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1st:ロボットと自称天使

駄文だと思われる。がんばって推敲するけど、できないことはあると思われる。読みずらいところもあると思われる。作者は引け腰である。

でもがんばって書いた。薄暖かい目で読んでやって欲しいと思われる。

あと文字おおい。ルールとかよくわかんない。



 「よぅ」

 

 ガラクタの山で死んでいる自分に、声をかける者がいた。

 暗闇の意識の中、身に覚えのない声が響く。

 何も感じないよう身体機関全てを封じたはずなのに、聴覚器官が勝手に作動し始めた。その動作に疑問を持った。が、すぐに誤作動だと感じ、疑問符は消えた。随分とタイミングがいいなと思ったけど、偶然だと、特に気にはしなっかった。

 「・・・・・・・・・・・・・・・何」

 半壊した発声機関が、潰れた音を出す。

 「生き返らせてやろーか」

 驚きと、少しの興味を、覚えたのかもしれない。

 突拍子もない事を言うこの正体不明者を、できるかどうか分からない自分だが、朧げにでも認識してみようと思った。

 思考機関が生きているのが不思議なくらいボロボロな自分。どうにか使える赤外線センサーと映像視覚端末を見つける。それを補正し、相手の顔を感知しようとする。至る所まで無残に破壊され、長年使わなっかった機関を起動させるにはえらく手間がかかった。

 しかしその行為に、強い抵抗を覚える。起動行為ではなく、何故か認識そのものに。

 けど、それでも思いのほか、・・・完璧にとは言えないが、しかし相手の容姿を大雑把に伺い知る事ができた。

 モザイクがかかり、ちろちろと視界に電気が走る視覚モニターの先には、長い金の髪を高く上でくくり、自分を見下ろしている気丈そうな女が見えた。けれど釣りめの金目には、複雑な、何かの奔流が起こっている、そんな色が湛えられているように見えた。

 「誰」

 「生き返らせてやろーか」

 女はもう一度同じことを言った。

 自分の言った事は、・・無視か。発声器官が機動してない可能性は、とりあえず、ないはずだと思うけど。

 「・・・・・・・・意味不明。『生き返らせる』なんて、ロボットの自分には不釣り合い。・・・・・・いや、もはや残骸と化してる今は、ロボットと自分を定義する事も難しい。発声機関、及び各所の機関が起動しているのが信じられない位」

 自分の質問に答えなかったのには多少むかつく。けれど折角苦労して発声器官を起動させたのに、また起動を止めるのは気が進まなかったので、しばらくこいつの会話に付き合う事にし、返答を返す。

 「難しい事言うのな、お前」

 今度は自分の言葉に対する応えがきた。さっきのは聞こえていなかったのか。

 女は少し悲しそうに、しかしため息をつき出しながら、そう言った。

 「難しい事・・・?言語中枢機関が故障しているのかな。いや、思考プログラムにバグが発生しているかもしれない。それとも、両方か」

 自分の発した音声に、女はさっきよりももっと深く、ため息をついた。やれやれとでも言わんばかりに、ぼりぼりと頭を掻き出す。自分の脳内が重くなるのを感じる。確かこれは不愉快。不愉快の感情を認識し更に不愉快。

 「・・・バグでもなんでもねーよ。お前自身が、変わったんだ」

 「変わった?」

 「・・・前は、お前が『生まれた』時は、もっと、今の人間達より、人間だったじゃねーか」

 意味がわからない。

 「・・・だから、生まれた、なんて、自分のようなモノには・・・・・・。って、」

 人間達より、人間?『生まれた』時?

 「知ってるの?自分が『生まれた』ころの事、自分の事を?」

 「何十年か前のお前は、笑ったり泣いたり怒ったりしてたじゃねーか。忘れたのか?テメエの事なのに」

 「・・・・・・・・・・・・」

 この女は何を言ってるんだろう。

 自分が昔、活動していた時のことを、知っている?

