064 ミリアム・マリア・ヴァリ「プロメテウスの火 その1」
葛葉:「何だ、…今のは?」
そして、尚も突っ込んで来るリチャードのD-Bodyを、ピンク色のレーザービームが、照射する!
しかも一つではない、上空数カ所から、いや数十カ所から、同時にピンク色のレーザービームが、D-Bodyを一斉照射!
よく見ると、レーザービームは、空中の数カ所で、まるでプリズムに当たった様に屈折、屈曲、自由自在に光線軌道を変化させて、あらゆる障害物を避けて、…標的であるD-Bodyに到達している!
しかも、高速で距離を詰めて来るD-Bodyにロックオンしたまま、狙いを放さない!
ミリアム:「良い事、毅! コレは明らかに「貸し」だからね!」
そして次の瞬間!
一斉に、ビームの軌跡を辿って、数十個の「何か」が、超音速で、…D-Bodyを貫いた!
一瞬で、破砕する、D-Body戦車!
粉々になった金属の欠片が、宙に舞い上がる!
それから、その後、…衝撃波を伴った轟音が、…辺り一面を、薙ぎ払う!!
轟音:「「「……!!!… …!!!……」」」
オイルと、人間の体液の混じり合ったペーストが、…降り注ぎ!
リチャードだった物は、グズグズに引き裂かれた肉片と化して、アスファルトに、…染みを作る。
振り向いて見た、ミリアムの後方に、見た事も無い「何か」が、浮いていた。
まるでその鋭角なデザインは、アニメのヒーローが操る、宇宙船?…ロボット?
その、ロボットの肩から背中にかけてを覆う外骨格の様な可動装甲から、無数のピンク色のレーザービームが全天に向けて、…照射されていた。
毅:「これが、ミリアムの「聖霊」なのか?」
ミリアム:「どうよ、人呼んで「ホーミング・レールガン」! 格好いいっしょ?…命を救ってあげたんだから、私にいーっぱい感謝しなさい!」
そして、空中高く舞い上がったD-Bodyの破片が、雹の如くに、…降り注ぐ!




