表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トリックスター(プロメテウスの火)  作者: ランプライト
第九章「メッセンジャー・オブ・ザ・パルプ・マガジン」
82/135

082 喜多見:「這い寄る混沌 その12」

フリオ:「…人の苦しみは、…持つ者と持たざる者との違いから生まれる。 …では、何故人は皆等しく平等ではいられないのだと思うかね?…ある者は親兄弟を失い、ある者は九死に一生を拾う、…ある者は全財産を失い、ある者は謀らず富を得た。」


自らの役割の終わりを確信したか、フリオ・キャンベラの眼差しは、意外にも穏やかだった。


フリオ:「…全ての密度の異なりは、音楽の旋律にも似て、…神々の為に、この世界の悲鳴を美しく奏でるのだ。…だから人は、その為に、痛みから逃れる事は、出来ないのだよ。」


茜:「でも、…」


武琉が、茜の肩を掴んで、フリオを生首から、…目を背けさせる。


武琉:「死に損ないの戯言に耳を傾ける必要は無い。 俺達は、俺達のやれる事をすればいい。 敵が神だと言うのなら、神と戦うまでの事だ。」


葛葉:「何か、策が有るのか?」


武琉:「そんなものは無い、…が、ただ、人間ってのはそう簡単には死なないって事は知っている。 仮令たとえ頭を潰されたとしても、指一本しか残らなくても、細胞の一つ一つに、思いは残る。 そして、俺の血を使えば、細胞一つからでも、…人間を復活させる事が出来るかも知れない。」



喜多見:「残念だけど、それは見当違いだよ。…大和武琉、」




いつの間にか、誰一人として気付かない内に、…耳元までぱっくりと口の裂けた女が空中に出現して、胡坐を掻いた格好で、…逆さまに吊り下がっていた。


そして、僅か数十cmの至近距離で、武琉の耳元に血生臭い息を、…吹きかける。


武琉:「……!」


武琉は、一瞬で反応して裏拳を放つが、…既に其処に喜多見の姿は無く、恐らく見えているモノは只の、…「幻影」?


武琉:「貴様! まだ生きていたのか!」


背広女達が、一瞬遅れて拳銃を発砲するが、…命中している筈の銃弾は、まるで蜃気楼の様に喜多見の身体を、すり抜けるのみ。


葛葉:「ミリアム!」


呼びかけた毅の直ぐ傍らに、…プロメテウスが墜落して! まるで陽炎の様に、消失する、


ミリアム:「え?」


ミリアムは突然消失したプロメテウスから放り出されて、地面に膝を付き、…そのミリアムの胸を、長さ3m余りの、ロンギヌスの槍が、…貫いていた。


ミリアム:「ナニ、コレ、…」











挿絵(By みてみん)


イラスト追加しました。

我らが悪役「喜多見」さんですー!


イラストくらいは可愛らしくしてあげましょうか、と言う事で、、

灯火

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