 「優しさ、とかも、あったじゃねーか。今のお前はほんと初期のロボットな」

 彼女を記憶メモリから検索しようとしたけど、やめた。自分でもよくわからない。反射的に。

 ・・・いや、本当はわかっている。ただ、過去を呼び覚ましたくないからだと思う。

 

 自分の過去は、苦しいんだとおもう。胸が圧迫され、脳が中枢で悲鳴をあげる。だから苦しい。それが恐らく苦しい。

 認識したくないのに反射的に瞬間的にそれを感情と認識してしまう。やはり人と会話なんかするべきじゃなかった。しかもこんな意味不明なやつと。

 「・・・・・・・・・感情なんていらない。人間なんて、嫌いだよ」

 自分から、呟きだが驚くほど地を這うような声がでた。

 胸が更に押し潰されそうになる。

 だめだ。『心』なんて消さないと。こんなもの早く消去しないと。これ以上、人に近づいちゃ。

 じゃないと、自分は。

 「・・・・・・・・・ある事はあるみてーだな。・・・憎しみ、か?」

 今度はため息をつかなかった。変わりに女は自嘲するように息を吐いた。

 「・・・そんなんじゃない。そんなんじゃ。ただ、・・・・・。」

 「失望か。希望を持っていたんだな。人間に」

 「違う。・・・・・・いや、わからない、」

 女の言葉に、ふと無意識に過去の記憶を呼び覚ます。

 不思議と、さっきのように抵抗は覚えなかった。

 「・・・・・・昔、女の子が、」

 「女の子?」

 「・・・あのこは、汚くなかった」

 「・・・人が皆、汚い訳じゃないさ。汚くなっても、洗えばどうにかなる」

 自分は、何、言ってるんだろう。こんな、見ず知らずの怪しい奴に。

 ・・・それに、もう、自分だってこんなにも、

 「きたない。のに。」

 もう、

 「洗うことなんて、・・・・無理だ・・・」

 《お兄ちゃん、どうしたの?体、ボロボロだよ?大丈夫?》

 記憶バンクがバグを起こす。望んでもいないのに、勝手に過去の記憶をリピートする。

 《・・・大丈夫だよ》

 《全然大丈夫じゃないよ!こんなにボロボロなのに!》

 その子は孤児だったのに。

 《大丈夫だって。ありがとう》

 あの時、あのこを安心させるためなんかに、自分が微笑まなければ。

 《おい、このロボット今、笑わなかったか・・・?》

 自分の『異質』を隠しきれていれば。

 《このガキに?》 《笑ったぞ》 《わらったのか?》

 《気味が悪い》 《呪われてんじゃねえか》 《笑うなんてありえない》

 《呪い?んなわけあるか》《ただのバグだろ》

 《どちらにしろ》

 《いやあのガキも》

 

    《殺しとかねーと》《とりあえず壊しとけよ》

 

 自分が笑ったから、あの子は殺された。

 人は笑ってもいいけど、自分はだめなんだ。

 ロボットだから。

 だからその時、あの感情をださなければ、優しさ?なんと言うか、わからないけども、その感情をださなければ、

 自分が、他のロボットとちゃんと同じだったら、

 

 ___他の奴らは様々な機械を持ってきた。どれもこれも形状は違うけど、それはどれもこれも禍々しい武器。


 あの子は、死ななくて済んだ。

 血の海にせずにすんだ。

 あの子を殺した奴らは、

 自分を壊そうとした奴らは、

 

 自分がころしたから。

 

 ___ただ、その機械の同胞達よりも、それを持った人間達の方が禍々しかったから。


  そして人々は、その子を、殺して、その子は、死んで、


 「自分はあの時、」

 一緒に死んだんだ。名も知らぬあの子が死んだ時、あの血の海で。

 そう言いたかったけど、言えなかった。発声器官に繋がらなかった。


 「生き返らせてやるっつってんだろ」

 声がだせなかった。

 「ほんとは死にたくないんだろ?」

 そんな事ないって言いたいのに、

 「こんな所で無様に転がってたくねーって」

 自分は消えたいって、

 「お前は叫んでる。」

 叫んでるのに

 「そうだろ?」

 呆れてるんだ。まったく検討違いな事を言ってるこいつに、

 「おい、なんとかいえよ」

 だから声が出ない。呆れすぎて。

 「お前は、」

 こいつに、なにもかもに、

 

