表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トリックスター(プロメテウスの火)  作者: ランプライト
第XII章「カウンター・アタック」
111/135

111 願いを叶えるモノ:「奇襲 その1」

再び、パリ、オスマン通り、


西の空を、巨大なアンモナイトにも似た、邪悪の影が埋め尽くしていく、が、…やがて一瞬の内にそれはまるで飴ガラスの様に、紫色の光の欠片に砕けて、空に溶けて、…消失した。


楓:「すごい、今の、見た?」

茜:「綺麗、ですね…、」


どっかから持ち出してきたテーブルとイスで、即席のオープンカフェを拵えて、異様な超常天体ショーを見上げる楓と茜、


テーブルの対面に座って、涼子がジュースを飲んでいる。



翔五は少し離れたテーブルで、ビールをちびりながら、そんな楓達の様子をじっと、…眺めていた。


翔五の対面では、明里とサクラが赤ん坊になった武琉の面倒を見ている。




背広女達の亡骸を建物の中に運び込んでいた朋花が、…半分崩れかけたレストランから数本のビール瓶を抱えて、出て来た。


朋花:「翔五クン、ビールのおかわりと、チーズも見つけたわよ、」


翔五:「サンキュ、…」



朋花は翔五の隣にピッタリ寄り添って腰掛けて、クローネンバーグの栓を開ける。


朋花:「一応パリに居たアバドンは全部焼却処分したけど、30000人位かな、テレビの映像とかでパリの外へ拡散したのが居たら、ちょっとわかんないね、」


翔五:「まあそれは、…仕方ないな。」



真っ赤なドレスの大きく開いた胸元から、形の良い白い乳房の深い谷間が覗いているのが、…どうしたって見えてしまう訳で、


翔五:「なんで、そんな格好なの?」


朋花:「あら、好みじゃなかった?」




やがて事態が沈静化したと思ったのか、ちらほらと街の様子を見に出てくる住民達、


ライフラインの復旧は全く目処が立たないらしく、街は依然として闇に包まれた侭だった。


それなのにこの辺りだけ明るいのは、明らかに不審な「鬼火」の街灯のお陰である、



翔五:「涼子、悪い、このビール冷やしてくれる?」


涼子:「翔五、飲みすぎ、」


確かに、テーブルの足元には、既に10本以上の空き瓶が転がっている


涼子は、ジト目で睨みながら、翔五の下へトボトボと歩き出す、


茜:「涼子御姉様ったら、…あんな顔もするんですね、」



そして、…


楓:「痛、…」


楓が、下腹を抑えて、うずくまり、


茜:「御姉様、どうかしたんですか?」



涼子が茜から離れたその一瞬を狙って、…


ぽたぽたと、楓のジーンズを、無自覚の失禁が濡らしていく、


そして、楓の全身が、輝き出し!


突然!蒼い蛍光のヒエログラフが、その皮膚に浮かび上がった!


茜:「御姉様!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