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金策と水魔法鍛錬の結果

 アルラウネに細かい突っ込みをすると何か負けた気がするので放っておくことにした。それでも最低限の確認と決めなければならないことは決めた。


 アルラウネについてわかったこと。

 ・もともとどこかの森でゴーストプラントという植物魔物と共存関係を築きながら生きていた。俺に大蜘蛛のおおよその場所を教えてくれた他人に知識を与える能力を、ゴ-ストプラントに危険を知らせる形で伝えていた。しかしこの能力は、一度使うと3か月のスパンが必要になる。短い間隔で冒険者に襲われゴーストプラントは討伐されアルラウネは捕獲された。その後冒険者から商人に売られた。その後貴族に売られることになるのだが、その時の商人のしゃべり方をアルラウネは覚えたそうだ。貴族に売られたアルラウネだが、実はアルラウネが教えることができる知識は、危険な事を教えたり近くにいる生物の情報を伝えたりであって、金持ちになる方法だとか、俺が後からしまったと思ったキュクロの金床の秘密などは教えられないらしい(残念)。アルラウネを生かすのに魔力をあまり持たない者は魔石を使うしかなく、貴族は大赤字になり怒って処分。周りまわってぺトラさんの店にたどりついた。(死にかけてたが)


 ・アルラウネは植物魔法が使える。魔力を植物に流し硬化させたり刃物のようにするどくしたり、草と草を結んで罠を作ったりできる。ただし、自分で魔力を作れないこのアルラウネ(普通は自分で精製可能だそうな)は使いすぎると枯れちゃう。


 ・俺の魔力でフルチャージすると無駄遣いしなければ1か月は行動可能。


 ・光合成や水、土からの栄養で成長する。「将来はボンキュボーンやで!!」と本人談。


決めたこと。


 ・名前 ラムに変更。危うく短縮形で「アル」になりかけていたのを俺が断固阻止。後述の一人称の兼ね合いもありラムになった。


 ・一人称「わて」から「うち」に変更してもらった。一応見た目女の子だし、わてはないだろう。はじめアルラウネから2文字とってラウにしようとしたけど、「うち」だったらやっぱラムの方がいいよねって俺の偏見でラムに。語尾は「だっちゃ」の強要はしない。


 ・仕事をするって言い張るので何ができる?って聞くと、「あのおっきな羊の世話する。びびっときたんや。」って言うので試させた。マーダーシープにやってもらうことは牧場(畑)で草食うこと。ラムに誘導ができるか結構不安だったけど、普通に誘導できてた。何でもゴーストプラントとの共生と変わらないそうだ。


 そして俺は、この前の金欠の反省として週1回金策を行うことにした。山で獣狩りorダンジョンor冒険者ギルドで依頼を受けるのどれかを行うのだ。ドワーフ達からいただくだろうお金は、基本的には森集落の公共的な使い方に限定しようと思ってる。楽を覚えてはいけない。


 本日は獣狩りを行う。狙うは、ワイルドボア。『本』の%アップも狙う。今までに10匹は倒してるのだがいまだ13%。割合は少ないが、エレクスの迷宮ダンジョン地下3~5Fのボスたち程ではない。1回づつ倒したのだが、どれも0%表記である。1匹1%を下回るか、別の解放条件があるかのどちらかだろう。正直萎える(-_-メ)。


 パーティメンバーは、俺、ロッキー、ハナコ。の予定だったのがハナコを最近見かけない。今日も家の周りにはいない。ふ~むどこにいってるのだろうか。まあいい。ロッキーと俺の往年の2トップで狩りをしよう。水魔法鍛錬の成果とドワーフに教わった斧術(武器ももらったが)見せてやるぜ!!


