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アニメ学院で出会った女の子は中毒系女子でした。  作者: 神戸 生一本(かんべ きいっぽん)
第一章
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理想のカポー

「春のやわらかい日の光に照らされて、山吹色の髪の毛はハイライトとシャドーにキレイに塗り分けられていた」


「・・・保勇先輩、何ですかそのナレーション、てか、まだいらしてたんですか?」


別館から出ると、そこにちょうど山吹色のあのコが前を歩いていた。どうやら別館に入っているコースの学生らしい。


「俺たち、午後はフィギュア造形士コースだから」


「あ、松葉さんも。お疲れ様です」


「で、後輩くんは上京してあのコに一目惚れしたって訳かぁー、いやー思春期楽しんでるね~」


両頬に両手をあて、顔を赤らめるふりをする保勇先輩、絵になるなー、この人は。


「む~、リア充してる人には言われたくないですー」


「リア充?」


「リアル世界に恋人がいて、充実してるって意味です」


リア充という言葉はこの頃は、まだそこまでオタクの世界でも使われていなかった。


ましてや、今のようにファッション誌が、『リアル楽しんでる=リア充』といった表現で一般人が使うなんてことはありなかった。


「あはははは!何それおもしろーい!」


「んじゃ、俺たちはリア充だな。悪いな此花!」


「うわー、大人の余裕いやだー、あー」


「大人の余裕ったって、俺たち2人とお前は1つしか年齢かわんねぇーけどな」


「そ、そんな追い討ちを・・・」


「ゆずくん、いじめすぎ!後輩くん大丈夫、後輩くんもすぐリア充になれるから」


「あー保勇先輩ありがとうございます!保勇先輩は優しいです!松葉先輩にはもったいないです」


「だろ?羨ましいだろ!俺のカノジョは最強だからな」


「もうーゆずくんたら、後輩の前で恥ずかしい・・・」


「まどか、それは可愛く生まれた女の子の宿命だよ」


「えー何それ、宿命とか中2病だよ~」


「やっぱり、そうかな?我ながら決まったと思ったんだけどな」


「全然、決まってないよ~」


「リア充爆発しろー!!!」


「リア充爆発しろ?」


「おっ、それはいわゆるテンプレか?」


「えー、そうです。リア充が目の前でイチャつきはじめたら使うテンプレです」


「なるほど、面白いな」


「うんうん、これだと私たち何回も爆発させられちゃうね!」


「ははっ。そうだな。まどかは可愛いなぁ、まったく」


「ゆずくん、後輩くんの前で恥ずかしいよぉ」


「リア充、」


「ドカーン!」


「???どうしたんですか?保勇先輩」


「リア充爆発させられる前に、リア充自爆してみたの?」


「ははは、まどか面白すぎ!」


「はい、保勇先輩面白すぎます。ははははは」



この2人はほんとに素敵な先輩で、理想のカップルだと思った。

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