009藤森楓「王女様×ボディガード」
さてっと、ここからいよいよ本編スタートね、
私の名前は藤森楓、この物語の語り部だ、…え?違うの? 何で?
ちょっと灯火!…アンタ、段取り悪いわよ!
まあ細かい事はいっか。…それじゃ気を取り直して、
私は今フランスはパリ、凱旋門を望む憧れのシャンゼリゼ通りの真っただ中に居たりする。 一週間前の討論大会で見事優勝を勝ち取った我らが三条茜チームは、副賞の海外旅行先にパリを選んだって訳だ。
えっ、お前は三条チームじゃ無いだろうって? よく覚えてるわね、そんな事、…
そう、ただの討論大会係だった私がタダで海外旅行に連れて行ってもらえる筈も無く、私の役目は霊的トラブルから茜を護る為に変態関目に派遣された対悪霊ボディガードって訳、要するにコンビニの壁についてる電撃殺虫器ミタイナものね。
しかも今回の海外旅行は生徒だけで一週間の海外生活をやり遂げる、ってコンセプトだから、引率の教師も現地ガイドも無し。成田の出国審査からホテルのチェックインから現地レストランの予約まで、全部生徒達が自分でやんなきゃなんない。そうは言っても学校側としては生徒達の安全を守らなきゃならないから、総勢14名のボディガードが生徒達に見つからない様に護衛にあたっていたりする。ちなみに私の変装は、何故だかオールバックに髪を結んで、ジーパンにオークリーのサングラスかけた怪しいヒッピーモドキ。
白人女:「カエデ、あんた誰と話してんの?」
藤森:「気にしないで、暑くって死にそーなの、アイス買って来ていい?」
この白人女性はキャサリン、女の子ばっかりの旅行だから女性のボディガードは必須よね、ちなみに彼女は柔道と空手の黒帯持ってるらしい。
キャサリン(=白人女):「駄目に決まってんでしょ、何回同じ事聞くの? ほら移動するよ。」
一方で茜達はと言うと、銘々可愛らしく着飾って、楽しそうにシャンゼリゼ通りをつるんでいく。 不慣れな大道芸人達が勿体ぶりながら緩いダンスを披露するのを眺めたり、オープンカフェのメニューの立札を意味も無く眺めたり、巨大なデパートに潜り込んだり、アイス食べたり、…
藤森:「私もショッピングしたい〜」
キャサリン:「同感、でも私はシャンゼリゼより、隣のフォーブール・サン・トノレに行きたいな。」
別に茜の取り巻き連中に混ざりたいとは思わないけど。…ちょっと羨ましい。