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念願の魔法を手にいれたぞ!!



 魔法ギルドに到着した。念願の水初級魔法の購入である。存在を知ってから購入するまでかなりの時間を要したことになる。


「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件でしょうか?」


「水魔法の『癒しの水』と『水球』が欲しいのですが。」


「わかりました。合わせて2金貨となります。」


 料金を支払うと受付をしていた女性が、奥からスクロールを持ってきた。


「1度使うと効力が失われてしまう魔道具となっていますのでご注意くださいませ。」


 よくわからないがすごい技術だなと思う。本当に誰が作っているんだろうか。


「魔法を覚えるのが初めてでしたら、スクロールの使い方、魔法の使い方までをレクチャーいたしますが。」


「お願いします。生活魔法は使えますが、初級魔法は初めてですので助かります。」


「では、魔法スクロールの封を開いて手に持ってください。スクロールに書かれている文字を読みながら魔力を流してください。」


「こうでしょうか?」


 言われたとおりに行うとスクロールが光り、その光が俺に吸いこまれる。高い割りにあっさりしてる。


「今覚えたのが『水球』です。人によってはウォターボールやアクアボールと呼ぶ人もいますね。私も水魔法を使えますので簡単に説明させていただきます。」


 そう言うと 女性の周りに水の玉が浮かんだ。


「この状態ですと洗浄魔法の水の玉とあまり変わりません。洗浄魔法と呼ばれてる生活魔法は水の玉の固定です。本当に洗うように使うのならば、同じ水魔法の『水操作』が必要になります。水球は、生み出した水の玉を飛ばします。大きい水の玉、小さい水の玉、たくさんの水の玉。イメージと魔力量、スキルレベルなど色々な要素が組み合わさって形や威力、効果も千差万別です。」


 女性は、小さい水の玉をたくさん浮かべ弾のように飛ばし壁にあてた。


「ちなみにですが、先ほどの『水操作』があれば、こういうこともできます。」


 足の先に水が移動し、足から水の玉が出た。


「『水球』と『水操作』の応用ですね。水操作は、触れている個所の水をあやつり動かすことができます。道具もその延長となり例えば剣の先まで水を這わせ、そこから『水球』を飛ばしたりも可能です。無限のイメージとスキルを鍛えれば基礎の魔法とはいえ、強力な武器になりますよ。どうです、『水操作』も欲しくなったのではありませんか?ふふふ」


 はい。めっさ欲しくなりました。でもなあ追加で買うと防具買えなくなっちゃうんだよなあ。。。食料や備品も買って帰らなきゃいけないし、、、


「もう一押しですね(ニコリ)ここにロープがあります。ロープに水を這わせるとあら不思議、意のままに水をまとったロープを動かすことができます。これも『水操作』で可能です。ただコントロールにはスキルだけでなくセンスも要求されますが。」


 やっべ、まじ欲しい。魔法ギルドの職員からこんな接客受けるとは!!商売上手じゃねえかちくしょーめ。


「あの。。。『水操作』も下さい。」


「(ニコ)50銀貨ですね。ありがとうございます。」


 お金を渡した。残りは60銀貨。防具買えねえ。きっと買えねえ。


 商売上手なお姉さんは、さらに熱心に説明してくれた。



・『水操作』は水の移動。体から離れたものは移動不可。水分を移動し乾燥にも使える。ただし生物には生物が持つ魔力により邪魔されるのでうまくいかない。(少しは可能)木や植物は魔力量が少ないものは割合乾燥可能。自分の生み出した水の方があやつりやすいが、それ以外の水でも触れていれば動かせる。


・『癒しの水』傷を癒すイメージで水を生成する。患部に水が当たると効果が発生するとともに水は消える。びしょびしょにはならない。『癒しの水』を瓶のようなものに入れておいても普通は徐々に効力が薄れ10分もすればただの水になる。錬金術師のスキルやアイテムにより定着化することができる。『水球』で癒しの水を投げることも可能。直接触れるよりも回復量は落ちる。


・『水球』の効果は 水を生み出す 上半身から少しだけ離れたところに浮かべる 飛ばすを複合的に行う。前半二つは水の生活魔法の延長である。


・詠唱はいらない。魔法名を口に出さなくてもいい。ただ、イメージと威力は直結するので自分なりに魔法名を付けて声に出した方が効果は上がる。たくさんの『水球』を飛ばす魔法を<<さみだれ>>って名づけるみたいなことだと思う。今の俺の魔法では水しぶきだろうけど。



 女性に見てもらいながら、水を生み出し、操作し、投げつけを繰り返した。自分の腕にナイフで傷を入れ、『癒しの水』も試してみた。覚えたてでは、回復効果は薄かったが、2回もやると傷はふさがった。戦闘中に回復となると鍛えないと厳しいそうだ。2時間ほどレクチャーを受けながら魔法を試した。



「君 すごいわね!!2時間魔法使いっぱなしで魔力枯渇しないだなんて。初級魔法しか使えないのが残念だわ。それと覚えも早いわね。イメージ力が高いのかしら」


 女性の口調もすっかり柔らかくなった。ふふ イメージ力には自信がある。バ○タードやス○イヤーズ、ロ○ドス島戦記に始まり多種多様な魔法に触れてきたからな!!口にはしないけど。


「説明の始めごろに教えたけど、『水球』と『水操作』は、鍛えれば上級魔法にだって引けをとらないわ。水魔法は、水操作に始まり水操作に終わるっていうくらいだしね。」


「へー。すごいですね。やる気が出てきます。」


「今考えたんだけどね。」


「・・・」


「あー、自己紹介してなかったわね。私は魔法ギルド職員のイリアよ。昔は「水のイリア」って呼ばれていたこともあるわ。まあ 土も風も他にも色々使えるんだけど」


 どや顔である。年齢は30半ばくらいだな。始めの丁寧な職員風は営業用だったようだ。


「色々とありがとうございました。俺の名前はアルフレットといいます。」


 ギルド登録はアルでしてしまったが、せっかく正式名称知ったのでアルフレットで通すのだ。かっこいいし。


「アルね。他の初級魔法もあるからお金が貯まったらまた来なさいな。私がいるときならレクチャーしてあげるわよ。」


 結局アルになってしまった。


「あの一つ聞いていいですか?何でこんなに親切に教えてくれたんでしょうか?他の人にもこのような対応なのでしょうか?」


「ん~。君がはじめて魔法を覚えに来たって言ったからかな。これからお得意さんになるかもだったし。でもまさかこんなに魔力量あるのに水魔法(初級)の才脳だけとは思わなかったけど。」


 完全に営業でした(*^-^*)光るものがあるとか、一目見てこいつは違うとかあるんじゃないかと思ったが、違うようだ。


「あとね、私は水魔法使う子が好きってのも少しはあるかな。」


 「水のイリア」さんだもんねえ。。。でもまあ 色々教わって助かった。鍛えていくのはこれからになるけど、明後日の盗賊戦に少しでも備えることが出来て良かった。


「では失礼します。ありがとうございました。」


「またいらっしゃい~」


 魔法を3つも覚えれた。やったね!!



  問題は、防具を買う金だな。。。


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