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図書委員さんの恋2

 昨日、水曜日と木曜日担当の紗香でも、初めて見た男子生徒の言う通り、紗香は人通りの多い、通学路として利用しているいつもの道よりも遠回りになるものの、安全そうな道を選んで家まで帰った。

 朝、ニュースを何気なく見ていると、いつも通学路として利用している道で、女子高生が痴漢の被害にあったらしいと、報道していて紗香は、思わず箸を落としてしまった。

「あらー? 紗香は、昨日委員の仕事をしてて、遅かったわよね? どうやって帰ってきたの?」

 と、紗香の母親は不思議そうに彼女に訪ねると、紗香は素直にこう答えた。


「……常連さんじゃない男子生徒に、仕事が残っていて送れないから、安全そうな道を選んで家まで帰れよって言われて、夜遅かったから素直に彼の忠告を聞いて、人通りの多い道を選んで少しだけ遠回りをして帰って来たの……」

 そう紗香は言葉にすると、彼女の母親は「まあ!」とそう言って、紗香の表情をチラチラと見ながら、ニコニコと上機嫌そうに紗香の母親は微笑みを浮かべた後、彼女の母親は紗香に聞こえないように、独り言を呟いた。


「ニュースの子も被害にはあわなかったみたいだし、犯人は捕まった。……まさかね? 私ってば考えすぎかしら」


◇◆◇◆


 紗香はしばらく、昨日帰ってきた通りの道で通えと彼女は母親にそう言われたので、紗香は今週の当番が終わった事に安堵を感じつつ、彼女は制服のポケットを探っていると、携帯を忘れてしまった事に気付いてしまった。

 携帯には個人情報が入ってる。だから、彼女は慌てて高校へと戻り、職員室で先生に事情を説明した後、図書室へと慌てて向かうと……、図書室の窓から入る月明かりを浴びる、昨日の不思議な男子生徒の姿。


 だが、男子生徒の背中には……。

 まるで水晶のように、透き通った羽根。

 男子生徒は、まるで紗香が来ることがわかっていたかのように、自然な動作で紗香の方へと振り返り、にこりと慈愛の込もった微笑みを浮かべた後、彼はこう言った。


「お嬢さん一人の夜のお出掛けは危ないよ。さあ、忘れ物を持ったら直ぐに、家へとお帰りなさい」

 と、男子生徒はそう優しく、厳しい声で言い聞かせるようにそう言った後、再びにっこりと微笑みを深めながら、紗香に近付いてきて彼女の額に、見惚れてしまう位に美しい動作で男子生徒はキスをした。


「かと言って、か弱き少女を一人で帰すのは不安だ。だが、俺はまだこの場を離れる事が出来ない。……君がこの事を忘れない限り、俺は君の事を守るよ。だから、安心して家へとお帰りなさい」

 と、男子生徒は言う。

 紗香は彼に見惚れていた事に気付き、何とも言えない恥ずかしさを感じ、声を出さずに頷いた。

 そんな紗香に男子生徒はクスリと笑い、

「俺は知識の妖精。

一応、番人もやってるから弱くはないから、安心して守られててね? まあ、そんな事態が起こらない方が良いのだけど」

 と、彼は言った後、紗香の頭を撫でた。

 別の人に頭を撫でられても何とも感じなかったのに、彼に頭を撫でられると、心がポカポカするのは何でだろう……? と、彼女は考えながら図書室の鍵を返すために、職員室へと足を向かわせるのだった。



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