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トリックスター(プロメテウスの火)  作者: ランプライト
第XIV章「セトルメント」
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128 葛葉 毅:「大逆転 その1」

ミリアム:「全く、腹立つわね!」


真っ赤な顔で作戦室代わりのテントに戻って来るミリアム、中には葛葉と、数名の下士官以外、皆、出払っているらしい。



葛葉:「ミリアム、大丈夫そうか?」


ミリアム:「大丈夫な訳無いじゃん、何ヶ月も会えないのよ、毅はそんなに長い間私に会えなくても平気な訳?」


凄い剣幕で詰め寄るミリアムに、押され気味でたじろぐ葛葉、



葛葉:「作戦行動だから、仕方が無いだろう。」


ミリアム:「毅、アンタその間に浮気とかするんじゃないでしょうね?」


葛葉:「一体どうしたんだ、」


ミリアム:「大体男なんて、アニメでも漫画でも、ドラマとか設定の深さよりもキャラの可愛さとかエロさにしか興味ないんだから、…要するに女なんて欲望を満たす道具くらいにしか考えてないんでしょう?」


時々ミリアムとの会話に、深い溝を感じてしまう葛葉だが、…



葛葉:「それは、ちょっと穿ったモノの見方だな、少なくとも私には、そう言う「特殊」な価値観は、理解出来なさそうだ。」


ミリアム:「どうだか! 星田翔五なんて見て見なさいよ、自分の聖霊だけでも5人もはべらせて、その癖、あの万里とか言う女までホテルの部屋に連れ込んでるんだから、…」


まあ、仮にそれが真実だったとして(聖霊は嘘を吐かないので真実なのだが)、男と女には、色々有るのだろう、…



葛葉:「ミリアム、少し落ち着くんだ、二人の関係にどうこう口出しするのは止めた方が良い。 我々には、彼らにどんな事情があるのかは、判らないのだから。」


ミリアム:「そんなの頭ん中爛れた事情って言うか情事しか興味無いに決まってる!…その癖、口では偉そうな事言うんだから大人って汚い、…あの瑞穂とか言うおばさんに言いつけて来てやろうか、」



瑞穂:「聞こえてるわよ、声大きい、…わざとでしょ。」


サクラやカイト達が仮眠をとっている隣のテントから、鴫野瑞穂が出て来て、…


ミリアム:「あら、聞いてたの? 気付きませんでした。」



スピーカー:「ミリアム・ヴァリ、葛葉毅、至急司令室(用テント)まで集合せよ、…(もう一回繰り返し、)」


間もなく冬眠カプセルが到着するらしい、…ミリアムに招集が掛かる。


ミリアム:「あんた、涼しい顔してるけど、本当は悔しいくせに、なんで我慢してる訳? もしかして「聖霊は男の欲望を満たす道具に過ぎない」から?…なのかしら?」


それなのにミリアムは、招集を無視して瑞穂に突っかかる。



瑞穂:「ギャーギャー吠えてんじゃないわよ、…あの二人は特別なの。アンタの知らない事情が有るのよ。」


ミリアム:「そんなの、一生、判りたくも無いわ。」


葛葉:「ミリアム、招集だ、…行くぞ。」


ミリアム:「いや!」


ミリアムは、全身を震わせる様にして、叫び声を上げた。


まるで駄々っ子の様なミリアムの振舞に、一同、言葉を忘れて、呆然と立ち尽くす。



ミリアム:「どうしてだかなんて判んない、でも、どうしても嫌なの!」


葛葉:「ミリアム、頼む、…人類の未来が、掛かっているんだ。」


ミリアム:「そんなの、いい、どうでも!」


何時の間にか、ミリアムは目を瞑ったまま、泣いている? 



ミリアム:「もしも毅に、…何か有ったら、…どうするのよ!、どうすれば良いのよ!」


ミリアム:「私、また一人っきりになるのは、もう嫌!」





少佐:「何をしているかと思えば、やはりそう言う事か、…葛葉伍長、貴様の取った軽率な行動がどれ程重大なミスか、これでハッキリしただろう。」


小銃を構えた数名の部下と共に、髭の少佐がテントの入口に立って、一同を値踏みする。


少佐:「もう、ミリアムは使い物にならん、」


髭の少佐は、ツカツカとミリアムと葛葉の間に割って入って、…



少佐:「ミリアム、お前が作戦参加拒否、敵前逃亡すると言うのなら、葛葉は軍法会議に掛けられて、相応の罰を受ける事になる。…言っている意味は、判るな。」


少佐:「最後にもう一度だけチャンスをやろう。 ここでの戯れ言は、聞かなかった事にしてやる、1分以内に準備すれば良し、さも無ければ、葛葉の身柄を拘束する。」


辛い表情で顔を見合わせるミリアムと、葛葉、

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