。もう一人は驚愕で。私達がまた攻撃に移ろうとしていたときだ。
微かな風を感じて上を向く。
「______ッ!?」
なんの前触れもなく、左羽が上から私達を殴り落とそうとしていた。体自体が大きいために、私の身長の何倍以上もある羽は余計大きく見える。
それは、私の丁度真上に位置しており、今すぐにも、それは私を覆いかぶさんとしていた。
(私ももう、これまでなの……かな。)
と、そう思ったとき。
「危ないです、リベリカ様ァ!!」
急に横から衝撃を受け、気づいたらその力により横にずれていた。そして、おそらく騎士の持ってる「固有能力」で、横にずれた私の体をさらに遠くに飛ばす。
おそらく、空間転移かなんかの能力だろう。だがその力は強く発揮はされないようで、羽の攻撃範囲のギリギリ外だった。
私は、助かった、が……。
グシャ、という音が響き渡る。
「………………ぁ…………。」
私を助けてくれ、そしてここまで案内してくれた騎士は、大羽の攻撃により、多大なダメージを受けていた。
羽の上からの圧力による攻撃かと思ったが、そこから棘が出てきて刺す、という攻撃だったようだ。
騎士の体は、その無数の棘により、上の部分が穴だらけになっていた。
「ぐは……ッ。」
フルプレートのヘルムの穴から血が吹き出る。沢山、ではないが、吐血によるもののようだ。
「あ、ちょ、待って……。」
私は驚きと絶望にうまく声が出ない。私、は……。
____死に間際の体で、でもなお忠誠を尽くしてきたこの国の大事な方に、言葉を紡ぐ。それをすることすらおこがましいと思いながらも。
「守れて、よかった……。リベリカ、さま……。どうか
生き、て……。」
__その言葉を残し、騎士の命は絶たれる。フルプレートに包まれた体は、まるで中身が無くなったようにぐったりと倒れる。
「_______。」
私は絶句する。だが同時に、こんなことも思う。
(強すぎる……。本当に、超級モンスターなの……?)
これでも自分の腕には自信があった。一度超級モンスターを倒したこともあるくらいだ。だが、今はどうだ。攻撃すら出来ず、部下に守られその部下が死んでしまった。
こんな、情けない結果があるだろうか。
何もできない自分に、ひたすら悔やみ、憎む。そんな私に、続き魔の手が襲いかかった。羽の次は手だ。
どうやら連続攻撃らしい。
「ぁ」
しっかり言葉にすることもできず、それは私にあたる……
(やられる……。)
……ように思われた。
「!?」
当たると覚悟していたものが起きず、私はゆっくりと目を開いた。そこにいたのは……。
「__闇符詠唱魔法、闇光閃光」
と、詠唱魔法を放つ少女……フレアがいた。
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では、また。