088 星田翔五:「五行聖獣 その1」
一筋の飛行機雲を引いて、到来する空対地ミサイルが、…
パリの空の真ん中で、…
凍りついた。
そのまま、不発のまま、墜落して、オスマン通りに砕け散る! ASMP、
葛葉:「何が、起こっている?」
そして、粉砕したミサイルから道路を滑る様に転がった核弾頭を、一人の美少女が、片足で、…
受け止めた。
その、完全無欠の球体関節人形ミタイな美少女は、荒廃したパリの通りの真ん中に佇んで、ゆらゆらと陽炎の様なオーラを放つ。
身長150cm位、小柄で華奢な体つき、顔立ちはどちらかと言えば地味な方だが、すっきりと目鼻立ちが整っていて、どこか、赤ん坊ミタイナ、幼さ、あどけなさの抜けない、…水の聖霊
茜:「涼子、…御姉様!…」
彼女の足に踏みつけられて、一切の分子運動を禁じられた核弾頭は、絶対零度に、…息を潜める。
そして、行き成り! 炎に包まれて、燃え上がる、…超巨大アメーバ型 大和武琉!
目を凝らせば、おそらく数億を超えるであろうコイン程の大きさの真っ赤な炎の妖精達が、的確にターゲットへと辿り憑いて!…その原子振動を、超超超加速!
超超局所的に発生した恒星フレア並のプラズマが、…地に降り積もって異臭を放つ肉食飛蝗の肉骨粉諸共、全ての邪気を昇華、…浄化する!
そして天空へと駆け昇る無情の業火は、パリの街に一切の類焼を引き起こす事無く、パリ・ガルニエの屋根に立つ、赤い美少女の掌へと、…舞い戻る、
可愛らしいショートボムのアイドル顔に、まるでルネサンスの西洋彫刻を思わせる均整のとれたグラマラスボディ、…色香と可憐が同居した彼女の全身から溢れだすオーラは、万有引力の如くに、周囲の視線を惹きつけて、放さない、
そこへ突如出現した真っ赤な翼竜が! ガルニエの屋根に降り立って、赤の美少女の傍らに控え、…肉の欠片にまで燃え焦げた、ヒトカケラの大和武琉を、美少女に、受け渡した。
喜多見:「京橋朋花か、…意外と、遅かったな。」
そして今、絶望の淵に足を取られた一同の前に登場する、…星田翔五。
翔五:「全く、あんま手間かけさせるなよ、…」




