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竜の軌跡  作者: 糸田シエン
修行編
8/81

Two years later

二話連続の投稿です。

「魔法とは何か」も忘れずに読んでください。


べ、別にめんどくさくなって二年後にしたわけじゃないんだからねっ!(嘘)

 師匠に弟子入りしてから二年と三ヶ月ほど過ぎた。この霊峰でも、一人で暮らしていけるだけの実力はついた。ちなみにステータスはこうだ。


◆◇◆◇


名前:リアーシュ

性別:女

種族:ハイヒューマン

Lv.872


HP:3683673

MP:3345376

Str:349573

Vit:342055

Agi:353331

Int:372126

Min:357090


称号

【才能の塊】

【努力の天才】

【神竜の弟子】

etc…


スキル

・古代武芸

・基本魔法

・料理

etc…


◆◇◆◇


 なんか種族変わってた。師匠に訊ねてみると、人間の上位種族なんだって。

 古代武芸、基本魔法も完全習得した。基本魔法は火、水、風、土、雷、聖、混沌といった属性魔法のことだ。空間魔法や精霊魔法、新たに生み出した重力魔法などは特殊魔法となる。


 師匠から鍛冶や錬金術、細工や木工などの生産系も教えてもらい、私の装備は全て自作である。えっへん。


 そして現在、私はとある精霊の前に来ている。契約をするためだ。

 精霊と契約すると、その精霊の属性の精霊魔法が使え、さらに上位精霊ならば、召喚して共に戦うことも出来る。

 私の目の前にいるのは、聖属性の上位精霊ながら剣技を鍛えた、特殊精霊『ヴァルキリー』だ。軽鎧を身に付け、直剣と円楯を携えるその姿は、まさに武人。


「来たか、リアーシュ」

「うん。絶対勝つよ。あなたに勝てないようじゃ、師匠には絶対に届かない」

「とは言え、そう易々と負けるつもりはないし、手加減も一切しないよ」

「上等。私が勝ったら、契約してもらうからね」


 剣帯に下げていた二本の剣を抜く。軽さと丈夫さを重視した、ライトメタル合金製だ。

 剣を握ると、それと一体化したような、心地よい感覚になる。握る手に力を込めると、頼もしい感触が返ってくる。


「先手必勝ッ!」


 爆発的な加速で接近し、剣を振るう。甲高い金属音と共に、それは防がれた。

 ヴァルキリーは堅実な戦い方をする。守りを固め、カウンターを決めてくるタイプだ。勝つには、ヴァルキリーの防御を上回る速度で攻撃しなければならない。


 もっと、もっと速く!


 気と魔力の身体強化を併用する。実はこれ、ものすごく危険だ。

 熱した油に水を加えたり、アルカリと酸の洗剤を混ぜるようなものなのだ。


 一瞬でいい。一瞬だけでも、防御よりも速くーー!


「ハァァァァァアアアアッ!」

 気合いの一閃は、ヴァルキリーの防御を抜けた。

 勝てた、やっと……。

 挑むこと十八回。ようやく、勝てたのだ。


「ハァ、ハァ、ぐっ、ゲホッ!」

 あれ、なんだこれ……血? 私の? 吐血した?

 直後、全身のあらゆる神経を直接炙られたような激痛に耐えきれず、意識を手放した。



 ……あれ、ここは……?

「目が覚めた?」

 覗き込むように見ているのは、さっきまで戦っていたヴァルキリーのレイさん。後頭部が何やら柔らかいので、膝枕でもしてくれているのだろう。

「リアーシュ、あなた何したの? 一瞬ものすごく速くなって斬られたかと思えば、リアーシュったら血を吐いて意識を失うし……」

「も、もう大丈夫だかーー痛ッ!?」

「どこが大丈夫よ。あなたの師匠は呼んだから、そろそろ来ると……あ、来た」


 足音が近付いてくる。

「大丈夫か、リア。何をしたんだ?」

 師匠が回復魔法をかけてくれた。体の痛みはほとんどなくなったが、残留するように鈍い痛みが残っている。

 それでもなんとか起き上がり、師匠に理由を説明する。

「気と、魔法の身体強化を、重ね掛けしました……」

「この、馬鹿者がぁっ!」


 頬をぶたれた。

「危険なことはするなといつも言っていただろう!?」

「ぅ、あ……」


 師匠が本気で怒っている。初めてだ。師匠がこんなに怒っているのは。

「リアーシュ、ローザンハビラ様はあなたのことが大切だから、こんなに怒っているのよ? ほら、何か言うことがあるでしょ?」

 レイさんに抱き締められ、優しく耳元で言われる。


「ごめん、なさい……ごめんなさい……ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいーー!」

 泣きながら、叫んだ。レイさんの胸の中で。


 十数分後、ようやく落ち着いた。

「ご心配おかけしました」

 そう言って、土下座した。


「もう二度とするな」

 そう言って軽く頭を撫でて、師匠は出ていった。


「にしてもリアちゃんは無茶するなー。それに気と魔力の身体強化の重ね掛けとか、普通出来ないし。部分的に分けて使えても、同じ場所ならそこが暴走して爆発するし」

 自分がとんでもないことをしたと自覚し、背筋が寒くなる。私は全身で"それ"をしていたので、下手すると爆発して肉片行きだったのだ。この世界に蘇生の魔法や薬は存在しないので、そのまま死んでいただろう。

 でも、同時に思ってしまう。これを使いこなせればあるいはーー、と。


「……うん?」

「どうしたの? リアちゃん」

「その、呼び方が変わってるなー、と思って」

「だって、寝顔とか泣いてる顔とか、年相応って感じで可愛いかったし」

「普段は可愛気がなくて悪かったね」

「いや、普段から可愛いよ? 抱き締めて色々とペロペロしたいくらいに」

「う、ロリコンだったの……?」

「ほら、可愛いは正義って言うし。リアちゃん、契約はしといたからね。あと、これは契約の証だから、無くさないで」


 レイさんがピアスを付けてくれる。鑑定してみると、すごかった。


◆◇◆◇


戦乙女のピアス

 装備者のHPとMPの自然回復をかなり高める効果がある。また、ヴァルキリーとの契約の証でもある。ヴァルキリーに認められた者以外は触れることすら出来ない。


◆◇◆◇


 これはいい物をもらった。

「ありがとう、レイさん」

「たまには遊びに来てね」

「来れなくても念話はするから」

 帰ろうとした時だった。


 キスされた。


 それもディープな方を。


「ぷはっ。じゃ、またねー」

 レイさんが消えた。精霊だから別に突然消えても不思議ではないが、そんなことよりも大切なのは。


「私のファーストキス返せぇぇぇぇっ!」

 もちろん、リアーシュとしての、だが。

初めて戦闘っぽいことした気がする。

でも戦闘描写は苦手です。


にしてもリアちゃん、ファーストキスを奪われちゃいました。ガールズラブのタグが効果を発揮することを願います。

でも、まだ処j「ディメンションスラッシュ!」


「ふぅ、空間魔法で次元ごと切り裂いてやったわ。ついでに、これからも私の応援よろしく! いつか師匠をこえてみせる! そう、まずは毒を盛ってからーー」

「リア、ちょっとあっちで話そうか」

「ひにゃぁぁぁ!? ごめんなさい師匠! 引きずらないで、死角に連れ込まないで、おしりペンペンしないでぇぇぇぇ!」


ーー全員ログアウトしました。

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