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トリックスター(プロメテウスの火)  作者: ランプライト
第九章「メッセンジャー・オブ・ザ・パルプ・マガジン」
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081 毅&武琉:「這い寄る混沌 その11」

葛葉:「アバドンが密集している地点近くに、プロメテウスで大きな竪穴を掘って、上空でミリアムがプロメテウスにて待機、アバドン達を其処へおびき寄せる、…」


茜:「あの、済みません、それで、その人達を、落とし穴に落として、…それでどうするんですか?」


不安そうな顔で、茜がそっと手を挙げて、…進言、


ミリアム:「片っ端から潰しちゃう?」


ミリアム、まるで悪気は無く、…


茜:「でも、元は人間だったんですよね? …人間に戻す事は出来ないんですか?」


葛葉:「残念だが治療方法が分からんのだ。躊躇して感染を拡大させるよりは、まだましな選択だと思う。」


茜:「それで、2万人も殺してしまうんですか?」


ソレを言われると、葛葉とて胸が痛まない訳ではないが、…


葛葉:「感染した時点で、既に人間では無くなってしまっていると考えるのが妥当だろう。 奴らは脳を半分破壊された状態でも活動する、しかも体内から大量の飛蝗を排出しながらだ。こんな芸当は、人間には到底不可能だからな、」


茜:「でも、そんな簡単に諦めて、…良いモノなんでしょうか?」


背広女:「三条さん、人間は、地を這って死に物狂いで生きているちっぽけな存在なのよ、何時だって奇跡が転がっている訳ではないわ、生き残る為に、痛みを受け入れる事が必要な時もあるのよ。」


背広女、尻を叩いて立ち上がり、腰のホルスターにしまった拳銃を取り出して、…残弾数を確認、


茜:「だからって、今日、突然に、大切な人を失った多くの人達の悲しみは、…どうすれば救われるんですか?」


茜は、歯噛みして、…目蓋を落とす。




フリオ:「…アカネ、サンジョウよ、…お前は、一体何の為に生まれて来たのか、…考えた事が有るカ?」


今や胸から上だけを残してすっかりアメミットに食い尽くされたフリオの残骸が、…剥き出しの横隔膜を収縮させながら、死に物狂いで、…言葉を放った。


いやその微かな呟きは、血の混じった咳か、乾いた笑い声の、聞き間違えかも知れない。


フリオ:「…神は、寂しさを紛らわせる為にヒトを作り、…その悲鳴を聞いて御心を慰めているのだ、…」


フリオ:「人は、それ故に、…悲しみや苦しみから、…永遠に逃れる事は出来ない。…」


茜:「そんな事、…」

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