決着、刻まれる一撃
ああ、短いなぁ。
一話が長く書ける人、尊敬します。
やって来るオーガを千切っては投げ、千切っては投げを繰り返しているが、オーガが湧き続ける。シャドウではないけど、飽きてきた。なんだか作業になってきた。
それよりも問題なのは、未だ背後で荒ぶっているトロールだ。HPは残り三割といったところ。たが今の戦法じゃ確実にもたない。壁役のHPもだが、それを回復するための魔力も、ポーションもあと少しで底をつくだろう。それに、壁役が受け損ねた攻撃でリタイアするアタッカーも何人か出てきている。
(このままじゃ負ける。でも、どうすれば······?)
イザヤナギとシャドウ、雪にオーガを任せて私はトロールのところに行く? いや、古代武芸二刀流を完全に生かすなら一対一、多くても一対三。
一対多でも扱えなくは無いが、行動の幅が狭まってしまう。
「アサヒ、アタッカー頼む!」
フウコの声が聞こえた。イザヤナギとシャドウを見ると、目線が行ってやれと言っていた。
二本目を抜き、一気に戦場を駆ける。
「ゼァァァァッ!」
フウコは楯を仕舞い、戦斧を振るい棍棒を力任せに押し返した。
助走を使い、跳ぶ。
「古代武芸二刀流『ゾディアックスライサー』!」
刺突と斬撃を交えた十二連撃がトロールの胸を斬り裂く。少し怯んだトロールの足に、フウコが追撃を加える。
「『ホリゾンタルバースト』!」
膝に一撃。後退したおかげで私を狙いやすい間合いまで広がった。そこに棍棒が振るわれる。
「『流水之理』、『アームブレイカー』!」
流水のようにぬるりと受け流し、同時に武器破壊技で棍棒の長さを半分弱にする。
着地と同時に足へと肉薄し、斬撃を加える。速さを生かした回避を行い、紙一重で全てを避け、逆にダメージを重ねていく。
フウコは、受け流しと武器の重量を生かした強烈な一撃を主眼に置いていた。
明らかにこれまでよりHPの減少が速い。
大きく振りかぶられた拳を、フウコと二人で迎撃する。
「『衝破轟飛』!」
「『爆砕刃』!」
私の斬撃が肩口まで斬り裂き、フウコの一撃がトロールを転倒させる。
追撃、いや、止めだ。HPはほんのあと数ドット。今持ちうる最強の技を放つ準備を。
気を用いて宙を蹴り、周囲の木の頂上を少し越える。そこからトロールに向かって急降下する。回転を加え、気を刃に圧縮して乗せる。
「古代武芸奥義『天地開闢』」
その日、森の一角に一筋の傷跡が刻まれた。
アサヒ編はあと数話は続くんだぜ




