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闇の再開

青いガラスを砕いたような仄かな光に写し出される細すぎる体


「誰です?」


再び問いかける声は有無を言わせぬ声音だった。


「俺は、俺は劉璃」


震える体から出た声は思ったよりはっきりとしていた。


「君は?」


気になった。

どうしてここにいるのか、誰なのか


「私?

私はうつろ」


ひたひたと足音をたてながらちかづいて手を伸ばせば触れるギリギリの所で立ち止まった。


「ここに何しに来たの?」


暗くて顔は見えない。


「月の姫を探しに来た。」


「探してどうするの?

殺すの?」


声ははしゃいでいるような気がする。


「つれてく

殺さない。」


口が勝手にしゃべっているようだった。

自分のものとは思えないほどに滑らかに言葉を紡いでいく。


「へぇ・・・

それが私だと言ったら劉璃、貴方はどうする?」


この(ひと)は何を言うのだろう?

訳がわからず黙っているとうつろは続けた。


「私は陽の光を浴びると灰になるの

だからここから出られないの」


まだ私にはするべきことがある


と続けてうつろは黙した。


「それでも連れていくと言ったら君はどうする?」


能力(ちから)を使ってでも追い出すわ」


不安定な光のなかにきっぱりとした声が対照的だ。


「どっちにしろ貴方には帰って頂くわ」


うつろは言うと腕を横に薙いだ。


「っ!!!?」


眩しすぎる光に包まれ一瞬見えた女の顔は師によく似ていた。



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