025葛葉毅「144000分の1の少女 その7」
ガバメント男(=男1):『What?(何?)』
それから葛葉は、一度大きく背伸びして身体を解し、不敵な笑みを浮かべながら、ガバメント男を、見下ろした。
葛葉:「お前達、…どうして日本語を使えない?」
ガバメント男:『Japan?日本がどうした?』
日本語を使えない時点で、どうやら、こいつらが「世界統一政府」の連中でない事は確からしい。 ならば、三条を、どうするつもりだ?
当然、三条を渡す訳にはいかない。此の娘の価値は、国一個分にも匹敵する。
しかし、7人の武装した敵を相手に、丸腰で、女を連れたままで、できる事と言ったら、…時間稼ぎ位か?
葛葉:『分かったよ、投降するとしよう。』
葛葉は、腰のホルスターからSIG-SAUER P226を取り外しながら、腕時計に付いた緊急救援依頼ボタンをセットする。
葛葉:『それで、お前達は彼女に雇われたボディガードなのか? さっきは、手荒な事をして済まなかったな。』
葛葉は拳銃から弾倉を取り外して、ガバメント男に拳銃を、手渡した。
ガバメント男は葛葉から拳銃を受け取って、今度は自分のホルスターからM1911A1を抜くと、葛葉の顔面に狙いを付ける。
ガバメント男:『別にボディガードじゃない。俺達もその娘を連れ出す機会を狙っていたって訳だ、…だからお前には感謝しているよ。』
葛葉は、三条から弾道を逸らす方向に、ダッシュ!
銃声:「「…タん!…」」
ガバメント男が一発目の銃弾を発射するのと、葛葉が急方向転換するのとはほぼ同時、その一瞬後には、葛葉の正面蹴りが男の股間を蹴りあげている!
ガバメント男:『ぐはぁ!』
次の瞬間、葛葉の隠し持っていた閃光弾(シャンゼリゼ通りで使った銀色のロケット型の小型爆弾、殺傷力は無い)が、炸裂!…暴漢連中の視界を奪う!




