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トリックスター(プロメテウスの火)  作者: ランプライト
第XII章「カウンター・アタック」
114/135

114 願いを叶えるモノ:「奇襲 その4」

翔五:「芽衣!」


続いて出現した「青い魔法陣」から、木の聖霊「青龍」が実体化!


翔五:「その子を、頼む。」


芽衣、深い溜息、…



芽衣:「翔五、流石に無理や、これはホンマの、抜け殻や、」


翔五:「ほんの少しの間だけで良いんだ、命を繋げないか?」


芽衣、自信なさげに頷いて、…


芽衣:「やってみよか、」



芽衣が、茜が抱きしめる「藤森楓」の「抜け殻」に触れると、…


するとそれは、次第にがさがさに乾いて、見る見る内に風化して、ぼろぼろに砕けて、…その中から、小さな、…ヒヤシンスの球根が、姿を見せた。



茜:「こ、れ、…は?」


芽衣:「さっきの女の子、まだ、微かやけど、生きてる。」



それから芽衣は、ビール瓶を拾って、アスファルトで砕き、…


行成り、自分の下腹に、砕いたばかりのガラスの生のエッジを、…滑らせた!


芽衣の下腹から溢れ出す容赦ない出血は、明らかにその傷が内臓に迄届いている事を示している。


それなのに、芽衣は、顔色一つ変える事無く、テキパキと手順を踏んで、自らの傷口の奥深くへと、そのヒヤシンスの球根を、…埋め込んでいく。


そして不思議な事に、確かに有った筈の下腹の傷痕は、あっと言う間に、跡形も無く消失して、…


翔五:「もしかして、俺の事もそうやって再生したの?」


芽衣:「それは、…企業秘密や、」


トランジスタ・グラマーなボディの眼鏡少女?が、一寸ちょっと困った風な顔で、上目遣いに翔五を見詰めて、苦笑いする、



茜:「なにを、したの? …かえで、は? どこ?」


茜が、パニック状態になって、芽衣に縋り付く、


芽衣:「ちょお、落ち着き、…」



藤森楓は数ヶ月前に「悪魔」と契約を結び、その肉体を乗っ取られかけていた、…すんでの所で「関目亨」による呪文の施術により、「悪魔」化の進行は止められた筈だったが(注、イーヴィル・アイ、エピソード031)、「悪魔」は楓の体内で、少しずつ、気付かれない様に力を蓄え、「本体」の復活の機会を伺い続けたのだ。


ヒエログラフの呪術に護られた皮膚を除き、既に内側から肉体の殆どを食い尽くされていた楓だが、死の直前迄、彼女自身は「悪魔」の寄生に実感は無く、その意識は元の藤森楓のままだったと思われる。


忍ケ丘芽衣は、唯一残された藤森楓の残骸である「皮膚」から、「人間」の記憶をヒヤシンスの球根の形に集結し、自らの子宮の中で「人間」の再生を試みた、と言うのがアラマシである、が、…幾ら「生命」を弄ぶ「忍ケ丘芽衣」と言えども、死んだ人間の再生は「ルール」に反する行為であり、かなり成功率の低い賭けである事に、変わりは無かった。







翔五は、続いて京橋朋花を召喚、


赤い魔法陣から、炎の聖霊「朱雀」が出現する、


翔五:「上手くいった?」


朋花:「多分、」


朋花、ちょっと不安そうな、苦笑い、…



そこへ片腕の野良猫女ワイルドキャットが近づいてくる、


万里:「首尾よく「発信機」は、仕掛けられたのか?」


翔五:「多分、」


翔五、ちょっと不安そうな、苦笑い、…

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