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商業ギルド

 学校が休みの日はしっかり稼がないといけないので、平日の日をまた自習にしてエレクスの町にやってきた。今回の目的は商業ギルドへ行くこと。


 確認したいこと


 1.紙芝居 カルタは金になるのか


 2.トランプの遊び方(俺が覚えてるいるもの)で、この世界に無い遊び方は金になるのか


 3.マヨネーズとプリンに関しての権利


 4.税金の存在


 5.商売をする場合何が必要なのか?(プリン販売を行う際の確認)



 お店と違ってギルドってなるとちょっぴり緊張してしまう。しかも今回は俺の対応いかんでは今後の稼ぎにも影響しかねない。商業ギルド=商工会?と思えば前世でも少しは馴染みもあったもんだけれども。多分内容は全然違うよなあ。商業ギルドは、町にある他のギルドと同じようにメイン通りに面した建物だった。綺麗さでいうならば今までの入った事のある建物の中で一番綺麗な建物だろうか。中に入ると外観と一緒で綺麗な内装。受付の他にソファーとテーブルが置いてありそこで話す事ができそうだった。ちらりと部屋内を流し見たが、ギルド職員らしき人以外に人はいなさそうだった。


「こんにちは」


「いらっしゃいませ。当ギルドにははじめてお越しでございますね。本日はどのようなご用件でこられましたでしょうか?」


 受付の眼鏡のお兄さんが応対してくれた。理知的な人だな、あれそういや眼鏡ってあるんだな。今まで意識してなかったけど。まあガラス製品が普通に扱われているんだからあっても変じゃないか。


「はい、はじめて来ました。色々伺いたいと思ったのですが、実はお恥ずかしいんですけど商業ギルドってどう言う所か漠然としかわかってなくてですね、もし宜しければそこのあたりから説明いただければ助かります。」


「はいわかりました。そちらのソファーで説明いたしましょうか。」


 そう言ってお兄さんにソファー席に案内された。グラスにお水も入れて出してくれた。


「私はこのエレクスの町商業ギルドを任されておりますトーマスといいます。」


 え?この兄さん若いのにここの責任者かよ。若いって言っても30歳は超えてるか。どうにも前世が40前のおっさんだったせいで35くらいまでは「お兄さん」って感じなんだよな。自分のハードルを下げる意味もあったのだろうけど。


「俺の名前はアルフレットといいます。冒険者をやっています。アルザスの森に住んでいます。」


「ああ!!君があのアルフレット君か。」


「あれ、俺の事をご存じなんですか?」


「冒険者ギルド長のハーレイさんから話を聞いてましてね。マッドボアの素材の時です。いやあ若いとは聞いていましたがその年齢であれを狩るとは、凄腕の冒険者なんですね。」


「いえいえ本当にたまたまですよ。一歩間違えれば死んでましたしね。あれ以来マッドボアは見たことないですし。」


「そうなんですね。また狩ってきてくれたら町が潤うって思いましたけど、難しそうですね。ははは。さて脱線しましたね失礼しました。さっそく商業ギルドの説明をさせていただきますね。」



 ~商業ギルドと国のお話~


 俺が転生したこの世界には色んな国がある。俺が住んでいるこの国はシャルティナ王国という。王国というだけあって王様が国をおさめていて貴族がたくさんいる。王国南部にはアルザスの大森林が広がっており王国の国土ではあるものの俺以外はほぼ立ち寄っていない(と思う)。森の南部には大きな山がそびえておりそこから南に何があるかはわかっていないらしい。山から流れ出る水が川を作り俺の生活している近くを通り、エレクスの町を通りさらに先まで続き湖まで続いている。湖の先には王都ローズガルドがある。エレクスの町と王都の間には町が複数あり、小さな森やら穀倉地帯やら村も存在する。王国の西は海で、北と東には別の王国が存在する。

 各種ギルドはその国々をまたがって存在する。発行したギルド証は国を超えても効果を発揮する。商業ギルドは、国とも密室な関係にあり国を超えて商売を行う権利や特許などを守っていて、国経由で軍(警察機構)がその権利の取り締まりを行っている。冒険者ギルドなんかと違って加入するのに年会費が必要。店を出す時に支援をしてくれたり、国をまたいだ市場情報を教えてくれたりする。冒険者ギルドやお店と違う買取なども行っている。 と今更ながら俺がいる国の話と商業ギルドの基礎知識。



「なるほど。ちなみに商売をはじめる場合は必ず商業ギルドに登録が必要なんですか?」


「基本的にはそうなりますね。旅商人であってもギルド証は必要になります。ただし店舗で商売をする方と旅商人では、年会費に違いがあります。」


「先ほど特許の話をされてましたが、どういった仕組みになっているんでしょうか?」


「新しい何かを発明し商業ギルドに登録した場合、登録した発明品は商業ギルドに加盟した他の店舗でも取り扱いが可能になります。発明者には、10年間売り上げの5%のお金が入ります。ギルドに加盟していない者が発明品を販売した場合違法になり、罰金もしくは軍の厄介になります。」


