124 星田翔五:「攻撃目標 その1」
パリのオスマン通りには、いつの間にか世界統一政府の残存部隊が集結して、間に合わせの作戦本部が設営されていた。
時刻は朝の4時、もうそろそろ喜多見の予言した日の出を迎える時分である。
翔五と万里は、テントの一つを陣取って、不味いコーヒーで眠気を紛らわせながら作戦会議中、
瑞穂:「あの子、相当参ってるみたいよ、休ませた方が良いんじゃない?」
瑞穂は北極海での顛末を報告した後、翔五から飲みかけのコーヒーを奪い取って、ぼそりと呟いた。
翔五:「そうか?」
アリアはと言うと、テントの隅の簡易ベッドで寝息を立てている。…とは言っても仮眠を取っている訳では無く、幽体離脱?状態で「世界の管理室」に戻って、ヨグ=ソトースによる時空改変に対抗するプログラムを構築中、
朋花は、パイプ椅子にもたれながら、こっちはホントに寝落ち、…涎は何とかした方が良いかと思われるが、、、
涼子は、…楓を失って不安に押し潰されそうな茜の膝の上で、…抱き枕?と化していた。
翔五:「大丈夫だろ、必要なのは役にたってるって自信を持たせてやる事だよ、下手に降ろしたりすると、かえって自己嫌悪して傷が深くなると思うよ、経験上、」
万里:「誰でもお前みたいに油挿して飴舐めさせときゃ機嫌よく働くって訳にはいかねえんだよ、」
万里は、新しい電動義手をクリーニングしながら、神経信号とのキャリブレーションを取っている、
翔五:「何だよ万里まで、…やけにイケメンには優しいじゃないか?」
万里:「知らなかったのか? 俺は大抵の男には優しいんだよ、お前にだけ優しくしない、」
翔五:「大体飴って何だよ、そんなのもらった覚えないぞ、」
瑞穂、口をトンガラカセながら、…ジロリと翔五を睨む?
瑞穂:「それで、此れからどうするの? 悪魔の夢の中で起動している仕掛けなんてどうやって止める訳?」
翔五:「不可能だろうな、」
万里:「喜多見みたいにおびき出せないのか?」
翔五:「流石に同じ手には引っかからないだろう。」
瑞穂:「それじゃあ、やっぱり「こっち」を叩くしかないって事?」
一同は、ラップトップのスクリーンに映し出された「人工衛星からの映像」を眺めて、…深い溜息、




