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魔物進化

 ダンジョンでお金を稼いで資金を貯め商業ギルドに確認に行くなど「マヨネーズ計画」は順調に進んでいる。だが試作の為に購入した量と商売で購入する量には、かなり違いがある事に思いいたる。特に卵やミルクは新鮮なものではいけないし量の確保も大変だ。エレクスの町から南は、森まで平地があるだけで牧場や畑は無い。というのも森から出てくる魔物や獣の影響があるからだ。町の北側から別の町に続いている間には、畑や牧場があると聞く。獣や魔物が出ない事はないらしいが、アルザスの森側よりもよほど少ないらしい。森のヤギミルクはそんなに多くない。鶏も卵を食べてたしそんなに増えていない。乳牛を飼い鶏舎を作る?・・・いやいったんは、マヨネーズの卵だけでも・・・森の中でやるのにはどう考えても限界がある。平地にしろ高地にしろもっと広くないと無理だろう。鶏だけならまあなんとかかもだけど世話考えたらなあ・・・牧場から直接仕入れれたらいいんだけど、知り合いいないしエレクスの町突っ切って結構遠いところまで買いにいかないといけない。そもそも買いに行ったとして運搬にも気を配らないといけない。まあ一番の問題は卵の価格。結構高い。マヨネーズは旨いしポテトサラダも旨いが、原価の問題で安くは売れない。この集落のドワーフ達は割とブルジョワなので問題なく買ってくれそうだけど、世話になってるしドワーフ達から儲けたくないんだよなあ。ふんむう。



 色々と考えごとをしながらも時は流れていく。学校を運営しダンジョンでお金を稼ぐ日々だ。俺の方に大きな変化は無かったけれど、ドワーフ達には大きな転機が訪れた。カルスさんの助けもありキュクロの金床の解析がおおよそ済んだのだ。ただし再現というか作るのは無理らしい。原理はわかっても材料がそろわないらしい。特に使用されている魔石の難度が激やばらしい。レッドドラゴン級の火の魔石がいるとのことだ。この話しをカルスさんから聞かされた時にドワーフ達は


「レッドドラゴン級なんて無理じゃあ・・・・」


「酒じゃああ。酒でも飲まんとやっとれんわい。」


「アル、ポテサラ持って来い!!」


 ということで、町までぱしらされた。飲みに飲んだ次の日カルスさんから、ミスリルを加工できる金床なら市場に流れている魔石でも(かなり高価な魔石ではあるが)作成可能と聞かされ。


「ミスリルでもすごいわい!!」


「酒じゃああ。酒で祝杯じゃあ。」


「アル、ポテサラ持って来い!!」


 と、またぱしらされた。さすがに二日目は作業費もらった。何でも薪などを使ってミスリルの加工はできるのだが、鍛冶魔法で火を使わずはできなかったそうだ。この技術も流通すれば確信的な事だそうだ。近いうちに町で魔石を仕入れて実験に入ると言っていた。



 俺とパルのダンジョン攻略にも転機が訪れた。何度もボススライムの部屋に通いパルもかなりこなれてきたころ、ポロっとボススライムが例のレアドロップオイルを落としたのだ。


「「あ!!」」


 思わず二人で顔を見合わせてしまう。


「アルやったね!!レアドロップだよね!!今日の稼ぎは大きいよ!!」


 いやいや、そうじゃないだろう。売る気はないよ・・・絶対パルも本当は欲しいはずだろう。


「いやパル、これはスラコに使ってくれ。通いだしたころからこれが出たらそうするって決めてたんだ。」


「アル!?前にも言ったじゃないか、僕に稼ぎの配分はいらないって。ここに連れて来てもらえるだけで僕は十分なんだってさ。」


「聞いてたさ。でもこれは俺の為でもあるんだよ。俺はスラコが進化するのを見てみたいんだ。すっごくね!!」


 うん、半分嘘だけどこうでも言わなきゃもらってくれんだろうしな。スラコが強くなって稼ぐ速度があがればいずれは元のとれる話しだろうし。


「・・・でも」


 困ったような顔でチラって俺の顔を見てくる。そんな顔をしてもだめだ!!俺はもうあげるって決めてるんだ!!そして困った顔もかわいいな・・・いかんいかん。


「これはパーティリーダーからの命令だ!!すぐに進化させて見せてくれ!!」


「わかったよ。じゃあやってみる。スラコおいで。」


 ずーりずりとスラコがパルに寄ってくる。魔物が進化する姿を拝むのは初めてだ。パルを納得させるために言った言葉だが、半分は本当で見てみたかったんだ。さてさてあのオイルをどう使うんだ!?


 パルがオイルの蓋を開けて・・・ん?スラコにぶっかけた?え・・・スラコが光る!?


