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トリックスター(プロメテウスの火)  作者: ランプライト
第XII章「カウンター・アタック」
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107 葛葉 毅:「ボーイ・ミーツ・ガール その6」

葛葉は、毒気を抜かれて、構えていたナイフを下ろす、


葛葉:『本当にお前が、アバドンの、本体なのか?』


カティア:『そう、僕がアバドンの本体、…ねえ、お茶でも飲む?』


カティアは、まるで知り合いをもてなす様な気安さで、葛葉に背中を向けたまま、お茶の用意を始めた。



葛葉:『何が狙いなんだ? 何故、私達を助けた?』


カティア:『普通、困ってる人が居たら助けない? 僕はそうするけどな。…お砂糖は要る?』


葛葉:『お前は、敵ではないのか?』


カティア:『本当に失礼な人だナ、君は、…そんなんじゃ友達出来ないぞ。』


カティアはポットにお湯を湧かして、それからテーブルにクロスを展げる。


カティア:『どうぞ、座って、…』




葛葉:『もしも敵意が無いのなら、頼む、直ぐに、街で暴れているアバドンを止めてくれ。』


カティア:『ゴメン、それは僕にも出来ないんだ。やり方わかんない、色々試したんだけど、』



ミリアム:「ねえ、毅、何を話しているの?」


ミリアムは基本日本語と、母国語のクロアチア語、イタリア語しか喋れない、が、この状況をどう伝えればいい?


葛葉:「この女が、アバドンの本体、らしい。」


ミリアム:「え?」


カティア:『クッキー食べる?』


カティアは奥の食器棚から、缶入りのクッキーを持ち出して来て、…


カティア:『本当、お客さんが来たのって何年ぶりだろう?』




葛葉:『このままではパリはおろか、フランス、直ぐに世界中がアバドンの化け物に覆われてしまうんだ、』


カティア:『困ったね、』


葛葉:『つまり君は、こういう事態にならない様に、此処に閉じこもっていたと、…そういう事なのか。』


カティア:『まあ、お蔭で生活には不自由しないしね、働かなくても良いし。』



ミリアム:「ねえ、なんて言ってるの?」


葛葉:「この女は、もともと敵ではないと、いう事だ。」


だからと言って、事態を収拾する為に、やるべき事は、変わらない。



葛葉:『カティア、一つ、頼みたい事が有るんだ。 協力してもらえるか?』


カティア:『まあ、良いけど、何?』


葛葉:『ここに、君を「消滅させる事が出来る武器」が有る、それで君を「消滅」させて欲しい、そうすればバケモノを止められるかも知れない、』



カティア:『本当に君は失礼な客だなあ、久し振りの客じゃなきゃ、とっくに毒ガスまみれの外に追い出してる処だぞ、そんなの嫌に決まってるじゃないか。』


葛葉:『まあ、そうだが、他に人類を救う方法が思いつかない。…なんなら代償に、私の命を差し出しても構わない。』


ミリアム:「ねえ、何話してるのよ!」


葛葉:『君だって、ヒトを傷つけない為に、こんな所に籠っているのだろう?』


カティア:『だからって、死ぬのが怖くない人なんていないよ。そんな、女子に告白するミタイなノリで「死んでくれないか」なんて、君、どっか頭のねじが外れてるんじゃないの?』

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