 未伐採エリアに突入後しばらくして1匹目を発見する。が、ワイルドボアではない。森林スネークだ。過去に一度だけ倒したことがある。スキル『警戒』も反応しないのでさくっと倒す。この蛇は牙・蛇皮が売れる。肉はあっさりとした味だが食える。解体は後回しでロッキーに乗せた。蛇から出る血の匂いも魔物を集めるの役立つ。血の匂いは効果的だったのか程なくダイヤウルフ3匹とワイルドボア両方が襲ってくる。少し前の俺なら逃げの一手だったが、今の俺にはドワーフからもらった鋼鉄の斧、洗練された水魔法がある(どや顔)。距離のあるうちに『創水』を背中に展開する。平行して手斧を使い『トマホーク』をワイルドボアに投げる。見事に顔にヒットしのけぞっている間に鋼鉄の斧をかまえて『チャージ』をワイルドボアに。ギュンと体が前に飛びだすと同時にオートマ『スマッシュ』。オートマの利点は多少強引な姿勢でも発動することが可能な事だ。ワイルドボアにぶつかりぎみにスマッシュで首を飛ばした。瞬間『警戒』スキルがビンビンと背後に警告を鳴らす。すぐさま振り返り水魔法『水球・五月雨』。一発一発の水球の大きさが以前の2倍以上。多少ランダム性はあるものの前方向に数十発撃ち込む。


「キャン!」*3


 ダイヤウルフ達が悲痛な声を出し地面を転がる。血まみれでもだえるダイヤウルフの首を斧で一匹づつ確実にないでいく。


「ふぅ。」


 常時展開型の『創水』は、水球の起点としてかなり優秀だ。訓練によりほぼ負荷なく戦闘中展開することが可能になった。もともと水分補給や洗浄に使用される魔法なので負担も少ないのだが。それに戦闘用スキルもかなり有意義に使えるようになってきた。『チャージ』も最初はあぶなかっしかったのだが、敵との距離を強引につめるのには有用なスキルだと気付いた。『チャージ』からの『スマッシュ』を木相手に散々練習したのだ。さて、次の敵がでる前に撤収しよう。首4つを俺が持ち、ダイヤウルフをロッキーに積み込む。ワイルドボアは紐でロッキーが引きながらの撤収だ。正直そこらじゅうに血をまき散らしている(笑)逃げよ逃げよ。


 家に帰ったら皆で解体。5歳~9歳の我が家族は、全員いっぱしの解体屋である。俺の教育の賜物である。


「先生。解体からなめしまで完了しました!!」ビシィ!!っと敬礼。


 9歳のエリスである。俺こんな教育したっけ?・・・まあいいや。



 次の週は、久しぶりのダンジョンに向かう。前に来た時は、ボススライムのドロップ品目当ての冒険者であふれていたが、今は人の気配が少ない。ダンジョン受付に冒険者ギルド職員のロドリゴさんがいたので聞いてみた。


「まったくドロップしなかったみたいでな。かわるがわる冒険者が挑んで3か月で2個しかドロップしなかったみたいだ。で、段々人が減っていった。他で稼いだ方がいいんじゃないかって。」


 まあ俺でもそうするわな。本当にでなかったもんな。


 ロドリゴさんとの話もそこそこにダンジョンにもぐる。今回の目当ては地下3F~5Fのボスである。『本』の確認と金策を兼ねる。まあ金策としては魔石がメインになる。錆びた槍や剣は正直お金にならないから・・・そして今度のメンバーも俺とポーター役のロッキーだ。


 地下3Fをつっきりボスまで一直線に向かう。3~5Fの雑魚に関しては前から余裕だったので今回も超余裕。かたっぱしから見つけ次第『水球』の餌食。ポーター役のロッキーは積載量は多いのだが魔石を拾えないのが地味に面倒。まあそこは仕方ない。さてボス部屋でホブゴブリンとの戦いである。ホブゴブリンがPOPする前に『創水』を展開し、POPと同時に『水球・五月雨』での全力スタート。革鎧を身につけたホブゴブリンが吹っ飛ぶ。観察してみると全部ではないが、革鎧に穴が空いている。うんうん十分な威力じゃないか。お、プルプルしながら起き上がってきた。ほれもう一発!!どーんと吹っ飛び動かなくなった。しばらくするとホブゴブリンは消滅し魔石と錆びた剣が残った。さてさて『本』の確認をしなくちゃな。へっへっへ・・・へ!?0%ふわっつ!!2匹でも0%かよ!?よーしいいだろう1%いくまで試してやる。


