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トリックスター(プロメテウスの火)  作者: ランプライト
第八章「アバドーン・フロム・ザ・シテ」
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068 ミリアム・マリア・ヴァリ「プロメテウスの火 その5」

ミリアム:「イボンヌ!」


スク水&ライダージャケットのツインテール美少女が、道路に仰向けにひっくり返って、ぴくりともしないイボンヌに駆け寄った!


覗き見たフル・フェイスヘルメットのウィンドウ・シールドは、真っ白に粉砕していて、…



ミリアム:「イボンヌ!…イボンヌ!……!」


少女が抱きしめた、その女戦士は、糸の切れたマリオネットの様に、力なくその腕を、…垂らした。


ミリアム:「死んじゃ、駄目だって…!」



見ると、ミリアムの胴体は、未だミニガンの銃撃で身体半分が千切り取られた侭で、…普通なら、脊椎、肺臓、心臓に、修復不可能な損傷を負っている筈。…


なのに、内臓や骨が剥き出しになっていた損傷部が、見る見る内に、まるで焼けた石に水が吸い込まれて行く様に、元の何も無かった侭の状態に、…描き直されて行く。


一方で、ガトリングガンの銃撃を受けたイボンヌの身体は、プロテクタの隙間から潜り込んで下腹を貫通した銃弾にミンチにされて、…ゆっくりと、静かに、肉の塊へと、…変わり果てて行く。


肝臓から溢れ出る真っ黒な血液が、戦闘用防護服を染め上げて、…


素人目に見ても、イボンヌが助かる要素は、見当たらない。



山猫:「毅クン、毅クン、聞こえる?…状況を教えて。」


再び、ヘッドセットから、総司令官の声が流れ出す。


葛葉:「敵「聖霊」に汚染されたブレーキー大佐のD-Bodyの襲撃を受け、イボンヌ少尉が被弾、重傷を負いました。 ブレーキー大佐はミリアムの「聖霊」の攻撃によって破壊、既に沈黙しています。」


山猫:「イボンヌは、…残念だけど、救援は間に合いそうにも無いわね。 それよりもミリアムの状態に気を付けて。 あの子は、重度のストレス下では、未だ自分をコントロール出来なくなる事があるの。」


ボロボロに千切れたミリアムのライダースーツの背中の隙間からは、まるで何事も無かったかの様な、少女の白い柔肌が、…覗いている。


葛葉:「総司令、…ミリアムは、一体、何者なんですか?」


そんな事は何度も教育を受けて来た筈なのに、現実を目の当たりした今、どうしても問い質さずにはいられない、自分が、…情けない。



山猫:「ミリアムは「神々の戦争」に置ける私達「人類の切り札」、 人類が「神々」から盗み取った「神々の武器」、…「プロメテウスの火」、」


山猫:「人間の女の子の心を持った、「超物理化学兵器」よ、」



山猫:「良い事、毅クン、思い出しなさい、…貴方の役目は自ら戦う事では無い、ミリアムが暴走状態になった時に、ミリアムの脳を破壊して「リセット」させる事が貴方の役目、何時何時いつなんどきたりとも、ミリアムの状態から目を離しては駄目よ!…判った?」

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