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落ちたおちた
もういい加減この景色は見飽きた。
しかし、まだ地図に書いてある目的地とやらにはたどり着かない。
ふっと足の感覚がなくなった
否、穴に落ちたのだ。
「うわぁぁぁぁぁーーー」
どんなに強くなっても恐怖はある。
穴に落ちたことを理解したとたん、いやその前に俺は叫んだ。
俺はこのまま死ぬのだろうか?
叫びながら落下による強風に体を遊ばれながら俺は思った。
死にたくない、しにたくない、シニタクナイ!!!
俺は手を壁に伸ばして捕まろうともがく
けれど、手を伸ばしても風に体を揺らされてうまくいかない。
それどころか捕まる壁がない。
ふと、俺は目を覚ました。
真っ暗だ。
明かりなどない全くの闇
全てを飲み込む絶望のようだった。
「しんだ・・・のか??」
カラカラに乾いた喉から間抜けな声が漏れ、ちいさく小さく木霊して消えた。
ここはあの世とやらなのだろうか?
ならば、進んでいけば師に会えるかもしれない。
もっともっと沢山のことを教わりたかった
でも、その前に逝ってしまった女性
「そこに居るのは誰です?」
鈴を転がしたようなか細い声が響いた