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道完成 買い物にいくぞ!!

 12歳の終わり、やっとの事で森を抜けるまでの道づくりが終わった。だいたい5kmの森の道完成である。ここから町までの平原は3kmほど。合計8kmほどが町までの距離となる。荷物を持たずにロッキーにまたがり駆け抜けたなら整備された今となっては30分もあればつくのではないだろうか。


「終わった!!おわったぞぅう ロッキー!!俺は町へ行くぞおおおお!!」


「ヒヒヒヒヒン!!」


 長い道のりであった。道ができるまでは意地でも町にいくまいと、よくわからない根性と意地を出してしまったので、実に2年以上森から出ていない。興奮もやむなしである。麦は尽きてしまっているし、塩は節約を重ねたがもう尽きかけている。年齢とともに狩りの腕は上がっていったため、肉はよく取れたので食料に困ることはなかったし、小農園の野菜に薬草、森の果物でビタミンは問題無かったと思うのだが、塩なしの生活は無理である。準備して町へ行かねば!!


 毛皮は100枚以上ある。一番多いのはビックラット、ついでホーンラビット、グレイウルフも10匹は倒した。狼が怖くて町へ向かうのを躊躇していた時もあったが、最近では何とか倒せるようになっている。実際警戒スキルのおかげか不意をうたれることもないので1匹の相手を狙ってである。ホーンラビットの角も30本はある。魔石も100以上である。換金が楽しみでならない( *´艸`)節制生活も終わりだ!味の濃いのを食べまくってやる!!



 で『本』の進行状況であるが、ホーンラビットが100%になった。どんなスキルが得られるのな~とわくわくしていただんけど、これまた予想外の展開だった。


<<ホーンラビット 技=チャージ取得>>


 スキルじゃなくて技だった。ホーンラビットが角を突きだして突っ込んでくる動きをするんだけど、まさにそれ。武器を構えて「チャージ」と叫んで見ると斧を持ったまま突っ込んだ。正直斧で使う技じゃないと思った。木相手に使ったんだけど2mほどぐん!!って体が前にでて木にぶつかってひっくり返った。顔面強打である。距離感を考えて使わないと大参事だ。それに斧ではなく刺突武器で使う技だと思った。なので少しづつではあるけれどもホーンラビット槍の練習もはじめた。


 グレイウルフは10匹倒しても15%しか達成しておらず、先は長そうだ。森では他に森林スネークと呼ばれる蛇の魔物とヒュージホーネットという蜂の魔物を数回倒しただけで『本』の項目はあまり増えていない。まずはインフラからだよね ってことで道に執着しすぎたようです。



 結構な量の素材を用意できたのでそれなりのお金になると思う。今回はそのお金で水魔法と防具を購入するつもりだ。雑貨屋のジェフさんには申し訳ないが、冒険者ギルドに立ち寄って依頼がでていればできるだけそっちで換金しギルドポイントも稼いでおきたい。あと、家畜も連れていく予定である。ヤギは合計で8匹、鶏は20羽となっているが、近親交配が気になるので半分づつ連れていき可能であれば交換してもらい、無理ならば売って別の雄雌を買って帰ろうと思っている。情がわかないようにロッキー以外は名前を付けてないしね。



 準備万端ってことで家を出た。ヤギ達の背中に鶏を載せて、ヤギはロープでロッキーにつながっている。相変わらずたよりになるロバである。整備した道を通って前よりもかなり早く進む。2時間も歩けば町にたどり着いた。



 まずは家畜屋さんに向かう。確かぺトラさんだったかな。



「こんにちは~」


「はいーいらっしゃい。」


 あーそんな顔だったな~って女性が出てきた。後ろに2、3才くらいの子どもが見えた。前来たのが8年くらい前だし結婚もするよなあ。


「あれ、このロバ見覚えあるんだけど。このムキムキ具合間違いないわ。おじいさんといっしょに来てた子よね?」


「そうですそうです。じいさんは3年前になくなってしまったので今は一人ですけど。」


「それはお気の毒様…でも大変ね。確か森に住んでるんだっけ?」


「はい。まあ結構体も大きくなりましたし、なんとかグレイウルフも倒せるようになりましたので危険も減りましたから。」


 13歳を前に俺の体は160cmくらいになっている。ほぼ前世の身長と変わらない。13前でこれだともう少し期待できそうだ。


「たくましい限りね(にこ)で、今日はどのようなご用件で?」


「えとですね、ヤギと鶏が順調に増えてるんですけど、もともとつがいでここで買ったので近親が気になりまして、交換が可能ならしてもらおうかと思いまして」


「いいわよ、鶏は無料で。ヤギは4匹で1銀貨の手数料で。連れてきた動物たちの状態も確認したいので時間もらえるかしら。お金は後でいいわよ。あ、今日って森に帰るのかしら?」


