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図書委員さんの恋5

 それから季節は代わり、冬。息を吐くと、外の寒さを現すような白い息。

 相変わらず、紗香の知識の妖精に対する想いは恋なのか、恋に酷似している友愛感情なのか、彼女の中で感情を整理出来てはいなかった。

 だから、紗香は聞いてみる事にした。……確かに知識の妖精は、紗香にとって友人の中でも一番に大切に思っている人なのは彼女も分かっている。

 たくさんの感情を彼女に教えてくれた元彼に、恋人はまだ出来ていないけど、電話をかけてみようと思った紗香は元彼の名前を探し出し、携帯を耳に当て、コール音を聞く。


 コール音が二回聞こえた時、……プチっと電話が繋がった音と同時に懐かしい、心が思わず落ち着くな優しくて、柔らかい元彼の声が聞こえて、紗香は彼と付き合っていた時とは違う違和感を少しだけ感じた。

 前では、彼に繋がる度に友人に構われる程に頬を緩ませていたのに……。

 今の紗香の頬は、表情筋が動くような感覚は感じなかった。


『紗香、だよね?』

 と、電話越しで聞こえる元彼の声を聞いて、紗香が今まで彼に抱いていた感情は、兄弟愛だったのだと初めて彼女は自覚する事が出来た。

 そして知識の妖精に感じているこの感情は……、恋だと言うことが初めて彼女の中で実感した。

 そして紗香は、思わず通りすがりの人達が同性異性関係なく、二度見するような綺麗な微笑みを浮かべながら、彼女は難問が解けた後のようなスッキリとした声でこう言う。


『…………好きな人が出来たの。今ね、自覚したの。今から告白してくる!』

 と、紗香が言うと、

『頑張っておいで、紗香。いってらっしゃい。大丈夫、自信を持って!』

 そう柔らかく、優しい心が落ち着くような声で、紗香の元彼は紗香の告白の応援した。……そんな言葉に紗香は返事をしようとした瞬間、電話先から元彼の友人の声が聞こえてきて、思わず彼女は笑ってしまった。


『あっれー? 彼女ー、居ないって言ってたのに居たのー? 僕、聞いてないよー。れーくんの親友なのにぃー、れーくんのいけずぅ!』

『元カノ!わざわざ言う必要ないでしょ』

『あーるーのー!!』

『あーはいはい、わかりました!今度は言うから、今は静かにしてて!……ごめんね、紗香。うるさくて、これ以上電話しているとコイツがうるさいから、告白したらかけ直してね』

『あっ、さやちゃーん。今度一緒に遊ぼうね!電話、邪魔しちゃってごめんね!またねぇ〜〜!!』

『あ!何、遊ぶ約束取り付けてんの、お前!何、電話切ろうとしてんだ……ッ!』

 と、嵐が過ぎ去ったような会話にしばらく呆然としたがら、ツーツーと電話の切れた音を聞いていた。

 そのあと、紗香には自然と笑みが溢れていて、笑い声をあげないように感情を抑えるのに必死だった。


 告白をすると決心した後、……元彼ってばれーくんって呼ばれてるんだと考えた後、まるで嵐のような元彼の親友に会うのが楽しみにだなと考えながら、紗香は高校へと登校するのだった。



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