 結果4匹目で1%・・・まじかよ・・・前と合わせて5匹で1%。100%までに500匹!?非常に萎える。結構ダンジョン遠いしボス部屋まで到着するのにも時間がかかる。4Fも5Fも同じくらいかかるとすると合計1500匹か・・・『本』様も厳しいぜ。


 気を取り直して地下4Fにもぐる。地下4Fは前に武器の技術ではかなわなかったハイコボルトだ。まずは先ほどと同じように全力魔法戦を試してみる。ハイコボルトは槍で水球を防ごうとするがホブゴブリンと同じように吹っ飛んだ。2発目でこれまた同じように動かなくなり消滅した。ん~俺の魔法つええええ!!いかんいかん調子にのってしまうところだった。次は斧対槍の武器対決をするのだ、気を引き締めなければならない。鋼鉄の斧を握りしめハイコボルトの再POPを待つ。沸いたと同時に今度はハイコボルトから仕掛けてきた。斧の横面で槍の一撃をいなしマニュアルスマッシュ。すとんとハイコボルトの両手が落ちる。うっは切れすぎ。ハイコボルトは両手を失って地面をのたうちまわる。油断せずにとどめをさす。あっれ、技を競い合う過程がないくらいあっさり終わったんですけど・・・いやいい事なんですけどね。その後連戦した結果、案の定というかなんというかハイコボルトの表示は5匹で1%だった。想定より悪くは無かったのでまあ良しとしよう。


 最後は地下5Fボス、スケルトンナイト。前回は盾で『水球』も斧も無力化され、投擲も体が骨なので効果が薄く、結局雑魚コボルトから集めたこん棒を『トマホーク』しまくって倒したのだ。しかし今回の俺は前とは違う。『水球 五月雨』の威力も大幅にあがり『水球』だけでもそこそこ態勢をくずす自信はあるのだが、別の秘策も考えてきている。名づけて『水球 ビックカノン』。要は超でっかい水球を飛ばすのだ。実はぶっつけ本番である。といっても『創水』で色んな事をやってるので大きな水の塊は結構作っている。飛ばしたことが無いだけだ。水が俺の制御下にある間は重さは感じないが、飛ばした瞬間(俺から離れた瞬間)重力の影響を受ける。さてさて俺のスキルでどれくらい飛ばせるものか。


 結構な時間をかけ、いつもより大量に『創水』を行う。やや前方よりに集め発射しやすいようにする。現在2mほどの円型を維持しつつスケルトンナイトのpop場所へとじりじりと進む。沸いた瞬間を見計らっての『水球 ビックカノン』くらえええ!!ヒュっドッパン!!


・・・2M超の水球は、俺からの制御から離れるとすぐに落下した。ほぼ飛んでない。どうやら重すぎたようだ。テヘ。飛ばなかった水の塊だが、床に落ちて波が発生しスケルトンナイトを水洗トイレのう○このように流していった。そのまま壁にぶつかって骨がくずれていった。そして俺も逆側の壁にう○このように流されて壁に激突。俺びっちゃびちゃ。ロッキーはさっさと逃げていた。う~ん倒すにゃ倒したんだけどしっくりこない。。。斧で2戦目やろうかとも思ったんだけどびちゃびちゃ過ぎてやる気もひっこんでしまったので、魔石と鉄の盾と剣を拾って帰ることにした。多少の水気は『水操作』でどうにかなるんだけど、ここまでびちゃると無理だなあ。。。とほほ


 ダンジョンを出てロッキーにまたがろうとしたら嫌な顔されたので歩いて帰った。

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