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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

人獣妖鬼

東方人獣妖鬼〈甘味処アリスさんとのコラボ〉

作者: 狼天狗

 そこは幻想郷の博麗神社…


 一人の男が鳥居の前で、刀を振っていた。


 時龍…彼は夢の世界から来た青年。


 いつもは龍の頭のヘルメットを被っていないが、修行などの時は被っているようだ。


 しかし、なかなかの暑さに体力が消耗しがち。

水分をしっかり取らなければ、熱中症になってしまいそうな程、暑い。


 時龍は『創龍剣』を右手で持ち、振っている。

特徴としては、あまり実態はない。なぜなら、創られた剣なのだから。


 この『創龍剣』は、龍派もある。

本当は『夢龍剣』という刀を愛用していたが、折れてしまい新たな剣を作ってもらっていた。

できたらスキマから出るようになっている。八雲の妖怪に許可を得て。


 だが、実際使ったことがないし、見たこともないので、時龍は楽しみでもあった。


「波動剣!」


 剣を横に振り、波動を流す。脈龍剣という技に似ている。


 因みに、時龍の時代はスペルカードがなかったので、剣技となっている。


「まだまだですね。」


 鳥居の方から、少女の声がした。


彼女は燃えるような紅の髪に、紅い瞳をしている。


背丈は低く、150センチぐらいだろうか…そして貧乳である。


見た感じ、小学生ぐらいに見える。


顔は整っていて、髪はボブで切り揃えている。


服装は半霊半人の魂魄 妖夢と全く同じ。


黒い大きなリボンと白いシャツの上に、緑のベストを着ている。


だが、パッと見大人しそうで、戦いなど好まなさそうだ。


「俺は時龍だが…君は?」


 時龍は自分の名前を申し、彼女の名前を問う。


 彼女は笑顔で答えた。


「私の名前は魂魄 妖緋です。別世界から師匠に送られ、来ました。」


 魂魄 妖緋…時龍は別世界の妖夢の子なのかと、理解した。


 まだまだですね、という台詞から彼女も妖夢同様、剣を扱うのだろう。


「俺に何か用か?」


 時龍は気になっていたことを問う。


「私はあまり戦闘をしたくないのですが、お手合わせをしに来ました。」


 とても敬語だった。

やはり、彼女は戦闘をしたがらない性格だった。


 だが、時龍は断らず受け入れた。


 それぞれ、戦闘態勢に着く。


 時龍は『創龍剣』をしまった。これから始まるというのに…何を考えているのだろう。


 一方の妖緋も、剣を出さない。様子を伺っているのだろうか?


