012藤森楓「真昼×略奪」
チラリと、茜の方を一瞥するイケメンを囲む様に、今度は背広組が登場、何の躊躇も無く取り出したテイザー銃X26Pを発射する! 挟み撃ちで2発!
イケメンは腹に突き刺さったプローブ(ワイヤー針)を、予めの動作で払い抜き、…一瞬のダッシュで背広との距離を詰めて、その鳩尾に、空手の中段突き! 振り返り様に、もう一人の背広に飛び掛かってもう一発中段突き!
残るもう一人の背広がテイザー発射!…するも、紙一重で躱して、そのまま、茜達の方へ突進する!
キャサリン:『サンジョウ!…早く!』
キャサリンに向って伸ばしかけた茜の手を、…イケメンが引っ掴んで!
まるでスローモーションの様に、茜のフワフワカールな長髪が揺れて、…
イケメン:「来るんだ!」/三条:「えっ?」
あっと言う間に、茜はイケメンに、…連れ去られる!
ボディガード:『逃がすな!』
シャンゼリゼ通りの雑踏を、コンコルド広場に向って疾走する二人!
動けるボディガードが、一斉に跡を追う!
藤森:「あかね!」
なんで、ちょっと駆け落ちミタイに、…なってんだ??
掌サイズの銀のロケットが、歩道を跳ねて、…
次の瞬間!…後を追って来たボディガードの手前で、…
閃光:「「!…… !!ぱーん!! ……!」」
強か、耳を劈く破裂音が鳴り響き! マグネシウム・フラッシュの様に眩い閃光が、辺り一面を、…包み込む!
薬品の燃えるキナ臭い匂いと、大量の煙、そして視界を塗りつぶす光の残像…
ボディガード:『くそっ! 何なんだ一体!』
歩道には、豆鉄砲喰らった鳩ミタイに身動きを封じられた観光客が道を塞ぎ、既に茜達の姿は、何処にも、…見当たらない。




