010藤森楓「謎×イケメン」
その時、キャサリンの耳に付けたイヤフォンに何か連絡が入った。
キャサリン:『…OK、サポートする。』(注、『』は仏会話)
藤森:「どうしたの?」
キャサリン:「怪しい日本人の男が生徒達をチェックしている。」
藤森:「ナンパ? 遥々パリまで来て日本人が日本人をナンパなの??」
キャサリン:「難波?…なんでも良いけど、後10m接近するから出来るだけ気付かれない様に注意してよ。」
街路樹の陰からこっそりと覗くと、ルノーのディーラーの前に立って、ハーゲンダッツの店から出て来た茜達の事をじとーっと物色している男が一人。
身長は190cm位?がっちりした体格。結構イケメンだな。
キャサリン:「…此処で待っていて、」
仲間の日本人のおばさんが、通行人を演じてイケメンに接近を試みる。
キャサリンがその3m後ろに控える、…
おばさん:「ちょっとお兄さん日本人やろ、悪いんやけど道教えてくれへんかな~、お姉さん迷ってもうてん、」
イケメン:「すまない、他を当たってくれるか、…」
イケメンは、当然おばさんには見向きもせずに、…スルー、
おばさん:「えー、つれないなあ、おんなじ日本人同士やんか、ちょっとくらいお礼するから。」
イケメン、おばさんを躱して、意を決した様に一気に茜に近づいて行く!
事態を察した力技担当のガタイのデカい白人と黒人がイケメンの前方を塞ぐ。
ボディガード1:『兄さん、一寸話があるんだが、おとなしく、…』
と、アメフトかホッケー選手みたいなごつい腕で掴み掛かるが、イケメンは、…びくともしない? そして逆に、ごつい身体ごと、…ひっくり返された!
ボディガード1:『シット!』
ボディガード2:『ジュージュツ?』




