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トリックスター(プロメテウスの火)  作者: ランプライト
第XIII章「ナイトメア・オブ・ザ・デビル」
125/135

125 葛葉 毅:「攻撃目標 その2」

少し離れた救護用テントから、忍ケ丘芽衣が出てくる。


芽衣:「他に具合悪いとこ有ったら、遠慮せんと言うてな、」


ミリアム:「ありがとう、芽衣さん。」


ミリアムは戸口まで芽衣を見送って、軽く手を振る、…それからテントの中に戻って、


上半身裸でベッドに俯く、葛葉の隣に、腰を下ろした。



葛葉は、黙ったまま、芽衣に治療してもらった胸の傷の具合を確かめている。



ミリアム:「毅、気にしなくて良いって、アンタは結構ちゃんとやってると思うよ。」


ミリアムは、恐る恐る葛葉に声を掛ける、…葛葉は此処に辿り着いてからコッチ、一言も口を利いていなかった。



ミリアム:「大体、心が疲れている時に頑張れって言うのは間違ってるのよ、だからおばさん達は駄目だって言うの、」


ミリアム、恐る恐る俯いた葛葉の顔を、…覗き込む。


葛葉は、情けなさそうな申し訳なさそうな表情で、…それから、ミリアムから、目を逸らして、…



葛葉:「ミリアム、お前に謝らなきゃならない事が有る、…」


漸く、意を決した様に、息を吐いた。



葛葉:「すまない、私は、本当にお前の事を愛しているのか、正直自分でも、解らないんだ。」


葛葉:「それなのにお前と「輩の契約」を結んだのは、…きっと私は、お前の「聖霊の力」が欲しかっただけなのだと、…思う。」


葛葉:「償えるなら、何でもする。 …赦してくれって言っても、もう手遅れだナ。」


ミリアム、ジト目で葛葉の事を睨み付けて、…



ミリアム:「今更そんな事言うな、…って言うか、解ってたわよ、」


ミリアム:「アンタみたいな格好いい男が、私ミタイナ子供なんか相手にする訳無いって、…」



葛葉:「俺は、そんな大した男じゃない。 少しも格好良くなんかないさ、ふりをしていた、我慢してきただけで、ちょっと仮面を剥がされれば、中身はこんなにも臆病だ、」


ミリアム:「まあ、そうだね、でも、今さら逃がさないわよ、アンタが嫌だって言ったって、私はアンタに取り憑いて行くからね、」


葛葉は、情けなさそうな申し訳なさそうな表情で、…それから、ミリアムの事を、じっと見つめる、…



葛葉:「俺を赦してくれるのか?」


ミリアム:「さあね、これからの行い次第じゃない?」


ミリアム:「言っとくけど、他に女なんか作ったら許さないからね、私は星田翔五の聖霊みたいに甘くないんだから、」


ミリアム、思わず照れ隠しに憎まれ口を言って、プレッシャに耐えきれなくなって、葛葉から目を逸らす、



ミリアム:「その代わり、私がアンタの事を幸せにしてあげる、…アンタが死ぬまで私がアンタを守る、世界中を敵に回しても、絶対に、だから、…毅は大丈夫、」


そう言って、ミリアムは葛葉に凭れ掛かって、体重を預けた。



葛葉:「ありがとう、」


葛葉は、ミリアムの柔らかな身体に腕を回して、包み込む様に抱きしめて、…


ミリアム、真っ赤になりながら、


ミリアム:「意外に甘えん坊だナァ、…まあ、ギャップ萌えって言うのも悪くないかもネ、」



それから、恐る恐る、恥ずかしそうな葛葉の顔を覗き込んで、…


ミリアム:「じゃあ、取り敢えず、…やっとく?」


葛葉:「何を?…だ?」


葛葉、柄にもなく顔を赤らめて、…一寸動揺を隠しきれない。



ミリアム:「その、ほら、お互いに未練を残したまま出撃とかさ、ガチ死亡フラグじゃん、」


ミリアム:「さっきのが偽物の誓いだってんなら、今度こそちゃんと、誓ってよ、…」




ミリアム:「私の事、大切にするって、」



二人は、照れくさくてお互いの顔も見れないまま、…



キスをした。



ミリアム:「もう一回、…」

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