「そのつもりです。用事が終わったらまた来ますね。」


「了解 了解。あーもし町で泊まるような事があれば連絡ちょうだい。エサ代だけであずかるから。」


「ありがとうございます。では」


 少し手数料はかかったけど、問題なく交換してもらえるようだ。いい人で助かった。



 続いては、冒険者ギルドである。今は昼前なので今回も人はあまりいないようだ。中をのぞくと前のスキンヘッドのギルド長ではなく、お姉さんが受付にいた。目が合うとにこっと微笑んでくれた。危ない危ないそれだけで惚れそうになってしまう。受付に向かい声をかける。


「いらっしゃいませ。本日どのようなご用件でしょうか?」


「実は、冒険者になったのはかなり前なのですが利用するのは初めてなんです。毛皮とかホーンラビットの角とかをたくさん持ってきたのですが、依頼があれば依頼で使用し、なければ買い取ってもらおうと思いまして。」


「わかりました。まずはギルドカードをお借りしてもよろしいですか?」


 はいっと渡す。


「アル様、Gランクで確かにはじめてのようですね。今荷物をお持ちではないようですが、素材はどちらに?」


「外でロバに持たせてあります。」


「承知いたしました。裏手に回っていただきそこで対応させていただきますね。」


 そういうとお姉さんはギルドの奥に入っていった。すぐに出てきたときには見覚えのあるスキンヘッドといっしょだった。


「よう坊主 でっかくなったな!!裏で個別対応してやるよ!!」


 女性とは縁遠いようだ。


「あ、ありがとうございます。」


 ギルド長に連れられ裏手に回ると、前に見た武器の練習スペースとカウンターのある少し広めの場所があった。


「荷馬車とか買取素材が多い場合はこっちで対応してるのよ。あと、解体も有料で請け負ったりな。」


 説明をしながら素材をいっしょに全部降ろした。


「これ全部坊主 ひとりでか?」


「はい。3年分くらいでしょうか。」


「その年で なかなか立派なことだ。んーちょっと数が多いな。1時間くらいかかるかもだからどっかで時間つぶしてこいや。」


「わかりました。」


 1時間という微妙な時間だったので、待望の町ごはんに出向くことにした。いつもは屋台で食べていたがせっかくなので料理屋に入ることに。大通り沿いで客がいっぱいいる店を選んで見た。


 「はらぺこ亭」んむ。リーズナブルにうまい料理を出してくる感のある、いい名前じゃないか。店内は満席のようで10分ほど待っていると中に案内された。ひっきりなしにお客さんが入れ替わってる。厨房は壮年の男性一人と若い男が一人。ホールは中年のおばさんと若い女性で切り盛りしていた。


「いらっしゃい。あんた初めて見る顔だね」


 おばさんのほうが声をかけてきた。


「はい。近くの森に住んでいまして、町の料理店でごはんを食べるのは初めてで。」


「初めてにうちの店を選んでくれたのかい、うれしいね。少しおまけしとくよ。いっぱい食べな。お勧めは牛肉のたれ焼きセットだよ。」


「じゃあ それいただきます。」


 注文して5分もしないうちに料理がでてきた。メインの肉料理、サラダ、パン、スープのセットである。我慢の限界なので肉から、むしゃぶりつく。ラットもウサギもうまかったけど、やっぱ牛はうめ~。このタレも絶妙だ!!くぅー、米と醤油だれがあればもっと最高なのに。久しぶりの贅沢に涙すら流していた。んぐ、んぐ おやっさん いい仕事してやがるぜ。へへ。泣きながら飯食ってたので周りからは変な目で見られていた・・・同じのもう一回頼んだ。


「うまかっだです。まだぎます」


「は。、はい  ありがとうございます。またのお越しをお待ちします。」


若い方の女性店員さんは若干引いてきた。

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