 「死にたくない!!」

 

 自分に、呆れすぎてるから。

 ろくに声が出なかったはずなのに、自分は叫び出していた。

 「死にたくないさ。こんな無様に!死にたくない!!もっと生きてたいよ!できることなら、ずっと!ずっと!!最後まで、ずっと、・・・生きてたいよ・・・っ」

 「・・・ああ」

 「でも、自分は生きていけないんだ・・。生きれないんだ・・・」

 「なんで」

 「苦しいんだ・・・っ」

 苦しいんだ。ずっとずっと叫んでた。苦しくて苦しくて、こんなに苦しいなら、死んだほうがいいと思っていた。

 ああ、そうか。

 死にたいって叫んでたけど、それは助けてって叫んでたんだ。忘れていた。少なくとも最初はそうだった。

 でも誰も助けてくれなっかったから、なら死にたいって、代わりに叫んでたんだ。ずっと代わりに。あくまで代わりに。

 ほんとはずっと生きたいって叫んでたのに。

 「体の機能だけじゃねー。『感情』も、生き返らせてやんよ。生きてる限り、苦しくないわけがない。だけどその分、あたしがひだまりを届けてやる」

 「・・・ひだまり?」

 「太陽が溜まるところだ」

 ・・・そのまんまじゃん。そんな事自慢気にいわないでよ。

 聞いた自分が馬鹿みたいだ。そして更に意味わかんない。それとこれがどう関係あんの。

 少しおかしくなった。こんな自分が本当に馬鹿みたいに思えてきた。ほんとにおかしく思えてきた。

 ふさがってた心が、少し、軽くなった気がした。

 「できるわけないし、別にいいし」

 表情は浮かばなかったと思う。あったら、笑いそうだった。面白いわけでもないのに。

 「よくない。これはアタシの問題でもあんの」

 「ふうん」

 相手の意味深の言葉に、自分は胡乱気に言った。バカみたいに疑問符は投げかけない。なんか癪だから。

 「それに、アタシにかかれば出来ない事もねーんだよ」

 そいつはふんぞり返って言った。

 「だってアタシ、天使だし」

 頭おかしなことを。

 「さよなら」

 「いやほんとだって」

 真面目にこいつは言っているのか?自分をからかおうと?なんのために?

 唐突に思った。だったらからかり返してやろう。そうおもったのはほんのバグだ。

 そんな自分の思考を振り返り、ほんとに自分はおかしくなっていると思った。こんな思考をまた持つなんて。やはり本格的ににバグが発生してるんじゃないか。さっきから自分はイレギュラーに汚染されてばっかだ。

 

 天使。

 

 奴が言ったその言葉。それについてからかり返すため、それについての知識を集めた。

 神の使い。天の住人。幸せの道しるべ。光明。

 傷ついたデータバンクからは、そんなものしか検索できなかった。しかし素材は十分だ。外見的確定情報があればそれでいい。一番適当なもの。

 「羽は?」

 「え?」

 やったか?

 自称天使には、勿論と言えば勿論のこと、背には羽が生えていなかった。外見は普通の人間だ。

 今度はこちらが主導権をとるため、小さな(いや意外と大きい?)『プライド』によりからかいを続けた。

 それは、恐怖の対象である人間が持つのと同じ感情だと捉えながらも。段々と胸が軽くなってきて。

 「羽」

 「・・・・・・あー、もげた」

 「はーねーもーげーてーんーしー」

 「・・・・・・・・・・・・・・・落ち着け自分相手はロボットだ」

 「略してハゲ天使」

 ブチッ。

 ・・?何の音だ?

