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子どもたちの欲しいもの

「お前たち~ほしいものはあるか~?」


 上機嫌で子ども達に欲しいものを聞く。大猪マッドボアは大金に変わったのだ。今ならなんでも買えちゃうんじゃね。へへ。子ども達はちょっと考えて思い思いに答えた。


エリス「塩以外の味付けできる何かがいいなあ。」


ロイ「僕は武器が欲しい!!みんなを守るんだ!!」


コニー「コニーは、でっかいの。ヤギさんみたいなの欲しい。」


マリー「マリーはせんせーがまえに言ってた、ねこ~」


ケビン「ケビンはバナナ~」



 ふむ。エリスのは何か調味料買ってあげればいいか。ちょっと聞きたいこともあったしまんぷく亭に寄ってもいいな。ロイは男の子だな 武器ときたか。ガダフさんお店に行くか。コニーとマリーの希望はぺトラさんの店だな。世話できるやつならいいけど。。。ケビンのバナナ…うむ、任せとけ。どっかで買おう。ついでに買える苗木があったら買っとこう。畑の他に果樹園もいいな。何年かかるか知らないけど。。。前世の実家でも果樹あったんだけど収穫しか手伝わなかったからなあ。



「よーし!!順番に買ってやる。ただし!!家に帰ったらお仕事・訓練・お勉強はしっかりするんだぞ~」


「は~い。」


 俺の教育は厳しいのである。



 昼をまわったところだったので、全員でまんぷく亭に行ってみる。全員お店は初めてのようなので、緊張と嬉しさが入り混じってそわそわしていた。お店に入ると女将さんが声かけてきた。


「あら アル君じゃないの。食べに来てくれたのね。ってあら~かわいいこいっぱいいるわね。弟さん妹さん?」


「はい。俺の家族です。みんなお店で食べるの初めてなんです。この子達に食べやすいお勧めを5つお願いします。俺はこの<<マッドボアステーキランチ>>で。」


「あいよ。お子様セット5人前に。マッドボアね。これをを選択するなんてさすがね!!」


 プロの調理で、マッドボア食べてみたかったんだよね。売値も良かったけど店での値段もいいみたいだが(笑)女将さんが厨房にオーダーを通したあと、さらっと聞いてみた。


「あの女将さん、このパスタ料理の麺って、麦と塩で作れるんですか?」


「ん?パスタかい?色々だよ。麦粉と卵だけもあれば、オイルや塩も使ったり水も使ったりだね。自分で作るならそれらの材料で色々ためしてごらん。」


 パスタ作るのは、問題ないみたいね。こねくり回したら作れそう。ネットでお家で作る生パスタとかたま~に見かけたけど、興味なかったしな。500g100円ほどで買ってたし。


「女将さんもうひと質問すいません、調味料とか香辛料ってどんなものあります?」


「そうさね。にんにく、唐辛子、酢、はちみつ、マスタード、コショウ、バター、ハーブ類、ワインや乳も使うわね。」


 え、結構色々あるな。それにコショウあんの?勝手にコショウは高くてあまり流通してないものだと思ってた。というかこの店の味付け普通にコショウの味してたわ(笑)それに調味料色々あるじゃない。何で塩だけで生きていこうとしてたんだ俺。まあ爺さんが塩と森の恵みだけでほぼ生きてたいうのが原因だが。女将さん砂糖は言ってなかったな。あっても高いんだろうな。値段見てからだけどどっかで調味料買って帰ろう。エリスも喜ぶ。いや皆喜ぶな。


 料理が運ばれてくる。お子様セットは残念ながら旗は刺さってなかった。お肉と卵の炒め物に、ソーセージ、白パン、オレンジが付いていた。飲み物もついていた。はちみつ入りのレモン水だ。


