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閑話 ホオズキの花言葉は「あなたを誘惑している」

「いやあくっつくといいな」

「何がくっつくといいのかしら科夫君」

「し、忍先生!?」


蒼汰を罠にはめた科夫は忍先生に捕まっていた。


「忍先生もう学校の仕事は終わったんですか?」


首をギギギと動かしながら後ろを振り向くと忍先生の顔が目の前にあるのだから軽くホラーである。

しかしよく見ると学校では着けていなかったホオズキのイヤリングが見える。


「そうよ、今日は大事な日に成るだろうから早く仕事を終わらせてきたの。それで何がくっつくといいのかしら?」

「ええと蒼汰と甘夏さんです」

「あら人の恋路に手を出したの?自分もまだ彼女ができていないのに」

「それは余計ですよ先生」


科夫は忍先生と話ながら思った。やけにイヤリングを強調している気がすると


「先生なんかイヤリングを見せてません?」

「ん、そうかしら」

「さっきから髪をかき上げてばかりじゃないですかなんか意味あるんですか」

「うふふ、どうでしょうね」


なんだろう冷や汗が止まらないぞ

なんとなくだが高校に入ってからの大親友、蒼汰が甘夏さんに言い寄られている姿が浮かんだ。

もしかして蒼汰もこんな気持ちだったのかな?

ああ、予知するような瞬間ってこのことを言うんだな


「おーい、科夫君。大丈夫?うーんダメかあ。じゃあ、これ」


完全に走馬灯みてる科夫に対して耳元に瞬時に忍び寄り持ち前の声真似でなく地声で


「起きて旦那様、まだ寝るには早うありんす」

「うひゃひゃひゃひゃ!?」

「あら起きてくれたの未来の旦那様」

「だ、ダダダダダダ旦那様!!?」


走馬灯から現実に引き戻された科夫は更なる混沌にもう一度走馬灯を視ようとしかけていたとき


「まったくフーちゃんはいつも私が勇気を出したときに気絶しようとするんだから」

「フーちゃん?………え、ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ???」

「うるさい!ご近所迷惑になるでしょうが!」

「は、はい了解しましたしーちゃん!」


科夫の記憶に刻まれた条件反射行動

まだ彼が幼かったころより刷り込みされた激励から無条件で従う


「まったく幼馴染の頃から変わってないんだから」

「で、でもなんでしーちゃんだって黙ってたんだ」

「あのねえフーちゃんと私は仮にも生徒と教師、色眼鏡使ってると思われたらダメでしょうに」

「それはそうだけど、俺悲しかったんだよ。フーちゃん突然転校しちゃうし」

「それは親の都合だったからね」


そこで科夫は気付く何故今になって正体を晒したのかを


「もしかしてやっぱりおばさんのことが……」

「それもあるし線香も炊いてもらいたいと思ってるわ。でもね私がフーちゃんに伝えたかったのはそういうことじゃないのよ」

「え?」

「ねえホウズキの花言葉は知ってる?」

「それは蒼汰の言ってた「欺繭」「自然美」「偽り」だろ」

「乙女心を読むのはまだまだね。それなのに恋のキューピットをやろうってんだから呆れるわ」


やれやれだぜという不良少年の真似をしながら愚痴をこぼす忍に対して無性に怒りたくなる科夫だがじっと黙り説明を求めた


「花言葉はね石言葉と違って必ず恋や愛に関わる言葉があるのホオズキも例外ではないわ」

「それって……」


言わせるか

とでも言うかのように唇を塞がれた。


「ホオズキの恋の花言葉は「あなたを誘惑している」よ」


今日を持って2本の隔たれた道が重なり一本の道となった

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