 10年か・・・短いのか長いのか・・・


「ちなみにですが、新しい仕組みであったり、娯楽品であったり、遊び方っていうのは発明品になりますか?」


「仕組みですか?実際の物を見てみない事にはわからないですけど娯楽品は対象になりますね。遊び方というのは難しいと思います。娯楽品ありきになりますね。」


1.紙芝居 カルタは金になるのか ○


2.トランプの遊び方(俺が覚えてるいるもの)で、この世界に無い遊び方は金になるのか△この世界のカードを使った新しい遊び方は×カードそのものを俺の世界の物にすればいけるか。


 トーマスさんが、こいつ何か持ってるなって顔になった。一瞬だけ。すぐにかき消えたのはさすがというべきか。俺も迂闊なのかもしれないけどここの権利関係を聞いて思ったんだけど、ギルドに情報預けたほうがよさそうなんだよね。誰でも作れるものだし。だけどマヨネーズとプリンの確認はどうしたのものかな・・・「新しい調理方法や料理はどうでしょうか?」こいつ何か持ってるなpart2になるな。あーでも駆け引きなんてわかんねーしできねーよ。数少ない金になりそうな前世知識だけど、まあ仕方ない。


「新しい調理方法や料理などはどうでしょうか?」


「う~ん調理方法ですか?前例はありませんね。」


3.マヨネーズとプリンに関しての権利×


・・・マネされたら終わりってことですね。まあ前世でも調理方法なんてマネされまくってましたもんね。特別な技術が必要ってわけでもないし。


「なるほど。ちょっと変な質問なんですが、税金ってどうなってるんでしょうか?」


「税金ですか?国民は、地域や場所によって金額は変わりますが住民税を支払う義務があります。アルザスの森は住民税の資料に未記載のいわゆる未開発地域にあたるので住民税はいらないです。また物の売り買いにも税金は発生しますし、お店や各家々には所得に対して税金が発生します。申告制ですが嘘の申告をすれば罰せられます。商業ギルドでは税申告のお手伝いもやってます。他にも色々とございますが割愛しますね。」


「・・・俺払ってないですけど。一応家長になるとは思いますが。」


「アルザスの森に領主いないですからね、徴収といっても・・・というとこだと思いますが。」


4.税金の存在○


 売り買いでも発生するということは、俺はすでに納税者だったわけか?いわゆる消費税かな?所得税は藪蛇になりそうだしほっとくか。別段脱税ってわけでもなさそうだし。あやふやなだけで。


5.商売をする場合何が必要なのか?(プリン販売を行う際の確認)○


 は、すでに聞いた。店を持つor旅商人をやるならギルドに加入しギルド証が必要。単純な売り買いや露店ではいらない。


 だいたい必要な事は聞けたかな。遊び道具は権利を売る。プリンとマヨネーズは作って売る。今の現状をかんがみると遊び道具を作って売る段階で入る必要があるか。この場合の年会費って・・・多分色々感づかれちゃってるしぶっちゃけとくか。


「あの、さっきも聞いたことに関するんですけど、この国にない新しい遊具というか娯楽物を思いついたんですけど。そういう権利を売る場合の商業ギルドの年会費っていくらになるんでしょうか?」


「新しい遊具ですか?う~んそうですね。いったん年会費10銀貨ってとこでしょうか。」


 結構高いな?


「可能性だけでそういう手合いの話をお受けすると誰も彼もとなってしまいますからね。いったんと申しましたのは、お話をきちんと伺って問題ないようでしたら各地の商業ギルドを通して情報の共有を図ります。商売がはじまりその売り上げに応じて年会費は変わります。」


「なるほど。わかりました。持ってこれるような形になった時にまた来ますね。」


「はい。その時はまたお越しください。」


 初めての商業ギルドの用事は済んだ。準備ができたらまたこよう。



 絵本を売るのは、売れるほどの画力が無い。ではカルタから作ろうかと思ったけど、好まれそうな文章が思い当たらない。であるならばトランプから作るか。紙にマークと数字を書いて・・・俺の手書きで売れるのか?クオリティかなり低いよなあ。ジョーカーも描けねえ。キングとかクイーンとか描いて不敬罪とかにならないよな。あ、そもそも描けねえ・・・生徒の中に絵を書くのが好きな子とかいないかなあ・・・スキルは発動していないけど才脳はあってやってみたら花開くなんてザラにあると思うし。そうだ絵描きを育てよう。イラストレーターを育てよう。俺教えれねえけど・・・『習熟度アップ 中』があれば勝手に育つよな。小学校の教師が図工の時間に教えてくれた絵の内容なんて大したこと無かった記憶しかないけど、絵がうまいやつは書いてれば勝手にうまくなってたし。


 次の日授業を図工に変更し、俺をモデルに絵を書かせてみた。まーこうなるんじゃないかと思ってはいたのだけれど案の定というか何というか、園児と小学生低学年が書いたような絵が20数枚出来上がった。・・・そりゃまあそうだよね。俺の小学校の時の絵なんてまあひどいもんだったしなあ。まあ継続は力なりって事で週に一回ぐらいの割合で図工の時間は残す事にした。絵を書くのを楽しいって思ってくれればいいのだが。

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