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買い物と新しい仲間

雑貨屋に戻ると査定は終わっていた。



「おかえり爺さん。査定の結果を伝えるよ。森ウサギの毛皮20枚で2銀貨。干し肉も全部で2銀貨だ。鹿の毛皮は3枚で1.5銀貨。猪の毛皮は2枚で1銀貨。干し肉も2銀貨だ。ホーンラビットの毛皮は、2枚で2銀貨。角も2本で2銀貨だな。グレイウルフの毛皮は2枚で6銀貨だ。で、魔石が50で全部で30銀貨ってとこだな。すべて合わせて48.5銀貨になる。」


「うむ、それでかまわん。今から色々買っていくから相殺してくれ。」


と、じいさんは色々買っていった。塩・小麦・油・野菜。そして俺用にも色々買ってくれた。革袋大小2枚、替えの服・下着、砥石、野菜の種(農業スキルがあったからだと。)、農具色々、薬草辞典の本などなど。


「家畜などは用意できるんだったかの?」


「ん?森で飼うのかい?」


「うむ。わしももう年じゃし、段々と腕もにぶっておる。アルの為に食料の保険もあったほうがいいと思っての。それにさっき教会で調べたらアルが畜産スキルもっとったからの。」


「まあ保険は必要だよな。けがすることもあるだろうし。家畜なんだけどうちでは用意できないから家畜を売ってる知り合いの店に案内するよ。」


「おー助かるわい。案内よろしくじゃ。」


 買い物が終わると余ったお金を受け取り、3人で家畜を扱っているお店に行くことになった。話を聞いてるとどうにも俺の為っぽいなあ。

じいさんには迷惑かけっぱなしだわ。俺も役に立たないとな・・・



 ジェフさんに連れられて、町はずれにある家畜を販売している店にきた。馬・牛・豚・ヤギ・鶏あと、見たこともない動物もいっぱいいた。動物を見てると、若そうなお姉さんが近づいてきた。


「やージェフおじさん。お客さんを連れてきてくれたのかな?」


「やぁぺトラ。こちらカールさんと小さいのがアルだ。森に住んでるんだが、家畜を買いたいそうだ。」


 この女性はぺトラというらしい。15歳くらいかな。牧歌的な服装をした明るそうな人だ。


「はじめまして カールさん。どんな動物が入用ですか?」


「はじましてじゃ。そうじゃな、鶏をつがいでと、30銀貨ほどで飼えるつがいに家畜は他になにかあるかの?」


「鶏はつがいで1銀貨です。ヤギ・羊・豚はつがいで10銀貨~15銀貨くらいです。」


「では鶏を4羽と、ヤギをつがいでもらうとする。餌は買わなくてもよいのかの?」


「森の中でしたら、食べるものも豊富でしょうし、問題ないと思いますね。では、用意しますね。」


そういうとぺトラさんは動物を用意し始めた。動物達をぼんやり眺めていると何故か檻に入れられたロバがいた。心なしかムキムキだ。めっさガンつけられている。

こえー((((;゜Д゜))))


俺の視線に気づいたのか、ぺトラさんが話しかけてきた。


「その子はね、ちょっと問題のあるロバなのよ。見てのとおりムキムキな上に攻撃的な性格していてね。。。ここに来て2年になるんだけど、売れる気配がなくって・・・管理するのにお金がかかるし、このままだと処分かな・・・って」


 まーそうだろうなー・・・って思いながら見ていると、ムキムキロバが『処分』って言葉を聞いてあからさまなくらい驚愕の表情を浮かべた。言葉わかってそうな顔してるな。このロバ。


「ちなみにですがぺトラさん。このロバ買うとしたらいくらになるんです?」


 試しに聞いてみると まるで『助けて!!』って懇願してるような顔をしていた。


「問題なかったら30銀貨くらいなんだけどね。ヤギも買ってくれたし3銀貨でいいよ。正直処分後の肉代みたいなもんなんだけど。ただ、前にも買おうとしてくれた人いたんだけど、檻からでた瞬間暴れてケガさせそうになっちゃたから、君みたいな小さい子だと余計にあぶないよ。」


 『肉代』って言葉にさらに驚愕の表情を浮かべるロバ。このロバ実はかなりかしこいんじゃないだろうか。少しロバに近づき小声で「助けてやったら言うこと聞くか?」って聞くと必死に顔を縦にふる。「暴れないか?」って聞くとさらに必死で顔を縦にふる。やっぱり言葉わかってるなこのロバ。異世界だしこんなのもいるわなあ。。。


「爺さん、お願いがあるんだけど。このロバ買っちゃだめかな?森から町までの荷物持ちにいいと思うんだけど。訳アリで十分の一の値段らしいし。」


「お前が世話するんならかまわんが、暴れたりしたら殺さなきゃならんかもだぞ。わしはどうにかできてもお前はこのロバをどうにかはできまい。」


 じいさんの殺す発言にまたも驚愕顔のロバ。


「なんかこのロバに愛着わいちゃって。無理かな?」


「まあええわい。お前のスキルもあることだし感じるものがあったんじゃろ。すまん、このロバも連れて帰るわい。」


ぺトラさんが恐る恐る檻から出すと、大人しくムキロバが出てきた。


「うっわ。さっきまでにらんでたのが嘘みたいにおとなしいわね。この様子だと大丈夫そうだけど、ムキムキなので暴れたら危ないので注意してくださいね。あと、荷物持ちと人が乗るための道具も売ってますけど、買っていかれます?(笑顔)」


結局、道具込みで6銀貨で買うことになった。はじめガン付けてたのが嘘みたいに従順になったロバとヤギと鶏を連れて雑貨屋に戻った。雑貨屋では動物の世話や乳を入れておく瓶なども追加購入した。ロバを購入したことによって持って帰れる荷物ももう少し購入できそうなので野菜と麦を多めに買いこんだ。さすがムキムキ、結構な荷物を積んでもびくともいない。せっかくなのでロバに名前を付けてやることにした。


「お前の名前はムキロバにするよ!!」


 ロバが顔を横に振って、嫌そうな顔をした。まじか、わかりやすくていいじゃないかと思ったが。嫌なら仕方ない。


「ん~じゃあ、ロッキーって名前は?」


 ロバとムキムキをもじった安直な名前だがw


「ヒーホー!!」


 うん 嬉しそうだ。今日からロッキーだな。魔法で作った水を手から飲ませてやると嬉しそうにしていた。げんきんなやつだ。



 用事も済ませたし、買い物も済んだので森の家に帰ることになった。行に比べて帰りは家畜含めて大所帯である。

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