 ぶぉおおおって効果音が聞こえそうな感じでスラコが光る。スラコがスラコがでっかくなっていく。


 うん、本当にぶっかけただけだったな。進化の方法ざっついな。。。この感想は心にしまっておこう。だってパル がん泣きなんだもん。スラコ(大)に埋もれて・・・普段ぶったおしているからボススライムは見慣れているはずだけどやっぱりでかいな。パル乗れるんじゃないかな・・・沈まなきゃだけど・・・


「スラコぉぉぉおぉぉ・・・・えーん。」


 泣き方もかわいすぎるだろう。もうちょっと男らしくなさい。目覚めてしまうだろう俺が!!まあ泣きもするか、ダンジョンにも行けずお金もなかなか稼げなかったんだからなあ。いやあ俺ももらい泣きしそうだわ。


 ひとしきり泣いたパルが復活し、ボススライムも復活(再POP)したのでスラコ&パルVSボススライムで戦ってみることにした。俺はなんかあればフォローの立ち位置。本当にややではあるんだけどスラコの方が若干でかいかな。


「いけースラコ!!」


 ズーリズリでは、なくボススライムよろしくなスライムアタックをかますスラコ。なかなかな運動の性能。『スライムとはちがうのだよ、スライムとは。』としぶめのおっさんの声が聞こえてきそうだ。ボススライムがスラコの攻撃をうけて軽く吹っ飛ぶ。すかさず叫ぶパル。


「酸攻撃!!」


 それに答えてスラコがぶしゃあああと酸をはく。おおスライムの弱酸攻撃よりもかなり強い。くらったボススライムが苦しそうに体を幾分か溶かしている。スラコは追い打ちをかけるようにアタックをし、パルもナイフで応戦する。・・・俺いなくても勝ちそうだぞ。すっごくいい事何だけど少し寂しい(*´Д`)


 先制打がかなり有効だったようであぶなっかしい場面もなく、ボススライムを倒し切った。


「すごいじゃないか!!パル。ボススライムを一人で倒したよ!!」


 わなわなと震えていたと思ったパルがこっちを見て、目が合った瞬間抱きついてきた。


「アル!!アル!?僕やったよ!見てた?スラコといっしょに倒したよ!?」


 興奮したアルにぎゅっと抱き着かれた瞬間、いい匂いがした。おい!?匂いまでいいとはどういうことだ!?おかしいだろ!?14才だぞ俺。お年頃だぞ俺。やばいやばい俺はノーマルなんだ。女が好きなんだ。とパルの別の意味での攻撃にくらくらしてしまっている俺。


「アル!?聞いてる!?」


「はい。聞いてます。すいません。」


「なんで敬語なの!?」


「はい。すいません。」


「もう!!」


 いちいちかわいすぎんよーあざといよ~。こんなんだめだよ~。戻れ俺。


「ごめんごめん。でも、本当強くなったよ。スラコもパルも。特にスラコは劇的だね。進化ってやばいわ。」


「ボススライムはずっと戦ってるはずだからよく知ってはいたけど、仲間として戦ったら本当たのもしいね。僕自身スラコの雄姿にびっくりだよ。」


「うし、何回かボススライムと戦闘してもらって問題なかったら、今後は地下2階にすすもうか。」


「りょーかい!!」


「でも、今日はもう帰ろう。パルもスラコに慣れないといけないだろうし。あーそうそう、スラコってまた分裂するの?その場合って分裂するのはヒュージスライム?」


「分裂はするって話だけど、確か進化前のスライムだったはずだよ。」


「そっか~そうそううまい話はないか~」


 ヒュージスライム軍団が作れればかなり強そうだけどな。


「これでパル一人でもダンジョン地下1Fで稼げるとは思うけど、しばらくはやめといてね。あと何回かいっしょに来て俺が大丈夫だと思ったらokってことで。」


「わかった。リーダーに従うよ。」


 パルは回復魔法使えないし、万が一もあるしな。にしても今日はいいものが見れた。魔物の進化か、実に面白い。俺は魔物使いでもないけどグレイウルフのハナコを従えている。(パルが拗ねたらいけないので言ってない。知ってるかもしれんが。)ハナコも進化可能なんだろうか。また調べたいことが増えたなあ。パルから聞いた話だと魔物が進化した場合、進化前に使えていた技などはそのまま使えるそうだ。(100%では無いらしい。)弱酸攻撃も可能ってことだな。変わった技を使える魔物も作れそうで面白そう。


 パルと別れた後ふと『本』を見ていて気づいたのだが、ダンジョン地下1Fのボススライム、すなわちヒュージスライムであるが、



<<ヒュージスライム スキル:『酸耐性』取得≫≫



 となっていた。すなわち取得していない・・・あ、取って無かった。散々スライムと戦った後に気づくとは・・・酸耐性ってことだから無効ってわけじゃなくあくまで耐性だから油断は禁物だな。レベルがあがればだんだんと耐性もあがるのだろうけど。さてさてどうやって上げるんだこれ。やっぱしくらわなきゃあがらないんじゃないのか?酸攻撃なんてくらいたくないんだけど・・・溶けたら回復魔法効く気がしないし。。。試したことないからわからんけどさあ。無いよりはまし程度で覚えとくかな。そして『本』でもう一つ気が付いたのだが、パルの名前が「パルシャンテ」では無かったこと・・・これはまた別の機会に。



 余談であるが、今まで普段スラコを頭に乗せていたパルであったが、さすがにヒュージスライムのスラコを頭に乗せるのは無理だったようだ。色々と試行錯誤ののちスラコに乗ることにしたようだ。当初沈むんじゃない?って思ったのだが、考えてみるとアタック時には結構固いのである程度調整が効くようだった。革製の鞍のようなものをつけて上に乗っている。・・・どこかで見たことあるなこれ。スライムを載せた騎士がこんなだったような・・・しばらく町では、かわいらしいパルの容姿もあいまってちょっとした話題になった。

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