049 三条茜「ホテル・オブ・ザ・インフェルノ その2」
ガタイのデカいボディーガードが二人、左右から飛び掛かって、フリオを取り押さえる!…と、その身体がフリオに触れた途端、行き成り!
自然発火した。
ボディガードA:『ぐあぁ…!』
ボディガードB:『うぉおおぉ…!!』 (注『』フランス語)
残ったボディガードが透かさず拳銃を発砲するが!
銃声1:「「…バン!…」」
銃声2/3/4:「「…バン!…」」
銃弾が当たっているにも拘らず、フリオの身体は微動だにしない。
背広女が一歩、前に歩み出て、超至近距離からフリオの顔面に、…銃弾を命中させる!
銃声:「「…パん!…」」
フリオは一瞬ぐらりとヨロケテ仰け反り、…飛び散ったフリオの血液が、床のカーペットに零れて、化学反応? カーペットを熔かし? 燃え上がらせる!!
背広女:『なんだと?』
強烈な異臭を発する発火性の体液を嫌って、ボディガード達が数歩後ずさり、
フリオは尚も怯む事なく、…ゆっくりと茜に向かって歩を詰める、
更に数人のボディガードが間に割って入るが、…フリオは、まるでそんなモノ達等、目の端にも入らないかの様に、ただひたすらに、三条茜の姿を追い求め続ける。
フリオ:『お前は考えた事が有るか? 何故、人は、苦しみ悲しみ嘆きながら、尚もそれでも生き続けているのか。』 (注『』英語)
三条:『人は、生き続けるから、苦しみ悲しみ、嘆く事が出来るのではないでしょうか。』
ボディガード達は、何発銃弾を喰らっても尚沈黙しない化け物?に、為す術も無く、…そして、茜もまた、その狂気の姿をじっと、見守り続ける。
フリオ:『面白い娘だな、お前は、…私が怖くは無いのか?』
薬品に焼けただれた顔の上で、弾丸が潜り込んで変形した眼窩の奥で、白く濁った目玉が、中毒患者の様にせわしなく震えている。
そして、少女のふくよかな胸の谷間から、不思議な青白い炎の様な輝きが、…溢れ始めた!
三条:『貴方が、私の大切な人達を傷つけると言うのなら、怖いです。』
フリオ:『お前が、大人しく私に身柄を委ねるなら、他の誰も傷つけないと約束しよう。』
フリオが、茜に向かってゆっくりと手を差し出して、…




