029大和武琉「不死身の男 その3」
次の瞬間!
人間の反射神経を超えて、大和武琉が、跳躍した!
一人目が、すれ違いざまに首を折られて、吹き飛ばされる!
二人目は、恐らく鳩尾から突かれて、内臓破裂!
三人目は、毟り折られた肋骨が、皮膚を突き破ってる!
四人目は、脇腹から掌底を擦りあげられて、脊髄損傷!
一撃ずつを、暴漢の急所に確実に極めて、…
それなのに動きが早すぎて、暴漢達の拳銃の照準は、間に合わない!
気が付くと、辺りに自分の足で立っている暴漢の姿は無く、
大和は、道路封鎖していた警官は襟首を、締め上げていた。
大和:「こいつも、畳んで良いのか?」
警官:『ひぃいい…』
背広男:「ミスター・ヤマト、そいつは我々が確保します。」
背広を羽織った若い白人が駆けつけて、警官に手錠をかける。
大和:「二、三人、逃げられたな。」
背広男:「十分です、協力感謝します。」
もう一人、背広を着た女が近づいてきて、葛葉の元に歩み寄る。
背広女:「葛葉毅さんですね、遅れてすみません。」
背広女は、スマホで身分証明のページを表示して葛葉に見せた。
どうやら、この連中は、先ほど緊急救援依頼で呼んだ、応援部隊らしい。
葛葉:「いや、助かった。彼女を見てやってくれ、怪我はしてないと思う。」
幼女が、地べたに座り込んだ三条の前にしゃがんで、顔を覗き込む。
サクラ(=幼女):「貴方、大丈夫?」
三条:「うん、…ありがとう。」
そういう三条の身体は、恐怖と緊張からの解放で、未だに震え続けている。 いつの間にか、半笑いしながらポロポロと涙を流していた。




