表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トリックスター(プロメテウスの火)  作者: ランプライト
第XII章「カウンター・アタック」
106/135

106 葛葉 毅:「ボーイ・ミーツ・ガール その5」

ハッチを固く閉じたドームの内側は、温かなオレンジ間接照明の、小洒落た洞窟住居だった。


緩やかで継ぎ目のない室内、幾つかの凹みの様な小部屋には、時代物の調度品が行儀よく並べられている。



大女:『いやぁ、危なかったね。』 (注、『』は英会話)


女は、凡そ身長2mに達しようかと言う痩せの大柄で、まるで病院でレントゲンを撮る時に着せられるような淡いグリーンのスモックを被っている。 肩に届くか届かないかの髪は所々ブロンドも混じった赤毛、おっとりした感じの表情、但し、左目に眼医者で使うような医療用の眼帯をしていた。


見た所、危険や敵意は無さそうだが、何故、こんな所に住んでいる? 何故、葛葉達を助けた?


ミリアムは、葛葉の後ろに隠れて警戒する。



葛葉:『まずは礼を言う、助けてくれて、ありがとう。』


葛葉:『それで、君は一体、何者なんだ?』


大女:『それはちょっと変だなぁ、行き成り僕の家に転がり込んで来た珍入者は、君達の方じゃないか、…まあ、ほっとく訳にもいかなかったけどさ。』


大女は、少し憤慨したように眉間にしわを寄せて、両手の人差し指を、ツンツン押し付ける仕草?



葛葉:『確かにそうだな、悪かった。 私は葛葉毅、こっちはミリアム・ヴァリだ。』


大女:『初めまして、僕の名前はカティア、皆は僕の事「アバドン」って呼んでるけどね。』





葛葉、一瞬の内に戦闘態勢! ミリアムの盾になって、…こんな物で歯が立つ訳が無いと解っていながら、ゼロトレランスのタクティカルナイフを、身構える!



大女:『酷いなあ、どう見てもお客さんの態度じゃないよね、君達。…まあ、今放り出す訳にもいかないけどさ。』


大女は、少し憤慨したように眉間にしわを寄せて、両手の人差し指を、ツンツン押し付ける仕草?



葛葉:『今、何と言った? お前が、…アバドン?』


カティア:『僕の名前はカティア!…アバドンは外の皆が勝手にそう呼んでるだけだよ。』


それにしても、このおっとりした女が、あの大厄災の「アバドン」と関係があるとは、到底、信じられない。



葛葉:『お前は、どうして、こんな所にいるんだ?』


ここは、警戒厳重な武装施設の地下、だったはず。

しかも周りは、接近を阻む為の各種殺人設備で守られている。



カティア:『僕だって好きでいる訳じゃ無いけどね、ちょっと、僕の身体上の問題って奴かな、…皆と離れていた方が良いみたいなんだ、残念だけど。』


葛葉:『それは、お前を見るだけで感染する、「聖霊」の力の事か。』


カティア:『君は本当に失礼だな、…左目だけだよ、そう僕の左目を見ると、みんなお化けになっちゃう。 口から飛蝗とか噴き出したりしてね。 君も見たんでしょ、パリで。』



葛葉:『パリで起きた事を、知っているのか?』


カティア:『そう、僕は、抜き取られた目玉が見ているモノを、見る事が出来るんだ。 だから、外で君達が危険な目に遭っている事も分かったって訳。』


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