032鴫野瑞穂「ガールズ・トーク・イン・ザ・ルーブル その2」
鴫野:「そう言う貴方は、電話の彼とは、付き合っているんでしょ?」
今度は彼女が、赤面する、 でも一体何なんだ? この、まるで女子会ミタイな会話は!…柄でもない!
藤沢:「でも、自信無いんですよね。」
処が途端に、藤沢明里はテーブルに肘をついて、深く溜息を吐いた。
ありゃー、不味った? 私、…地雷踏んだ?
藤沢:「私なんかより、よっぽど相応しい人が傍に居るのに、本当にウチなんかが、彼女で良えんかなって、…」
この子、端々のイントネーションが関西弁なんだ。
それでウジウジしてる処まで、どっかの誰か(=忍ケ丘芽衣)とソックリだな、、
鴫野:「嫌なら、別れちゃえば良いんじゃないの?」
藤沢:「嫌じゃ無いんです。ちゃんと嬉しいんですけど、何て言うんか、…複雑で、難しいですね、」
こういう女子面倒臭え、って思う私は、…心狭いのだろうか?
鴫野:「うちの身内にも貴方みたいな子が居るわ。要するに怖いんでしょ。」
藤沢:「え?」
ワザと、一寸、意地悪を言ってみる。
鴫野:「何時か相手にしてもらえなくなるのが怖いから、今よりもっと踏み込めないんじゃ無いの?」
藤沢:「そう、なのかな。」
鴫野:「徒に傷口を広げるよりは、今の適当な距離感の心地良さを維持してた方が楽、とかね、」
藤沢:「それは、有るかも。」
年下の可愛らしい女子が、何だか尊敬の眼差し?驚きの眼差し?で私の事を、…見詰めている?
鴫野:「でも、解らないでも無いわね、男は何時でも自由気儘で性質が悪いから、女は何時迄も苦労が絶えないわよね。」
藤沢:「鴫野さんミタイナ超美人でも、…そうなんですか?」
えっ? …なんで私? 私、何か変な事、言ったっけ?
藤沢:「へえ、意外、鴫野さんでも、苦労するんやぁ、」
鴫野:「いや、だから、あくまでも身内の話よ、私は、恋愛なんて、…縁が無いから!」
再び私が、困惑する、全く何なんだ?この女子会な会話は!…柄でもない!柄でもない!
藤沢:「そうですよね、鴫野さんだと、スペック釣り合う人が居ないから、大変ですよね、」
鴫野:「え?私は、別に、…これ以上無い位ハードル低いわよ!」
って 私、一体何に予防線張ってんの?