 無言の時間が流れる…


「直感術…」


 時龍は前触れなしに、術を使う。


この術は、気力を高め、集中力を上げ、直感…感じた気配で格闘技を喰らわす。


だが、特徴的といえば、目を閉じていることだ。


集中力を上げるために。


「なるほど…では、私から仕掛けさせていただきますよ!」


 妖緋が叫んだかと思うと、剣を持っていた。


「これは『百斬剣』…と言っても目を閉じられているので見てないと思いますが…


あらゆるものを切ることができる…


というわけではないですが、切れないものはあんまりないです!」


 妖緋は時龍に向かって剣を振った…が、集中力を上げている時龍は素早く交わした。


「じゃあ、俺も刀を使うか。」


 時龍はそう言い、直感術を解き、目を開く。


 右の方に手を伸ばすと、スキマが出現し、刀を取り出した。


「『龍神剣』…この刀は龍の力が込められている。


そうだな…岩とかなら余裕で切れるかもな。」


 説明し、時龍は『龍神剣』を妖緋に向けて構え、大きく振り上げ切り落とす。


 だが、妖緋は素早避けた。


 まだ『龍神剣』を扱えてない時龍にとっては、不利な状況だ。


「そろそろスペルカードを使用します。ヒノカグツチ。」


 妖緋は炎の塊を放った。


その炎の塊は、時龍に目掛けて飛んで行き、飲み込もうとしている。


素早く避けるが、追ってくる…


「キリがねぇ!真怪斬!」


 時龍は『神龍剣』を縦に振り、オーラのようなものが纏った状態で、炎の塊を切った。


「ふぅ…妖緋、炎を操る程度の能力でも持っているのか?」


 時龍は一旦落ち着いた後に、妖緋に問う。


「はい、私には三つの能力があります。


一つはさっきも仰られたように、炎を操る程度の能力です。


火力はかなり強いので…そうですね、肉を一瞬で焼き焦がせます。」


 時龍は、幻真より強い炎を操れるんだな…と思った。


あと二つの能力はなんだろう…と思う。


「それでは、続きいきます! タケミカヅチ。」


 妖緋は、斬撃が決して消えない空間を作り出す。


指定した範囲内で斬撃が反復するような技。


 斬撃一つ一つの威力はかなり低いが、数が多い…


「多すぎるだろこれ…回縁斬!」


 時龍は回転して斬る…が、一方に減らない。


 ちょびちょびと、ダメージを与えられる…


 時龍は、箇所を何度も攻撃されて致命傷となる。


「このままじゃ殺られるだけだ! 大回転龍剣!」


 とても長い直径で回り、斬り払う。


「やりますね。しかし、もう私には勝てませんよ。その体では。」


 箇所を何度も攻撃された時龍…妖緋の言葉通り、勝つことは不可能だろう。


 だが、時龍は降参せず、『神龍剣』を構え直す。


「何が勝てないだ…諦めるのは嫌いなんでな…」


 時龍は『神龍剣』に、炎と水の属性を加え、こう叫んで斬り払う。


「炎水火海神真斬!」


 炎と水の属性を十分に加え、妖緋に向かって斬る。


「レーヴァテインもどき。」


 妖緋が唱えると、妖緋が所持している剣に巨大な炎が付与され、レミリア スカーレットの妹、フランドールが所持しているレーヴァテインと同じような状態の剣になる。


 妖緋はそれで受け止める。


「もらった!」


「うぐっ…」


 攻撃を受け止めていたのは右側。時龍は、妖緋の空いていた左側に『創龍剣』をかました。


 だが、おかしかった。


確かに攻撃をした。切り傷が残っているはずだ。


しかし、ない…


「おかしいって顔をされてますね。


私の二つ目の能力、回復する程度の能力。


正確には、この所持している護符によって肉体を回復させています。


壊れても直りますので、壊すという考えはやめてくださいね。」


 時龍は提案したことが、直ぐに無になった。


 だが、彼は諦めなかった。


「だからなんだ! 連界異真斬!」


 時龍は高速で、妖緋に向かって切り裂いていく。


 だがしかし、あまりにも早い再生力に圧倒されてしまう。


「これでも無駄か…」


 時龍は諦めかけている…ように見えるが、心の中ではこれっぽっちも思っていない。


 かといって、絶対的勝利というわけでもない。


 やれるだけやろう…といった気持ちだろう。


「ふっ…時限斬。」


 時龍は何もないところに『神龍剣』を振る。


これが後ほど、ダメージを与えることとなる。


「時限斬…なんでもいいです。ヒノカグツチ!」


 妖緋は、先ほども使用していたスペルカードを使用する。

だがしかし…


「ぐふっ…」


「罹ったな。」


 時龍が使った時限斬…


「この技はな、脈龍剣とは違い、時間を置いて切り裂く技だ。


直ぐ回復するだろうが、致命傷は与えられる。」


 説明し終わるまでに妖緋の体には、切り傷などなかった。


 しかし、少し息荒かった。


「まさか…ダメージを与えられるとは…これはこの剣を抜くしかありませんね…


『乖離剣』!」


 妖緋は『百斬剣』を収め、『乖離剣』という名の剣を時龍に向け、構えた。


「減多に使わないこの剣を、手合わせで使うことになるなんて…


時龍さん、あなたが初めてです。


十分に楽しみましょう。」


 妖緋は俊速で時龍を切る。

だが、上手いこと避ける。しかし、奇妙なことが起こる。


「空間が…」


 妖緋が切った後に、境界のような空間が現れる。


境界これを超えることは出来ません。越えようとしたら体がグチャグチャになります。


覚悟してくださいね!


私にこの剣を抜かしたことを!」


 妖緋は『乖離剣』を時龍の頭めがけて縦にふる。


「これは流石に避けないとヤバイな…白刃取りは不可能だし…」


時龍は斬りを避けて、体勢を整える。


「すまんが次で終わらしてもらうぞ。」


 時龍は剣を構える。


「いいでしょう。受けて立ちます!」


 妖緋も構える。


「終奥義 神龍始終!」


「ラストスペル フル・アヴソリュート!」


 時龍は数々の剣を生成し、妖緋に飛ばす。


 妖緋は時龍の足元に地面すらも溶かす炎を作り出す。

炎を作り出す場所は地面だけでなく、妖緋の腕や身体中から噴出される。


 妖緋は痛い、熱いのは平気であり、体に触れた瞬間に相手の身体中が燃えカスになってしまう。


「喰らえ!!」



♦︎



 爆風が止み、そこに立っている二人…


 一人は重症で、最後の力を振り絞り、よろけながらも立っている。


 もう一人は少し息が荒いが、余裕の表情。


「流石…だな。」


時龍は地に右手を置き、妖緋を見上げる。


「ありがとうございます。それはもちろん、『霊斗』師匠に指導してもらいましたから。」


時龍は、ハハッと笑う。


「それでは、私はこれで。


お手合わせ、ありがとうございました。」


そう言い残し、スキマの中へと消えていった。


 時龍の心は、もっと強くなり、妖緋と次に会った時はリベンジしてやる。という気持ちだった…


甘味処アリスさん、コラボありがとうございました。

またやりたいですね。

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