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トリックスター(プロメテウスの火)  作者: ランプライト
第二章「ラスト・シャンゼリゼ」
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015藤沢明里「濡烏の髪の乙女 その2」

獲物を狙う飢えた野獣の視線? 好奇心? いや、私達を取り囲む(主に)男共の視線は、例えるならば、何気なく道端に落ちていた時価数百億円は下らなさそうなダイヤのネックレス、交差点の真ん中に突如出現した体長3mのベンガルトラ、すごく気になるけれど本当に近づいて手を伸ばしても良いものだろうか? そんな感じ、まさに「恐る恐る」な感じだった。


そりゃ、私はスペイン人のパパと日本人のママのハーフで、少しは胸にも自信は有る。仕事で付き合いの有るカメラマンには、何時も「明里ちゃん可愛いねぇ、」って言ってもらってたりする。…でも、こんな異常な現象を引き起こせる程飛び抜けている訳ではない。其れ位ちゃんと自覚している。


この不思議な現象の原因が、私の隣でさっきから不機嫌そうにスマホを弄っている私の連れの所為で有る事は、最早誰の目にも明らかだった。(だって、誰の目も私の事なんか見ちゃいない!)


瑠璃色がかった濡烏ぬれがらすの髪、芯の強そうな眼差し、華奢スレンダーで黄金比なスタイル。神の贔屓ひいきとしか思えない美貌。 そして どこか人の心を惹き付けて離さない不思議な匂いがする。


私だって連れじゃなかったら、こんな超美人の隣になんか並びたく無いよ〜!


この超美人の名前は「鴫野瑞穂しぎのみずほ」さん。 私の彼の検査を担当する科学者の一人らしい。 それにしても、こんなに綺麗でしかも頭も良いなんて、神様の天秤はどっか錆び付いてるんじゃ無かろうか!


藤沢:「何だか、さっき、凄い音しましたね。」

鴫野:「ふーん、そう?」


藤沢:「何だか、人、集まってきましたね。」

鴫野:「ふーん、そう?」


さっきからこの人、周りの状況には一切無関心で、まるで世の男子は全て「ゴミ屑」位にしか思っていない気配が、プンプンと匂って来る。


藤沢:「皆、鴫野さんの事が、気になってるみたいですね。」

鴫野:「へえ、そうなの?」


彼女は、スマホの方を向いた侭、気の抜けた生返事を返す。


藤沢:「でも本当、鴫野さんって綺麗ですよね。…今度、写真撮らせてもらえないですか?」


彼女は、ほんのちょっとだけ私の方に顔を向けて、苦笑いする。


鴫野:「ごめん、そう言うのやらない事にしてるんだ。」


女の私が思わず赤面してしまう位、明らかに常軌を逸して、…綺麗だ。

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