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トリックスター(プロメテウスの火)  作者: ランプライト
第四章「シュラバ・イン・ザ・ルーブル」
33/135

033鴫野瑞穂「ナンパ・イン・ザ・ルーブル その1」

日本人の女子大生二人組が私達のテーブルに近づいて来た。

一人は可愛い子ぶりっこ? 一人はコミュ障?


女子大生1:「あのー、すみません、何か有ったのか、ご存知ですか?」


ふと見ると、辺りの人達が、いつの間にか、…騒然としている? 何か事件が起きたのか?…でも、


鴫野:「悪いけど、知らないわ。彼処あそこに行って聞いてみれば何か教えてくれるんじゃない?」


警備員か美術館のスタッフが、人集ひとだかりに向かって、何やら説明しているらしい。


女子大生2:「フランス語厳しくて、…」


だからって、私は通訳じゃないっての!


やがて、日本人の女子が固まった私達のテーブルへ、一人の日本人の青年が近づいて来た。


清潔な身形みなり、自信に満ちた立居振る舞い、優しそうな眼差し、


青年:「君達日本人?良ければ一緒に行動しましょう。今、政府から、出来るだけ屋外に出ない様にとの発表が有ったんです。なんでも、新種のウィルスを媒介する飛蝗ばったが、大量発生しているらしい。」


女子大生1:「ええ、本当ですかぁ?」

女子大生2:「どんな病気なんだ?」


時を同じくして、数人の男女が、慌ててフロアに駆け込んでくる。

シャツを捲り上げて、二の腕の後ろ側を、しきりに気にしている。


男1:『噛まれた!』(注、『』はフランス語)

女1:『…悲鳴…!』


一斉にパニックになる人々、感染を恐れて男から距離を取ったり、心配そうにのぞき込んだり、反応は人それぞれで、興味深い。


青年:「此処ももう安全とは言えないみたいだな、僕は此処から歩いて5分位の所に住んでるんだけれど、良かったら暫く家に退避しても構わないよ、少しなら飲み物も食べ物もあるし、靴を脱いで休む事もできるよ。」


女子大生1:「ええ、どうしよっかぁ、…」

女子大生2:「はあ、…」


海外駐在の一寸カッコイイ青年に、心惹かれている様子の女子大生達、特にぶりっこの方は今にも喰い付かんばかりの勢い、…楽しそうで、羨ましい事、

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