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竜の軌跡  作者: 糸田シエン
都市防衛イベント編
78/81

首都防衛イベント─1つの決着─

一区切り。

 肉体の変遷が終わる。ヒューマンでなくなった私だが、調子はすこぶるいい。五感はいつもより冴え渡り、気の容量も体感で1.5倍といったところだ。

 種族補正なのか、ステータスも一部上昇している。


 あぁ、今ならDI○の気持ちが分かるかもしれない。新しく手に入れた力。それが体に馴染んでいく感覚。そして目の前の敵を倒せるだろうという高揚感。彼の台詞を借りるなら、最高にハイってやつだ。

 今なら、なんでも出来そうな気がする。そんな全能感に包まれていた。


 だがまぁ、そんな全能感など即行で自らの手で木っ端微塵にするのだが。


 全能感などただの慢心だ。どこぞの金ぴかも慢心するせいで負けるのだから、慢心とは油断ならないものである。

 どんな達人であろうと、慢心すれば隙が生まれる。だからこそ武芸者というのは格下でも全力を尽くすのだ。


 だから私も全力だ。新しく修得したスキルや種族スキルも使っていく。


 まずは竜化《不完全》。このスキルは自分の肉体を竜のそれに変化させるスキルだ。ただ完全な竜になるのではなく、あくまで人としての形は崩せない。

 ギチギチと金属が擦れるような音と共に腕が鱗に覆われていく。次いで側頭部から角が伸びた。


 次は鱗硬化。魔力を纏うことにより鱗の硬度を上げたり、熱などへある程度の耐性を得ることが出来る。


 最後に必倒の誓剣。ダメージを受ければそれがどんなに小さなものであれ致死となり、逆に自身の攻撃は時間が経つにつれ威力が高くなるというもの。その効果は、ダメージを受けるか与えるまで持続する。ハイリスクハイリターンなスキルだ。


 これで準備は整った。


「何者だ貴様は。何故あの光精の戦乙女ヴァルキュリア・ブライト漆黒の厄災ダーク・エンディミオンが手を貸す!? 奴等は忌まわしき神竜の配下だぞ! ただのプレイヤーがどうして神格に肩入れされる!?」

 デインイルが言った。


「知らないよ、そんなこと」

 リアちゃんと出会ったのは偶然だ。リアちゃんに気に入られたのも偶然だ。私が今ここにいるのも、偶然が重なった結果だと私は思う。

 だが偶然だろうがなかろうが、私は私だ。

 あの黒竜も、女性も関係ない。ただ私が言えるのは、リアちゃんの想いに報いねばならない。


「知らなくてもいい」

 大切なのは。


「神竜に負けはないとここに証明する!」

 その使徒たる私が、負けてはいられないということだ。


「なめるなよ、格下がぁぁぁッ!」

「今までの私だと思うな、デインイル!」

 一歩踏み出す。それだけで、デインイルとの距離が埋まる。今までよりも身体能力がかなり高いことによる恩恵だ。

 ただ、あまりに急激な上昇に、私自身がスペックを把握しきれていない。身体能力に振り回されている。


 デインイルの拳を紙一重でかわし、時に受け流しながら肉体と認識の差を調整していく。先程までの戦いとは変わって、ある程度余裕を持ってデインイルと対峙できるようになった。別に気を抜いているわけではなく、行動の幅が広がったと思ってもらえればいい。

 クロスレンジでの戦いは、私が攻撃しないためデインイルにダメージはないが、私も全ての攻撃を受けていないため均衡状態にある。デインイルからすればもどかしいだろう。

 先程まで接近するだけで負っていた火傷も、今はなんてことない。


「ブレイズ・ボム!」

 デインイルの周囲が爆発する。先程はやられたが、今回は同じようにはやられない。

「ハァッ!」

 剣に気を纏わせる。前よりも鋭く、過密に。ミスリル製の剣ですら自壊してしまうような高密度の気を纏っても、軋むどころかますます輝きを増していく。

 斬り上げた剣、その銀閃が爆発を斬り裂き、道を開く。


「何!?」

 デインイルが慌てたように腕を振るう。

 これはチャンスだ。動揺の隙を突く。

「古代武芸二刀流──」

 左の剣でデインイルの腕を受け流し

「──双牙・」

 右の剣でデインイルの胸を貫いて

「一閃!」

 右の剣を手放し、勢いを殺さないよう回転して左の剣を水平に振り抜く。

 音を置き去りにした剣閃は、デインイルの胴を文字通り真っ二つにした。


 上半身が重力に従って地面に落ち、続いて下半身も倒れる。

 私はデインイルの上半身に近付き、刺さったままの剣を引き抜いた。


「お、のれ······」

 デインイルが呻くように言う。

「貴様、は、このデインイルを、討ったこと、を、誇りに、思う、がいい······。だが、邪神様は、遥かに強い。貴様らが、どう、足掻こうと、この世界(エインリヴァブル)、の、滅びは、止められん。精々、嘆き、苦しみながら、朽ちるがいい······!」

 末端から粉炭となり風に散っていくデインイルを見つめながら、私は思う。

 この世界は、お前たちみたいな奴らに容易く蹂躙されるほど柔じゃないし、それに、プレイヤーというものを侮りすぎている。今はまだ成長途中なのだ、我々プレイヤーは。時間が経つにつれ、確実にレベルが上がり強くなっていく。邪神とやらがどれだけ強いのかは知らないが、決戦の時、プレイヤーがどれだけ強くなっているのかもまた未知数だ。

 だからこそデインイルにはこう言おう。


「私が斬るよ、邪神も。あなたみたいに」


「······! そう、か」

 どこか楽しげに言い残し、デインイルは風に溶けていった。

E-2強すぎぃ······大和でぶち抜いたけど

Uと大鯨が掘れればそれでいいんだ



あと2、3話でイベント編は終了かなー。

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