「うあ~。せんせい~いっぱいきたよ~。」


「オレンジもついてる~。」


「この水あま~い。」


 喜んでくれて何よりだ。俺の目の前にマッドボアステーキが運ばれてくる。なんて旨そうな匂い!!恐らく赤ワインソースにベリージャムか何か使ってる。


「う、うまい!!」


 たまらん!!何だこれ。肉はジューシーでいて、中までしっかり火も通ってる。ソースもやばうま。


「せんせ~どうしたの~泣いてるよ~?」


「どうしたんですか?先生」


 ふ、あまりのうまさにまた涙を流したようだ。厨房のおやっさんと目が合った。親指を立てたので、俺も同じようにする。


「なんでもない。うますぎて感動して泣いたんだ。」


「へんなの~」


 へへ。おやっさんまたくるぜ。十分満足した俺たちは店を後にした。次は武器を見に行くか。道すがらロイに聞いてみる。


「ロイ、どんな武器が欲しいとかあるか?」


「えとね、先生の持ってるその槍がほしいです。」


 え、俺自作のホーンラビット角槍?こんなんでいいの?斧で魔物を倒せるようになってますます槍は使わなくなった。これでいいならまあ。


「じゃあ、ロイにこれをあげるけど、家に帰ってから渡すよ。使い方も覚えなきゃな。」


「うん、僕覚える!!」


 うむうむ。がんばりたまえ。問題は俺が槍の指導ができるかどうかだ。まあなるようになるさ。さて武器を見に行く必要なくなったな。次は魔法ギルドに行くか。


 魔法ギルドに向かう。目的は二つ。エリスが使う闇の生活魔法について聞くこと。それと今回、肉が保存できなかったのは、冷蔵庫が無いからだ。その代わりとして水魔法(初級)『氷作成』を買おうと思う。氷を作って氷室でも作成しようかと。2金貨もするけど、これは投資である。無駄遣いでは消してない。


「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件でしょうか?」


 残念、受付は、前にいた水のイなんとかさんじゃなかった。思いだしたイリアさんだ。まあいないんだが。


「水魔法(初級)『氷作成』が欲しくて来ました。それと闇の生活魔法がどのようなものがあるのか教えてもらえたらと思いまして。」


「『氷作成』のご購入ですね。ありがとうございます。2金貨になります。闇の生活魔法ですが、一般的な名前で呼ばれていますのが『安眠』手をかざして眠りをいざなう魔法ですね。それと『暗闇』自分の周囲を暗闇にします。そのままですね。」


 『安眠』は使えてた。『暗闇』も想像に近いか。暗くするんじゃなくて暗闇にするのね。闇に紛れる以外使い道が思いつかないが・・・2金貨を渡し受付のお姉さんから『氷作成』のスクロールを受け取る。


「『氷作成』はあくまで氷を生み出すだけです。攻撃に使うのでしたらつかんで投げたりもできますが、素直に水球の方が使い勝手はいいかもしれません。この魔法を使えると飲食店では重宝されます。」


 でしょうね。。。俺もその使い道だしなあ。ギルドでスクロールを使用し魔法を覚え、受付のお姉さんにお礼を言って魔法ギルドから離れた。


 次は食料や調味料の買いこみである。いつもはジェフさんの雑貨屋で買ってたが、今回は苗木や種も扱っているお店に向かう。専門店というやつだ。帰り際にまんぷく亭の女将さんから店の情報を得ていた。現物も買うつもりだが、できれば森で育ててみたい。今住んでいる場所は、冬といってもそこまでの寒さは無いので、ある程度の植物は育つと考えている。店のおばさんに色々買うからおまけしてと言うと笑っていた。今回は現物として、にんにく、コショウ、唐辛子を。種として同じものとトマトと玉ねぎの種を買った。正直玉ねぎの種は初めて見た。実家で育てていただけど確か苗を買っていた気がする。苗木は、ブドウ、リンゴ、オレンジ、レモンを二本づつ買いこんだ。今まで見たことも無い果樹や野菜もちらほらとあったが、はじめはやっぱり知っているものからにしておく。異世界植物を試すのは余裕がでてきてからだ。最後に植物油と御酢とお酒も買っていく。荷馬車の中は大いに賑やかになったが、俺のサイフからは金貨1枚と銀貨50枚が飛んでいった(泣)無くなるのはええよ。。。店を離れようとしたところで


「ケビンのバナナは~?」


 あっ、すっかりバナナ買うのを忘れていた。すまん完全に忘れていた。お詫びに皆の分含めて20本ほど買っといた。ケビンも皆も大はしゃぎである。バナナで大喜びしてくれるのだからありがたいものである。実は俺も久しぶりのバナナに内心興奮はしていたのだが、それは秘密である。


 最後は、コニーとマリーの希望をかなえるためぺトラさんのお店へ向かった。

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