041葛葉 毅「世界統一政府 その3」
山猫:「ポール、これからの作戦行動を説明してくれる?」/ポール:「はっ!」
スクリーンの画像は、パリ中心部の地図に切り替わり、飛蝗の発生分布と、部隊の展開状況を映し出した。
ポール:「3班に分かれて作戦に当たる。 ハリソン中佐の部隊はパリ上空の飛蝗に対し火炎放射による駆除を行う。 アンブロッシ少佐の部隊はシテ島の封鎖と現場近辺からの住民・観光客の避難にあたる。」
ポール:「ブレイキー大佐の部隊は、ノートルダム寺院の飛蝗発生現場へ15分後に到着の予定。D-Bodyによる「老婆型聖霊」の捕獲を試みる。」
葛葉:「捕獲?「聖霊」を捕まえるのか。」
山猫:「「聖霊」を通常兵器で破壊する事は不可能なの、計算式やコンピュータウィルスは幾らパソコンを壊しても、別のパソコンに移れば問題なく機能するのと同じ事。 奴らを沈黙させるためには、特別な武器が必要。」
ポール:「現在我々が保有する「聖霊殺しの武器」は、基地内で使用中で持ち出しできない「ロンギヌスの槍」と、スカンジナビアで作戦行動中の「トルコ石の蛇」、後は、破損して効果が不安定な「トリアーナ」だ、確実にしとめるには「トルコ石の蛇」を呼び戻すのが最善と思われる。」
ポール:「既にスカンジナビアの部隊への伝令は出動済、「トルコ石の蛇」のパリ到着まで恐らく4時間以内。その間ノートルダムの「聖霊」がこれ以上被害範囲を拡大しない様に、奴の行動を制限するのが今回の作戦だ。」
山猫:「そして、いざと言う時に「聖霊」に対抗できる可能性が有るのは「人造聖霊」であるミリアムだけ、今回はミリアムを出動させるわ。 イボンヌと葛葉君は、ミリアムと一緒に現場で待機、指示を待ちなさい。」
葛葉/イボンヌ:「Yes Sir!」
若い中佐(♀)が、親指サイズのキーホルダー?を、イボンヌと葛葉に手渡した。
ポール:「それは、ミリアムの脳に仕込んだ爆弾の起爆装置だ、もしもミリアムが暴走した場合は、それでミリアムの頭を爆破するんだ。」
イボンヌは、神妙な面持ちで「聖霊少女」を自爆させる「安全装置のスイッチ」を受け取る。
山猫:「勘違いして躊躇しないでよ、「聖霊」は通常兵器では殺せない。 たとえ爆弾で頭をふっとばされても、ミリアムが死ぬことは無いわ。」