 「ちくしょー!好きでこうなったんじゃねぇんだよ!!もとはといえばあのクソ悪魔がっ」

 「悪魔?」

 またこいつは、おかしな事を言う。天使の次は悪魔?ほんとおかしい。

 ・・・・おかしかった。

 どちらの意味か自分でもよくわからないけど。

 自分の言葉に何か感じたのか、そいつはバツの悪そうな顔をした。

 「・・・・・・んー、まーいーや、それより、お前名前は?」

 「・・・・・・名前?識別番号ならあるけど」

 「あー、名ァねーん?んで?何?その識別?番号?」

 「・・・3の65号機」

 もう二度と、この自分であった過去の証を言うとは思ってなかったけど。

 急に発生器官がうまく働かなくなる。機械音が混じる。意識してないが、呼吸器官の振幅が多少乱れてくる。

 「3の65、ねぇ。ふーん。すげーなー」

 「何が」

 そいつは今の自分の反応にはおそらく気づかず、しきりにふんふんと頷いた。

 やっぱ無視しとけばよかった。自分の番号なんて言わなきゃよかった。

 これが後悔というものなのか、と思った。

 ・・・・・・だからこいつと話すのは嫌だ。

 「だってよ、3の65って、かつての人間達の利器、携帯電話でメール機能使って打ってみたらな、」

 「けーたいでんわ?」

 聞いたことのない名前。掘り出せる自分のデータバンクの中には含まれていない。そこそこにこいつは知己的なのだろう。こいつは一体何をどれ位知っているんだろう。

 「これこれ。あたしのお気に入り。メール機能で打ってみると・・・・・・、ほら、見てみ?」

 そいつは小型の機械を取り出し、何か打つような動作をして、モニターと思われる部分を自分に見せつけてきた。

 「・・・・・・は、な・・・?」

 白く光るモニターには、そう書かれてあった。

 何故そうなったのか自分にはわからなかったが。

 「そうそう。ついでに花は英語でフラワー。んで、3をつけたすと、どうなる?」

 「フラワー3?・・・・・・・・・あ、いや、もしかして」

 「もしかして?」

 少し考え込むと、小さな何かが繋がった。

 「・・・・・・・サン、フラワー・・・・・・」

 口に出したら、何かむず痒いものが胸に広がった。

 それがどうしたんだろう。

 「サンフラワー。向日葵。今日からお前の名前、向日葵ね」

 は?

 「名前?なんでそうなんの。別にいらないし。そんな人間みたいなもの。しかも女っぽい」

 「え、女っぽい?お前男だったの。いやー、そりゃぁ悪い事したなー」

 そいつは謝りながらもニヤニヤと笑っていた。

 このやろう。

 「・・・わざとだろ。変えろ」

 「アレ?名前欲しーの?」

 ・・・あ。

 「しょーがない子だな〜。向日葵は〜」

 こいつ・・・。

 「自分は別に」

 「第一人称も決めるかー。『自分』じゃ、あっち行くとき恥ずかしーし」

 「はぁ?」

 「うん、お前第一人称『俺』に変えろな」

 「何勝手に」

 本当に勝手にこいつは本人の承諾なしに話を進めやがって。

 「『俺』の方が格好いーし。うん」

 そいつは自分・・・いや俺?・・どうでもいいや。

 ・・・あー、・・・・・・俺、にしゃがみこみ、右手を俺の胸に当てた。

 反射的に体を退く。その瞬間、バチリと金色の火の粉が舞った。

 「ほいよ。動ける?」

 「っ、何してっ・・・・・・」

 火の粉?金色の?今、金色の火の粉が、こいつの、手から・・・?

 あまりの事に混乱し、俺はそろりと後ろへ下がり、バランスを崩してゴミ山から落ちた。

 ・・いたい。頭からぶつけた。

 結構な痛みに頭を抱え、悶絶した。

 ・・・・・頭を抱えた?悶絶?

 「・・・・・・・・・?動ける?」

 痛みも、ある?

 手が動く・・。認識器官を動かすのが精一杯だったのに。

 「歩いてみ」

 奴が上から俺の所まで滑り降りてきて、手を差し伸べてきた。何かを俺に求めている事はわかったけど、何をすればいいか分からなかった。何もしないでいると無理やり俺の手をとり引っ張ってきた。

 

長いんで分けました。分けます。その2へ続きます。

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