表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/68

猪さん こんにちは

 次の日子ども達には、昨日と同じように動物の世話したり訓練しときなさいよーって言っといて、意気揚々と森に出た。今日は獲物を狩る。俺は狩る!狩ってやるぜ。俺は稼げる男なんだ!!一家の大黒柱なんだ!!…12歳だけど。それが5分前である。今は、陰からこそこそ獲物を見ている。獲物は俺になるかもしれないが・・・


 罠にかかったウサギを食っているものすごくでかい猪がいた。


   うそだろ おい。なんだあのでかさ。おっこと○しじゃないんだぞ。。。たまーに罠にかかった猪を狩った事はあったが、目の前の猪はきっと獣じゃない。絶対魔物だ。体長恐らく3m以上。勝てるのか?俺はあいつに喧嘩売って勝てるのか・・・?い、いや無理、、いやいける!?    目が合った。光の速度で逃げたつもりだったが、猪の野郎 足も速い!!引き殺される瞬間、木の枝をつかんで上にジャンプ。徐々に落下。


 ストン。猪の上に落下。ロデオ状態に。


 うっそだろ。おい!!猪も不快なのか暴れようとする。落とされたら死ぬ。そう考えた俺は、とっさに血抜きする時に吊るすように持ってきていたロープを出して、水を這わせ『水操作』で、スルスルと猪の首に巻き付けて首輪と手綱のようにする。絞めてみたが、俺の力では落ちない。猪の暴れ方は尋常ではない!!まじ死ぬ!!投擲ナイフなんて皮膚にささらない絶対。手斧構える余裕もない。・・・詰んでるんじゃね?いや、待て待てあきらめるな。俺には接客スキルがある。よし意味が無い。混乱している。うぉおおおお


・・・もぅマヂ無理 吐きそうになる。吐く?口?呼吸?首を絞めなくても水でふさいでやれば。


 『創水』大!!『水操作』で猪の顔に水移動!!猪フゴフゴ言いながらおぼれてる。尚も暴れる。さっきよりも激しい!!時間の流れがわからない!!いつまでかかるんだ?早く死んでくれ!! 猪が急に大木に向かって走っていく。・・・こいつ 自分ごと木につっこんで俺を殺る気だ!!俺は、ロープを持ったまま飛び降りた。『水操作』は触れている限り効果が続く!!大木にぶつかった反動がロープ越しに俺にも届くが、何とか耐える。猪は起き上がり俺の方を見る。プルプルしてる。


 足は逃げる体制にしておき、ロープを握り直す。刹那、


 ドスーン!!


 猪が顔から地面につっこんで倒れた。痙攣している。まだ死んでないはず。継続して水のかたまりを猪の顔に維持する。どれくらいたっただろう。5分か。10分か。正直はっきりわからない。ロープを握ったまま、猪に近づき手斧を振りかぶり首元に入れる。片手ではうまく首にささらなかったが、猪からの反応は無い。ロープを手に巻き付け魔法を維持したまま両手で斧をふる。3回ほど両手で振り下ろすと頸動脈まで達したようで血が飛び出す。どうやら完全に殺せたようだ。『水操作』と『洗浄』で血抜きを続ける。家からそんなに遠くはないが、こいつは一人では無理だ。運べない。ロッキーを連れてこないと。


「ふぅ。」


 大きくため息をつく。盗賊相手よりもよっぽど生きた心地がしなかった。水操作買ってなかったら絶対死んでたよ。ありがとう魔法ギルドの水のなんとかさん。(名前忘れた。イ・・・なんだっけか。)


 血抜きも終わり、家に帰ってロッキーを連れてきた。猪を見たロッキーも


「ブルァ!!ヒハヒハ(興奮)」


 とビビっていた。森で10年以上いるがあんなでかいの初めて見た。こいつを斧スキルで倒すのにどれくらいのレベルがいるのか・・・奥にはあんなのいっぱいいるんだろうか…この辺にはもう来ないで下さい。お願いします(懇願)


 猪にロープを這わせ、板の上に乗せる。板を滑らすように運んだ。板に乗せてことで運び安くはなったが、ロッキーと俺の二人がかりでも中々に大変な作業だった。500kg以上あるんではなかろうか。家に猪を運んだら昼を回っていた。ロッキーもヒーコラヒーコラ言っている。しかし、俺の仕事はまだ終わらない。解体作業が待っている。


「キャアーー!!」「「うわ!!」


 猪を見た子ども達が悲鳴をあげた。そらそうだろう。俺も上げたい気分だ。


「大丈夫だ。死んでるよ。」


「先生、これ先生がたおしたの・・・?」


「まあな~。苦労したけど。。。」


「先生すごーい。」「すげー」


 ふふふ、敬うがいい。褒められるのは気分がいい。


「今から解体を行うから、見てるように。手伝えるところは手伝ってもらうからね。」


 とは言っても、子どもの腕ではこの猪の皮はさばけまい。肉を運んでもらったりになるかな。


 説明しながら猪を解体し作業が終わるまでに夜になった。肉は干し肉にしようかと思ったけど、塩をめっちゃ使うから、肉は樽にぶち込んで、明日町へ売りにいくことにした。そんなに寒くはないけど今は冬。一日くらいでは痛むまい。新年を前にとんだ大捕物になったものだ。他に猪からは牙、魔石が取れた。牙もでっかく鋭く、これで武器も作れそうだった。魔石も過去最大の大きさである。幾らの価値になるのか。全部合わせると結構な稼ぎにはなりそうだ。ただしばらくはあいつと戦うのは勘弁である。命がいくつあってもたりない。


 肉は、売る分以外は、多少保存用に加工し(加工の説明もした。)晩御飯には猪ステーキをみんなで食べた。前世の知識からなんとなく生焼けはまずそうだったので極太ステーキとはいかなかったが、好きなだけ食べさせた。解体していた時は、ドン引きしまくっていたけど、肉祭りがはじまると大騒ぎだった。この猪の肉は気のせいでもなく、普通の猪よりも随分肉質が良く、前世で食べた豚肉よりも旨かった。でかいと大味なんてこともなく強い方が肉はうまくなるのかもしれない。今日倒した猪を『本』で確認すると <<マッドボア 25%>>となっていた。1匹で25%か。4匹倒せば・・・いやきつくね?ま おいおいかな。。。



 一応今朝に掲げた目標は達成した。ふふ やはり俺は稼げる男だったな!!(まだ売れてないが)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