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トリックスター(プロメテウスの火)  作者: ランプライト
第四章「シュラバ・イン・ザ・ルーブル」
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034鴫野瑞穂「ナンパ・イン・ザ・ルーブル その2」

青年:「日本人同士、こんな時は助け合った方が良い、君達はパリには余り慣れていないんだろう? 僕はこっちに数か月は住んでるし、何かと力になれると思うよ。」


一寸した「あわよくばの視線」もとい「憧れの視線」を放射する女子大生達、…


藤沢:「どうしますか?」

鴫野:「私は遠慮しとくわ、 19時のユーロスターに乗る予定だし、」


青年:「パリから出る交通機関は全部ストップされていて、復旧の目途が立ってないみたいですよ。貴方達もどうぞ一緒に。」


何だ、この子、…


女の身体部品パーツに興味津々な男の視線が、本当に気付かれてないと思ってるのだとしたら、憐れよね、

折角清潔な良い人ぶってたのに、下心漏れちゃったのが、…とても残念、


そこへ、ウチの残念男が戻って来る。


星田:「まいったぁ、水が流れなくなっててさ、…どうかしたの?」

鴫野:「何、アンタ手洗ってないの?」


星田:「洗ったって、流れなかったのは便器の方、」

鴫野:「まさか、そのまま、放置してきたの?」


星田:「ちゃんと蓋してトイレットペーパーでバッテンして来たよ。」

鴫野:「さいてー」


本当に、残念な、奴、…


途端に、それまで女子大生達と談笑していた青年が、しょぼくれたウチの残念男に、食って掛かる。


青年:「すみません、その人達は僕の連れなんですが、何か御用ですか?」


ふーん、私達、いつの間にか「連れ」なんだ、それでこの青年、男には分かり易いくらい冷たいのね、


鴫野:「この人、うちの旦那だけど、…何か?」


下心ミエミエ青年、信じられないモノを見た様な、不思議なものを見た様な視線で、口籠りながら、すごすごと引き下がる。


青年:「いや、別に、へえ、…そう、なんだ、、」


結構、この瞬間が、私は気に入ってたりする。


青年はと言うと、さっさと頭を切り替えて、早くも女子大生達と宜しく仲良く始めている。…まあ、女の方も望んでいる関係なら、外野がトヤカク言う事は何も無い。

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