108 葛葉 毅:「ボーイ・ミーツ・ガール その7」
ミリアム:「毅!何話してるのか私にも教えてよ!」
とうとう、二人の会話に付いて行けなくなったミリアムが、立ち上がってテーブルをぶっ叩いた!
葛葉:「彼女に、作戦への協力を申し出た、…まあ、当然拒否された訳だが、…」
ミリアム:「作戦って、アバドンを消滅させちゃうって事?喋っちゃったの?」
冷静に考えて、本人にそんな事を頼むなんて、やはり自分はどこか頭のネジが緩んでいるのでは無いかと疑い始める、葛葉毅、…
そもそも、こう言う浪花節な攻め方は、葛葉の流儀ではないはず、元々どちらかと言えば、論理的に、ゲーム理論的に、ランチェスター的に、孫子の兵法的に、敵の出方を予測して、先回りするのが、自分のスタイルだった筈、なのに、…
余りにも色々有り過ぎて、頭が短絡思考になっているのか、それとも、負傷した胸の痛みの所為なのか、暫し黙り込む、葛葉毅、…
ミリアム:「大丈夫?」
ふと、自分の事を心配そうに覗き込むツインテールの少女の眼差しに、…
胸の傷が、疼く、…
葛葉:「…大丈夫だ、」
一体!何が、自分に起きているんだ?
カティアは、溜息を吐いて、…
カティア:『それに、その義手の中には、「トルコ石の蛇」は入っていないよ。』
葛葉は、再び驚いて、カティアの顔を、…凝視する。
葛葉:『何故、その事を、…知っている?』
カティア:『君達が来る前に、「万里」から連絡が有ったんだ。』
「万里」とは恐らく、世界統一政府最高幹部の一人「濱平万里」の事かと思われるが、…
葛葉:『一体、どう言う事だ?』
カティア:『彼女は「テレパシー」で僕達と交信出来るんだ。 それ、開けてご覧、』
そう言えば、そう言う噂?を聞いた事が有る。(注、サミシタガリヤ4、エピソード46)、それに「聖霊」は嘘を吐けない、だとすれば、此の女の言っている事は、恐らく正しい。
葛葉は、半信半疑で、持っていた万里の義手の、肘関節に繋がる連結部分の内側に有る、展開スイッチを、操作した。
義手の、手首が関節部から外れて、上腕部が、左右に、割れる、
そうして中から出て来たのは、…
一枚の紙切れ?
紙切れ:「ハズレ!」
ミリアム:「何なのよ、ハズレって!」
葛葉:『なら、どうして星田さんは、俺達を此処へ、寄越したんだ?』
彼は、トルコ石の蛇でアバドンの本体を消滅させてくれと、葛葉に頼んだのだ。
カティア:『まあ、星田さんにはソレなりの理由があったんじゃないの? ほら、敵を欺くには先ず味方から、って言うじゃない。 陽動作戦とか、だまし討ちとか、彼の得意技だよね、」
葛葉:『彼を、知っているのか?』
カティア:『うん、お茶のみ友達、』
葛葉:『お茶?』
カティア:『それと万里から伝言が預かってる、…』
葛葉:『伝言?』
カティア:『宇宙で「濡れ烏の髪の女」と合流して、北極圏へ向えって、』
ミリアム:「ねえ、何喋ってんの? 教えてってば!」
葛葉:『宇宙って、どの宇宙、…?』
余りにもざっくり過ぎて、…
葛葉、溜息、…
カティア:『お疲れミタイだね、…「カフェイン錠」飲む?』




